反乱軍の本陣では指揮官の王女ヴィレールが、一人聖具を求めて出ていった聖女シルメーラの身を案じ、自ら探索に向かいかねない勢いであった。それは流石に思い止まったものの、探索隊に「聖具探索なんていいから、すぐ連れ戻すよう」と命じ、出発させた。
シルメーラが向かった方角の近辺を治める領主のアベルデュの元には、王都から来た魔導師や軍使が滞在していて、彼女はその対応に頭を悩ませていた。また、そのあたりではシルクという巡礼者の女性を助けたことをきっかけに、帝国軍の横暴に不満を持つものがなぜか集まりだしていた。
そのシルクも聖具のことを知っており、人々を案内するという。しかし目立つ存在となった一行はアベルデュに発見され、シルクは捕えられる。シルメーラを追っていた反乱軍の者たちが加わることでシルクは助けられたが、人々が期待したように「シルクはシルメーラの偽名」ではなく、まったくの別人であった。偽名は事実であり、本名はマリアといったのだが。
「本物の」シルメーラはその後発見された。しかし、聖具を発見するまで帰る気もないし、兵力を自分のために割いて欲しくないというシルメーラを説得することはできなかった。そして重装騎兵を率いて戻ってきたアベルデュの前に、一同は敗北を喫し、命からがら逃げ出すこととなる。そしてシルメーラはまた一人で出発し、あとから追いついてきた反乱軍騎士達も一同に戻るように告げた。
さて、第1回。ウチのは一言だけ出番がありました。「貴族で反乱軍」は珍しいみたいですね。しかし回数が少ないからか、2〜3回分が詰め込まれているような感じだなぁ。
2000,07,10聖女シルメーラは人々を巻き込みたくないと一人で聖具探索を続けるつもりであり、帝国軍との戦闘に疲労した先発隊は置き去りにされた。後を追ってきた騎兵隊も彼らには危険だと判断する。だが、一同はまだ諦めていなかった。
聖女とは別に聖具を求めていたマリアを含めた数名はシルメーラと区別の付きにくい服装をして帝国軍の混乱を計る。それは領主のアベルデュの予想の範囲内であったようであるが、「マリア」は現在駐留している魔導士たちが探している人物でもあるようだ。
聖女を追っていた騎兵隊は帝国軍との戦闘に入っていた。それは帝国軍の優勢のうちに進み、聖女近衛隊「聖女の盾」の最後の生き残りディーハルトは人質とならない為に自ら命を絶った。
そのシルメーラは自らの数々の発明品を手に探索行を続けていた。それを影から助けるもの、捜索中の帝国軍を地形を活かして迎撃するものなどのサポートによりシルメーラは順調に進み、アベルデュも捕縛される。別行動となっていた魔道師隊も打撃を受けるが、上空には空を行く戦艦「エーデルエルミシュ」が姿を見せる。魔道師ユストゥスはその偉容を誇り、反乱軍は恐れていた。そしてシルメーラは聖具、天馬船「アールヴァクル」と「アルスヴィズ」の復活を急ぐ。
「聖杖」を持って街に入ったシルメーラは、市民の通報により発見された。聖杖はその前に持ち去ったものがいるが、シルメーラ本人は人質を取られてユストゥス一派に捕えられる。そして聖杖の捜索に村や町に進軍するという言葉に、シルメーラは持ち去った者の名を告げてしまった。
ユストゥスの元には援軍として「紅彩魔導兵団」が到着し、聖具の眠る霊廟には魔道師たちだけが向かうという。アベルデュは彼らと反乱軍とを天秤にかけ始めていた。
霊廟にはマリアたちと、聖杖を奪ったものが到着していた。複雑な儀式により天馬船の眠る塔は甦り、マリアたちは「炎のアルスヴィズ」の眠る塔に向かう。少し間を置いてシルメーラをともなったユストゥス達も到着するが、それをみとめたマリアはシルメーラの甘さにいらだちを覚えたようだ。そしてシルメーラは「風のアールヴァクル」の復活に手を貸すことになる。
第2回。前回で読み取れなかった事実が判明し、ついでに解決してしまっている部分が何ヵ所か。悪いとは言い切れないけど、詰め込み過ぎているという印象は相変わらずですね。
2000,08,07巫女マリアは聖具の片割れであるアルスヴィズを解放する。しかし、彼女は闇の神バーグの巫女であった。もう片方であるアールヴァクルも目覚めているがその支配にはてこずり、最終的には解放軍側がその制御を得た。しかし取り逃がすまいとするユストゥスの強い攻撃の意思を受けたアルスヴィズは街を一つ焼き払ってしまった。その街の領主であったアベルデュはその惨状に震えつつも、解放軍に協力する事を償いにしようと決める。
聖女シルメーラはアールヴァクルで避難民の救助を行なっていた。しかし逃げ遅れたものを助けようとした結果として、機械兵の侵入を許してしまう。それは機関部に損傷を与え、本来の持ち味である機動力を殺してしまった。それを送り込んだマリアは機械兵には敵味方の識別能力がないといい、「最悪聖女の肉体が手に入ればよい」といった。船内の人々は機械兵に怯え、シルメーラも降伏したら助かるのかと弱気になっていた。
三回め。雰囲気はともかくゲームとしての情報に不満を感じます。今回ウチのキャラはマリアについて行っていたんですが、正体がわかった今一体どこにいた事にすればいいのか。あとは読者の想像にまかせるような具体性を欠いた描写が目立ちます。文章は美しいと思うんですけどねぇ。
2000,09,11聖女シルメーラは追い詰められた状況に怯えていた。降伏すればこの場だけは助かるのかと口に出すほどであるが、それを耳にした避難民たちはますます混乱する。
また、シルメーラや避難民が乗り込んでいる天馬船アールヴァクルには一体の機械兵が侵入し、破壊と殺戮を続けている。その頑丈さと強力さに立ち向かうことは容易ではなかった。
シルメーラは船外へと連れ出されようとしていたが、直前に思い直し、かろうじてアールヴァクルに留まる。そしてようやく自分の力不足を人々が補おうとしているのに気がついた。
機械兵との戦いは布きれを絡みつかせたところにアールヴァクル自体を横倒しにする事で転倒を誘い、装甲の隙間をつく事で決着した。強大な敵を倒したことで艦内の士気は上がる。
もう一つの聖具アルスヴィズはバーグ教団の巫女マリアが操っている。彼女は教団にはびこる膿を出し、教義に基づく理想郷を作り上げるのが望みらしい。しかし教団の魔道師ユストゥスはデマを元にマリアに不信を抱き、アルスヴィズの制御を奪おうとする。それによって操船が乱れた事で、アルスヴィズはアールヴァクルに敗北する。
アールヴァクルは反乱軍のリーダーのヴィレールに合流した。そこでは帝国の空中戦艦エーデルエルミシュに対しての情報を手に入れ、作戦会議が進んでいた。戦闘で武装を失ったアールヴァクルは機動性を活かすしかない。
一方マリアもユストゥスの脱出魔法の範囲に入っていたおかげで助かり、今はエーデルエルミシュの中でユストゥスの暴走を止めようとしている。そのユストゥスは機関部にこもり「いざとなれば帝国も反乱軍も全て滅ぼして我らが世界を支配する」と一人叫んでいた。
やっとシルメーラがまともに考えてくれるようになりましたね。最初に独断専行したかと思えばいきなり落ち込むし。エマンは説得組でクサイ台詞つかってます。なにせルール上で外見年齢とはいえ、他のキャラが最高32歳なのに、40代飛び越えて50歳。
2000,10,10天馬船アールヴァクルを手に入れ同じ天馬船であるアルスヴィズを撃破した反乱軍は、帝国の空中戦艦エーデルエルミシュに対しての作戦を控えていた。天馬船ならば矢や魔法は耐えることができるだろうが、エーデルエルミシュの魔導砲にだけは注意が必要であるとの方針で機動力を活かして肉薄し、懐に入り込むという基本方針が立てられた翌朝、作戦行動を開始したばかりの反乱軍に先制攻撃をかけてきたのはエーデルエルミシュであった。
アールヴァクルは一気に肉薄して船内へと突入隊を送り込んだ。飛行可能な者達も精一杯の援護を行なっている。竜の一族のあるものは自らを犠牲に魔導砲を破壊した。
突入した者達は、意見の違いから監禁されていた闇の巫女マリアとも合流し、機械兵とも戦いながら機関部分を目指す。機関部に立てこもっていた魔導士ユストゥスは暗殺者の刃に貫かれるが、そのとき既にエーデルエルミシュはアールヴァクルを巻き添えに自爆するべく機関を暴走させていた。
既に人外の存在となっていたユストゥスは機関を止めようとするものたちを妨害するがやがて倒され、機関はマリアの力で停止させられた後、破壊された。エーデルエルミシュは最後に進路を地上の反乱軍に向けて落下していくが、アールヴァクルがそれを支え、軟着陸させた。そして使命を果たしたアールヴァクルは姿を消していき、マリアもまた自ら命を絶つ事を望む。
事態は既に戦後処理となっている。シルメーラは「聖女」としての役割を強いられ、かつての仲間たちと会うこともままならない。「反乱軍」の主要5貴族は無能ながらプライドのみ高く始末に負えない。彼らはシルメーラに近付こうという者達が気に入らず、演奏会に招待した上で「事故」にあってもらおうと計画していた。
とりあえず作戦案一つ採用。プレイヤーとしては副次的な方ですが。まあメインも「進言したが却下された」と描写はされているのですけどね。あと「マスターより」で、次回最初から聖女に会えるのは貴族だけとされているんですが、今回の名簿には貴族はエマンしかいないぞ(^_^;)。
2000,11,07大きな被害を受け、「枯れた街」と呼ばれているサンクトアトリウムでも人々は復興に向けて努力していた。領主であるアベルデュも自ら教会(ほとんど神官の住居であるが)に出向き、打合せに参加している。食料などが足りないのももちろんだが、人々の心の傷はまだまだ癒えていない。
バーグ教の「闇の巫女」マリアもここで預かりの身となっている。彼女を気にかけるものも多いが、闇の巫女である彼女が素性を明かして暮らせる日は遠いだろう。
難民達は有力貴族のデーニッツが預かっているが、自分の面子にこだわっているだけのようで決して待遇がいいとはいえない。難民達自身は説得によりサンクトアトリウムへの帰還を望むものが増えているが、それを許しては貰えない。それに対して即位したヴィレールに直訴が行なわれ、デーニッツは父親から圧力を受けることになる。そして避難民は聖女シルメーラの一行と共に故郷へと帰還した。
サンクトアトリウムでは帰還記念に宴が開かれた。貴重な食料を放出しての宴会に人々の笑顔も広がっている。その中でアベルデュには伴侶が決まって人々に祝福されている。
そして人々はまた復興に向けて、また、自らの未来のために動き始める。
裏設定「実は若い」を使ってもらってます。行動自体はあまり目立っていないけど、エピローグで独自の道を行こうとすると仕方ないですかね。
2000,12,24