2−2:TRPGを知っている。

 TRPGがどんなものだかわかっているのでしたら、ゲーム機やPCのゲームとは違う、ほかのキャラクターも人間が動かしているゲームの楽しさをわかっていることと思います。PBMではその参加者数が桁違いになるのですが、その分TRPGほどの細かく臨機応変な対応はできなくなっています。また、基本的にはシナリオは運営側から提供されたものに参加するということになり、独自のシナリオを作るというのはあまりありません。

 TRPGではPCは一般的にはみんな一緒のパーティーで行動しますが、PBMでは必ずしもそうではありません。一つのシナリオに数十人が集まる為、パーティーを組んだとしても他のライバル達もPCである可能性は非常に高いのです。NPCも存在しますが、PCに対して圧倒的に少ないということがほとんどでしょう。中にはマスターすら予想しない、しかし大きな影響を与える行動を取るPCが現われて、参加しているPCみんなに影響を与えてしまう事もあるでしょう。

 また、各シナリオは基本的に同じ時間軸に存在し、場合によっては影響を与え合います。あるシナリオで精霊を怒らせてしまった為、すべてのシナリオで火が使えなくなったという実例もあります。参加している以外のシナリオの概要や世界全体の情勢は、基本的にまた別に提供されることになります。概要以上のことを知ろうと思ったらプレイヤー側が何とかするしかありません。もっとも現在のシナリオに大きな影響を与えるであろうシナリオの参加者の連絡先は知ることができる場合が多いです。

 マスターの役割も微妙に違ってきます。数十人の行動を管理し、郵便を使うという長いスパンで行われる為、PCの行動はマスターにかなりが任されます。プレイヤーが望んだとしても、状況やキャラクターの設定によっては行動をおこさない場合もあるのです。逆にPCはプレイヤーが想定しない行動を取ることもあります。シナリオで変化した状況に対し、それを想定していないで申告していた行動は修正が加えられるといってもいいでしょう。

 プレイヤーとしてもTRPGとは少し違う考え方が必要になるでしょう。普通のPBMでは1ターンが1ヵ月以上になります。もっとも一ヵ月の行動をみっちり考えるのではなく、一つの事件に対してどう関るかを指定するということになります。シナリオの先を読むということも重要にはなるでしょうが、他のPCの行動も想定して行動するとより活躍できる場合があります。

 TRPGでは実際に人が集まって、シナリオ以外の雑談をするというのも楽しみであると思います。PBMではこれも郵便で行なわれていましたが、最近ではここのようなページやメールでのやりとりもずいぶん増えました。


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