2−4:2次創作がなんだか判る。

 いわゆる2次創作というのを簡単にまとめると、既存の小説やコミックのキャラクターや舞台設定を借りてオリジナルのストーリーを作る事となるでしょう。PBMもある意味ではこれに似ているかもしれません。ただ、ストーリーと舞台を作るのは運営側で、参加者が作るのはキャラクターになりますし、キャラクターの行動も基本的には参加者が決める事ができます。

 こう書いてしまうと、参加者が作ったキャラクターで小説を書いてもらう遊びに見えるかもしれませんが、大きな違いがあります。まず、一つのシナリオには参加者が複数、大抵は数十人設定されています。こうなると自分が作ったキャラクターが主役ということにするのは至難の技です(不可能ではありません)。悪いときには単なる端役であり、普通でも見せ場を1ヵ所作れるかどうかというところでしょう。明確な主役が見つからない話になることも珍しい事ではありません。

 また、結果を読むのも楽しいのですが、PBMでは次の行動をどうするかと考えるのがより重要になります。ストーリーを作り上げる過程に関るというのは受身では得られない楽しみです。行動案がすばらしければ、当初予定されていたシナリオを大きく変更する事も不可能ではありません。運営側だけでも参加者だけでもストーリーができないというのは一種の共作といえるでしょう。

 キャラクターの行動にしても自分が望んだそのままになるとは限りません。前述した通り他の参加者も同じストーリーにいます。互いに対立する行動を取っていた場合にはそのどちらかは不本意な結果になることもあるでしょう。逆に、そんなつもりは無かったのに重要なアイテムだと見抜いたのが一人だけであったならば、それを託されるということもあるかもしれません。参加者が動かしている以外のキャラクターも自由に使えるわけではありませんので、勝手に行動を決めてしまっては失敗する事もあるでしょう。

 参加者側では基本的に一回に一つの行動しか指定する事が出来ません。それ以外に突発的な事件が起きた場合、キャラクターの行動は運営側の裁量によることになります。突発的というのは多くの場合は他の参加者の行動結果によるものになります。例えば、行動を指定する段階では戦闘に入るようにしか見えなかったのが、あるキャラクターのすばらしい講和案が通って戦闘そのものが無くなってしまった場合、いくら巧妙な戦術を考えていたとしても使えるわけがありません。そうなった場合にキャラクターがどう行動するかは運営側が決める事になるでしょう。そのあたりの意外性もPBMの魅力ではあります。


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