最近急激に強くなったことで話題の鳳城貴咲良の元には戦いを挑みに来たものがいる。「レイラ」という先生と共に迎え撃った彼女はあっさりと彼らをあしらった。夜にしかあらわれないというレイラに対し、銀の十字架と清められた水をもって立ちふさがった者は「そんなものに効果はない」と言われていた。
お茶会が行われている高天原専門女学校の保健室には錯乱した状態で駆け込んで来た少女、天宮睦弥が保護されていた。彼女は目を覚ました時には落ち着きを取り戻しており、自分を「歯車の塔」を守護する巫女の姉妹、加逗宮由紀と由良の侍女であり、表では「真実を照らす者」と名乗る組織「プロメテウス」から逃げてきたのだという。古の時代に封印された力を狙ってのことで、封印を解くことのできる由紀と由良を除いてはおそらく襲撃で全滅しただろうという。その際に由紀は彼女たちを逃がすために捕えられ、由良は某所に潜伏しているらしい。その場所はまだ明かしてもらえなかったが。
その頃校内の道場では貴咲良と川面千早の親善試合が行われていた。試合そのものは貴咲良の勝利で終ったが、馬の乱入によりその詳しい経過を見たものはごく一部であった。その者達は貴咲良の体が霊的な力の具現化により大きくなったように感じたという。また、試合が終る頃には千早の竹刀は折れ、防具もボロボロであり、貴咲良の竹刀は最後には炎上、爆発したそうだ。なお、千早の周りにはなぜか裏の者が多い。
なごやかな雰囲気でお茶会のようになっている保健室では睦弥自身の話題になっていた。彼女は次女としては失敗ばかりしていたのだという。また、彼女の持っていた勾玉は由良から渡されたもので「月夜の勾玉」といい、持つ者を魔から守るのだという。その名の通り月の輝く夜にしか効果がなく、女性にしか使えないものであったが。そして、由良は逃げる場所をこの女学校に指定していた。それは「天照の剣」を持つ「天照の巫女」にこの事を伝える必要があったからだという。睦弥は「天照の巫女」を探して由紀と由良を守ってくれるよう皆に頼んだ。
その保健室には噂の怪人「強羅玉都神君」たちの襲撃があったが、かろうじて撃退した。その後親善試合での負傷治療のため現われた千早は睦弥が「天照の巫女」を探していることを聞くと「どうしてそのことを知っているの」と驚いた様子だった。睦弥に「知っているなら合わせて下さい」と詰め寄られた千早は「目の前にいる」と呟いていた。
睦弥は千早の誘いで川面道場に世話になることになった。睦弥が守りやすく、人の出入りが不自然でないことからである。しかしまだ由良の居場所は明かしていないようだ。また、レイラたちは何人かの人々を闇に誘っているようである。
没くいました。ひさしぶりですね〜、こういうゲーム。アクションは「薬を使ってでも睦弥を落ち着かせる」でしたから、出番がないのは仕方ないですか。
2000,02,28鳳城貴咲良の自宅である長屋に訪れた者は、彼女の弟らしい双子、九十九と大から「ぴかぴかの髪のお姉ちゃん」がくると、貴咲良はいつもいなくなってしまうということを聞いた。どうもその女は貴咲良のコーチのレイラのことらしい。そしてしばらく雑談するうち、最近吸血鬼の仕業とも噂される干からびた死体が発見されていること、「ある人間」と接触してから貴咲良が昼間に見かけられなくなったことなどが話題になった。そして学校帰りの貴咲良にレイラと手を切るよう提案したものは「もう戻れない」と、彼女から攻撃を受ける。貴咲良はそのまま逃げて行ったが、目には涙が見られた。
深夜の芙雫楽ではレイラが与えるという「力」に興味を持った者達が集まっていた。彼らはそこで「動く死体」と化した生徒に襲われるが、切り離された肉体は蠢くものの人の姿に戻る事はなかった。そして現われたレイラは「とれーにんぐ」について、「そこに行く」だけでいいと言った。その瞬間に「変えられている」ということだ。「人間以外のものにならずに強くなる」ことが出来ないかとの問いには答えなかったが。レイラは、明日の夜ゲートを開けていると告げると姿を消した。
天宮睦弥が滞在している川面道場では怪しい白猫に「鈴雪」と名前をつけたりしていたが、確かにただの猫ではないようだ。そして川面千早は「天照の剣」を受けとった時のことを話す。もともとは彼女の母を訪ねて来た女性が、母親が亡くなっていることを知ると千早が「天照の巫女」であると告げて剣を渡していったのだという。その剣は見た感じは古く、保存状態もよくない装飾用の剣にしか見えなかった。千早は誰にも話したことのない「天照の巫女」のことをみんなが知っているのを疑問に思っていた。そして「天照の剣」は睦弥が持っていた「月夜の勾玉」と呼応するように光を発し、真新しい剣に変化した。それを見た睦弥は千早が「天照の巫女」に間違いないといい、南谷寺にいる由良を助けてくれるように頼んだ。千早は自分が「天照の巫女」であることには半信半疑ながらも協力を約束する。
その夜、川面道場には襲撃があった。千早は負傷して気絶、護りの側は人間離れした女学生に苦戦する。女学生に首に噛みつかれた門下生の身体は急激に水分を失って干乾びていくのだった。そして、気を失っていたはずの千早が輝きを放つ「天照の剣」を鞘から抜いていくと朝日のような強い光を放ち、それを浴びた女学生は砂のように崩れていく。普段とは明らかに違う様子の千早を見たレイラは退却して行ったが、千早も倒れてしまった。
レイラは高天原高校の裏門に出現した。闇に覆われている空間に通じる裂け目が「ゲート」であるようだ。その中では各人が持っていた能力により、更なる力が与えられるという。プロメテウスに入り、忠誠を誓うならば中にある「プロメテウスの炎」に触れればいいという。そうしないならば抗うこと無く闇に包まれ、また、一度踏み出したら戻れる保証はないという。
川面道場では千早の回復を待たずに由良の救出に向かうものと千早の回復を待つ者とに別れることになった。千早がいつ目覚めるのかはわからないのであったが。
また没です。今回は予想を元に行動を限定していましたからね。相手の裏をかこうと思っていたんですが、読み違い。まあ仕方ないでしょう。
2000,03,27気を失った川面千早を道場に残し、天宮睦弥たちは南谷寺へ向かった。一方の千早は高熱が続いている上に相変わらず意識が戻らず、薬を飲ませるのも一苦労である。それでも何とか薬を飲ませることは出来、翌朝には(多少騒々しくはあったが)目を覚ました。
南谷寺は「誰の姿も見えない」状態であった。そこに出現した護法童子の琥珀は本堂の中の由良の元へと案内する。一般人を操る「プロメテウス」による妨害で遅れたものも到着し、由良は事情を話し始める。天宮家は日本を闇から護る山人の一族で、睦弥は千早のところに辿り着くまでに家族を殺されている。「月夜の勾玉」は由良と睦弥を繋ぐ媒体で、睦弥に力がない為連絡は出来ないが、ずっと様子を見ていたという。そして由良は「天照の巫女」にはプロメテウスの総帥ザカーリ・サインガルドを止めて欲しいという。「誰にも死んで欲しくない」ということのようだが、プロメテウスが解こうとしている「歯車の塔」の封印は「旧支配者」と呼ばれる邪神を封じているのであり、既にその力の一部を使って特殊な能力を持つものを創り出している。そして完全に目覚めてしまった邪神を封じられるのは天照の巫女だけだということだ。
闇の中で「青い炎」に「焼き尽くされた」者たちは、新しい力を自覚していた。洋館の中で彼らを迎えた銀髪の青年をレイラは「果心居士」と呼び、南谷寺へ向かうよう促した。また、強羅玉都神君と戦うのも面白いかともいう。そして「太陽の光には気をつけろ」と警告もした。
強羅玉都神君は、大和の民は異人が技術という知識を得て、何を失っているかに気付いていないという。彼が見つめているのは「業を失った大和の民の姿」だということだ。彼らは芙雫楽からいずこかへ向かったが、その後で現われた帝国陸軍の軍服を崩して着た少年は芙雫楽に火を放つが、それは強羅玉都神君の仕業とされてしまう。そして警察は帝都全域に射殺指令を出した。
千早や仲間を眠らせて「天照の剣」を持ち去ろうとした者もいたが、眠ったはずの千早はやや大人びた「もう一つの姿」を見せる。もっとも直後に仲間により剣は取り返され、千早はそのまま崩れるように意識を失ったのであるが。
みんなが眠っていた為に遅れたが、千早は普段と違う洋装で馬車に乗り、代わりに千早の服を着たものが馬車の前を歩き、ゆっくりと南谷寺へと出発した。その行程は比較的穏やかに進んだが、あと少しというあたりで襲撃を受ける。プロメテウスの刺客に加えて強羅玉都神君たちも交えての戦闘となり、千早も傷ついていく。「地上に神はいらない」という神君は「神の力を封じる為に神の力を行使するのを運命や宿命として満足か」と問い掛ける。そして戦闘の中で神君の仲間は重傷を負い、千早はその治療を望んだ。千早の仲間により治療を受けた仲間を抱えて神君は姿を消した。
先行していたはずの睦弥達とほぼ同じくして南谷寺へついた一行は由良と対面する。由良がいうにはプロメテウスは時間さえかければ由良の身柄を拘束せずとも封印を解く技術があるだろうとのことだ。そして封じることができるのは天照の巫女と、巫女に選ばれた人の力だけだという。その話の最中、結界が破られたことを感じた由良は何かに怯えて「今は逃げてください」という。そして「彼には攻撃が通じない」というのだった。
今回始めて表ですが登場。まあ半数近くは登場しているようですが。それでも登場シーンでいうと4分の3ページぐらいありますしね。やってたのは千早に口移しで薬を飲ませる、というのを女性PCに促しています。自分でやらなかったのが成功要因だったかも。
2000,05,01南谷寺の由良は自ら残り捕えられることを選択したが、千早たちは一緒に逃げることを望んでいた。攻め手であるレイラ達はプロメテウス純粋な構成員であり異人の戦闘員を繰り出して戦わせるが、数が多いのに苦労する以外は大した力はないようであった。乱戦の中、果心居士は攻撃を躱す様子もないのに平然と本堂に進み、強羅玉都神君は地下を移動するものたちを感知していた。
地下を行く由良は「歯車の塔」に入るには「月読の鏡」「須佐の珠」「天照の剣」の3つを揃えれば誰であっても外部からの侵入が可能だという。また「須佐の珠」は新たな世界を作り、元の世界に重ねることで入れるものを限定する結界を創り出すのだという。そのため結界内には霊的な力や、場に憑いているものの多くが存在していないのだという。
貴咲良を癒そうと思ったものがいたが、それはかえってダメージを与える結果となる。何かが「憑いている」と感じたものがいるが貴咲良自身はそれは「プロメテウスの炎」であり、その力をもらうことで「血を吸わなくても良かった」のだという。一方で「零号」は吉祥寺に攻撃を仕掛け、由良や千早を外へと出した。
天宮遙は「プロメテウスの炎」は「旧支配者」と呼ばれる邪神であるという。それが「与えられた力」ならば武器と同じく「捨てるのは簡単」であるが「望んだ力」であるならば筋肉と同様、捨てるのは簡単ではないという。力を望んだ時以上の魂の心があればなんとかなるかもしれないということであるが。また、鳳城博士に頼まれていた薬は貴咲良の母の病気を治すためのもので、闇に捕われたものを解放するものではないという。実際に一人が飲んでみたが、そこでは何も起きなかった。
北へ向かい六義園についた由良は「須佐の珠」を護衛の一人に渡し、それがなければすぐに塔の結界が解ける事はないといった。そして一同を足留めし、千早の記憶を探ったものは「天照の巫女」も、かつて旧支配者を封印する能力を持っていた人間が神の名で呼ばれただけで、その家系であるというだけのものだと知った。そして動けない由良は連れ去られた。
貴咲良は天宮睦弥の血を吸い、心を殺して暴走をはじめる。それに対して千早は「天照の剣」の光を使うが、ほとんどのものは自分を取り戻すものの貴咲良は元に戻らない。しかし貴咲良を想う人の心が通じたのか、正気は取り戻す。
果心居士はレイラの元にいた由良の前に立つと、少しづつ若返っていった。「これで永遠は手に入れた」という果心居士はザカーリには自分が直接連れていくと由良を連れ去った。レイラと強羅玉都神君は果心居士のことは後回しとし、「紙に刃を向ける覚悟があるならば我を超えてみせろ」といい、錫杖を地面につきたてると睦弥に斬り付ける。それに対して千早は天照の剣を置いて、拾った真剣を手にした。
貴咲良は零課になら直す方法があるのではと思うものが「盗み出して」いたが、途中追いついてきた遙に笑顔を見せる。知り合いであったらしい遙は「カオスの錫杖」という特殊な追魂剣の炎なら闇を浄化できるかもしれないと教えた。
今回は没。思ったより戦闘メインになっているのは裏である故か。しかしこちらはなんだか口づけするヤツが妙に目立つなぁ。
2000,05,29鳳城貴咲良に血を吸われ吸血鬼化した天宮睦弥は、その力故か傷からは回復したものの精神的ダメージは残っているようだ。しかし「由良を助ける」ということの為に、「月夜の勾玉」の力を使い現在の由良の様子を水面に映しだす。自分に体力が残っておらず、また、吸血鬼化した自分が正気を失うかもしれないという不安から、睦弥は「月夜の勾玉」を人に託し、そして「須佐の珠」の力を合わせることで水面の向うの空間へ繋がる入り口を創り出した。
現われたのは、苦しげな様子の果心居士の前であった。由良は逃がそうというのを拒否し、すぐに戻るようにいう。果心居士は様子がおかしいままながらも、時間的なものを無視して「零で動く」攻撃を仕掛けて来る。魔法陣から現われたものがそれを受け止めたとき、空間を繋げていた力が途切れて一行は元の場所に戻る。魔法陣の中から現われたのが黒髪の少年であったのを訝しんでいる時、機会をうかがっていたものが攻撃を仕掛けて来ていた。地面に縫いとめられて危うい状況であったが、召喚した翼竜の攻撃を受けて、体内の「蟲」を押さえるのに困難を感じた襲撃者は撤退していった。
貴咲良は体温が異常に上昇し、鼓動も激しい状態が続いている。それを何とかするには強羅玉都新君の持つ「カオスの錫杖」が必要らしい。しかし千早と向き合っている強羅玉都神君の隙をついて錫杖に触れたものは手に火傷を負い、錫杖の魂に同調しようとしたものは危うく取り込まれそうになる。だが、神君についているものが持っても何ともなかったことから、神君を倒すなりして錫杖に所有者と認められないと力を使うことはできないようだ。そして神君は武器を失い、仮面を砕かれる。その仮面の奥には眼と、混沌としか呼べないものが存在しているのみであった。
レイラは「零号」に「刻印のないものを全て殺す」ことを命じ、千早の回りにいた者たちは致命傷を負わされる。「闇に生きるもの」であることと、蟲による手当てでなんとか命は取り留めたようであるが。そして、神君を護るものから錫杖を強引に奪ったものは手が焼けるのにもかかわらずそれを持ち続け、ついに身体中を炎に包まれる。それを見たことで「もう一人の千早」が目覚め、その体から発する光は闇を持つ者の体を焼いていく。千早と向かい合っていた強羅玉都神君は、後ろから心臓にあたる部分を貫かれて動きを止めた。そして錫杖の力を手にしたものは、皆の「闇」を燃やす行動をはじめた。
強羅玉都神君はその体が拡散するように消えていき、千早は戻っていく。天宮遙は傷だらけの姿を見せ、レイラは零号の修理の為に自分の研究所に戻っていく。そして貴咲良は元の姿に戻り、家族と暮らしていた。
一応採用です。活躍はしていないけど。正直言うと拍子抜け。最終決戦があるかと思ったら、メインは神君との戦闘で、それも参考用名簿にあるPCが止めを刺しちゃうし。話の流れも続編を前提とされているようで、完結していない感じだし。
2000,07,01