ヴァルトラウド帝國空軍の根拠地の外れのレストランには空軍総督ドランシ・ツァイスヘルトの招待で軍人達が集まっていた。個人的な会食とは言いつつ、最後に提督がしたのは軍関係の話だった。出席者の意見は「グレイスンの現兵力も工業力も帝國より上であり、勝つ見込みはない」ということだった。もっともそれでも命令とあれば出撃するのが軍人ではあるのだが。
ティルフィルトハーフェン空軍飛行場では連日の訓練、機体テストが行われていた。試作機の試験結果は芳しいものではなかったようであるが。また、飛行経験の差はまだまだ埋まらないようだ。
3月18日、中央諸国和平会議に於いてシュトラック皇太子が射殺され、会議は決裂。帝國はウェルニエに進駐を開始し、3日間で首都ノーギスを制圧。ユトニア王国に脱出した民主勢力首脳に対し、ユトニアは引渡しを拒否。グレイスンは中立の立場をとっている。そしてしばらくの間は空軍の出番はなかったのだった。
帝國の「グナーデ級」戦艦2隻は「フレニール」で浮力を得ているため、戦艦としては最大クラスの24センチ砲を搭載している。もっともその射撃技術は空軍になく、陸軍の砲兵隊から人員を求めることになっている。駐留する首都上空でその訓練も進められていたが、それにも中断命令がでた。そして猟空艦隊はアンザスのゼッフェル山地の北で初戦を迎えることになる
セトンは試作機に「美しくない」とコメントしてます。そういうキャラだったかな? と思いながら登録シートの内容をログに書き写していたら、「特性」の感受性のコメントに「機械にはセンスが必要」って書いてました。う〜ん、「センス」は美しさのことだけじゃないけど、まあいいか。そういうキャラも面白いでしょう。
2000,03,03ヴァルトラウド帝國空軍の猟空艦隊は初の実戦を迎えようとしていた。まず航空基地を無力化した後に艦隊戦という段取りである。
航空基地の無力化は先行部隊が対空砲と地上にある航空機を撃破した後、艦隊が爆撃という手順で行われた。先行部隊は不慣れさから危ない場面があったりもしたが役割を果たし、艦隊は滑走路を封鎖した。
艦隊戦に先立って航空機部隊の攻撃も行われた。さすがに無傷とはいかないものの、充分な戦果をあげる。アンザス攻略は陸軍の装甲列車部隊の砲撃によって行われ、猟空艦隊は艦隊戦に専念することになる。その戦闘では敵艦隊は温存したのか戦艦を配しておらず、結果として猟空艦隊の優勢のうちに進む。敵艦隊で脱出したのは駆逐艦が3隻のみに対し、猟空艦隊は巡行艦一隻が中破、駆逐艦一隻撃沈、三隻大破、五隻小破に、戦艦の2番艦ケーニヒスグナーデが小破である。ただし2番艦の小破はブリッジ付近であり、艦長以下主要スタッフを失った。
制圧した「元」アンザスには奇妙な砲弾の破片が残っていた。それ実験用ではあるが帝國軍のガス弾であり、おそらくは運用実験であろう。また、猟空艦隊には新型機も配備されたが、それはテストで不安材料が続出した機体を複座、対艦用に改造しただけのものであった。そして猟空艦隊は役目を紅狼艦隊に引き継ぎ、明日にも母港に帰ろうかというところであったのだが、警戒飛行中の機体は敵機を発見した。おそらくは後から艦隊も来るのであろう。
セトンは新型機に頭を悩ませています。問題点は何も改善されていないそうで。いかに手を入れたものでしょうね。
2000,04,06ヴァルトラウド帝國空軍の猟空艦隊はユトニア空軍とフライングドギーズの共同戦線に対応するべく行動を開始した。迅速な作業とギリギリまで粘ったことで発艦した航空機は予想の5割増しというところとなる。
航空機同士の攻防は一進一退という状況で、無謀ともいえる帝國戦艦の突撃があっても戦術的には痛み分けという結果である。ただし戦略的にはユトニア空軍に甚大な被害と、フライングドギーズの母艦の損傷を与えた帝國の勝利といっていいだろう。
母港に帰還した猟空艦隊には、帝國内でのカサンドラ弾圧が激しくなったことと、空軍に対しても監視役のスケイブ・ニーゲムが送られたことなどがあり、今までの雰囲気とは違う沈鬱なムードが漂っている。それはそれとして、母港では佐官以上の祝賀会や操縦士の工場見学などが計画されていた。
セトンは整備士としてパイロットに機体特性アドバイスなど。始まってしまっては整備士が目立つのは至難の業ですね。
2000,05,06帝都で行われた祝賀会で猟空艦隊の面々は艦隊に乗り込むことになる皇帝直属の「指導部隊」であるスケイブニーゲムの隊員達とも顔を合わせていた。権力をカサにかけて威張りちらす面々が多い中、カマチ・リノ上級課長という人間はつかみ所がなく、異質に感じられた。
その翌日行われた作戦会議ではスケイブニーゲムより無謀とも思える作戦が提示される。都市の制圧は単に軍事力だけで維持できるというものではないからだ。そこでカマチが見せたのは毒ガス兵器「マスタード」の実験映像であった。条約違反兵器を使用した悲惨なその映像は既に連合王国にも届けられ、無条件降伏を勧告しているという。そしてその運用は猟空艦隊に乗り込んだスケイブニーゲムの仕事であり、彼らを運ぶのが今回の任務である。
4次会を過ぎても盛り上がったパイロット達の祝勝会も終って数日後、航空機製造のヴァルトユニオン社の工場見学会も行われていた。軍の上層部を通さない生のやりとりはいい結果を産んでいるようで、直接機体を選ぶことなども出来ている。
軍港では船の整備や物資搬入なども行われている。実戦に則して改良を加えられていた「レーヴェ」にはフレーン通信機の波を拾って誘導される「シャーベ」という誘導弾(無人飛行機)も搬入された。その弾頭は毒ガス弾ならば数千人分の致死量を運ぶことができる。
ブレイニル王国の仮装巡洋艦シュバルツ・カッツは帝國領内で通商破壊任務を行っていた。その途中、彼らは猟空艦隊の動きをキャッチした。その猟空艦隊はハンルー大陸のリージェン市の目前で防衛側とにらみ合い、毒ガス弾をも使用する戦闘も間近かと思われた。
次回ですが、実際には戦闘が起こるかは未定だそうです。どうやら双方のアクトによるようですね。どちらの場合も想定するようにという注意書きでした。
2000,06,09ハンルー大陸のほぼ中央に位置する城塞都市リージェンは帝國猟空艦隊に対して篭城の構えをとっていた。そして帝國艦隊はガス弾を装備している。そして降伏勧告に示された時刻が過ぎ、ガス弾を積んだ無人の機体というべき誘導弾「シャーベ」は発射された。
二発の誘導弾のうち、一発は高々度からアジテーションを行った軍艦のフレーン通信機の波を拾って急上昇して失速したが、もう一発は人々が避難していた教会堂に命中。ガスは街に広がり、グレイスンの司令官は降伏を選択した。その後、人々の逃げ道を塞ぐ城壁を艦砲射撃で破壊したことと、突然の大雨でガスが流されたことで被害はかなり少なくなったはずだ。もっとも流れこんだガスの影響でリージェン湖は水源としてはしばらく利用出来なくなった。また、パイロットの一人は雲の中で一瞬、竜のような姿を目撃している。そして教会に命中した「シャーベ」の操縦席にあたる部分には、誰も知らないことであるが「フランツ」という少年の意識があったようだ。
猟空艦隊がハンルーの航空実験団「跡地」に到着した頃には重要なものは全て持ち出されるか、破壊されていた。中でも人々を悩ませたのは意図的に重要部分のみを破壊して残された曳航式の対艦兵器と思われるものであった。
その後、軍ではニーゲムの影響力が増加し、猟空艦隊も解体され、ニーゲム直卒の「帝室艦隊」に生まれかわる。その旗艦となるのはグナーデを上回る火力を持つ新型艦「カレッカ・ディ・カイゼリン」である。
え〜、要約の方には上手くまとめられなかったのですが、ニーゲムの、特にカマチは何か裏がありそうです。彼と密談していた「黒髪の女性士官」も目撃されていますし。
2000,07,07占領したリ・クー市には猟空艦隊の軍人たちも上陸していた。制服着用で市街に出た者たちは住人の視線に居心地の悪さも感じていた。そして軍人を乗せたバスと荷馬車が接触事故を起こしたのをきっかけに住人たちから荷物であったトマトや石を投げつけられる騒ぎとなる。その陰には扇動したものもいるようだ。
再編成された艦隊には人員や装備の補給も行なわれているが、夏だというのに冬季装備が持ち込まれたり、まだ若かったり、言葉もあやしい国外の人間がいたりとチグハグなことも目立つ。一方で熟練士官が移動されたりということもあり全体的に縺度は低下していたが、それを何とかしなくてはいけないという状況だ。この戦争は帝國がこの世界の「門」を全て解き放ち、古い世界を捨てて新しい世界を作る為の戦いであるという。
猟空艦隊にはカルドランゼのグレイシアにある「門」の解放のためにニーゲムを送り届ける任務が与えられた。北の果てに赴くその作戦は途中で連合王国側に発見される事がありつつも成功したが、その後の命令は敵陣の真ん中を突破して合流しろというものだった。
セトンは装備品の改造申請書類に取り組んでいます。ずいぶん悩んでいたようですが(^_^;)。あと、「シャーベが人間爆弾」というのをPC情報にするのは不自然とアクトかけたら気付いていないと思われたみたい。
2000,08,11敵陣を抜けて本体と合流するよう命令を受けた猟空艦隊は、本国周遊艦隊と第三艦隊による挟撃をかろうじて突破し、速度をやや落として南南西に向かっていた。
艦隊の中では一部の者により古いレリーフに書かれている文字の解読が行なわれていた。それには「世界が苦しみであるものにとって、世界の終焉は福音であり、喜びであるものには終焉は破滅である」という意味のことが記されていた。そして夕日を浴びたレリーフはその反射光でアースラントの地図を描き出す。そこには、門の半数が開いた時霧の国に現われる扉に至ったものが「世界の全てを統治する巨人の力」を得るという意味の言葉が書かれていた。
猟空艦隊はいまだ敵勢力圏内を南下中であった。夜戦を仕掛けて成果を上げはしたものの、夜間攻撃に長けたパイロットを集中した事で、留守中にやはり仕掛けて来ていた航空隊に有効な反撃が出来ずケニーヒスグナーデが大破したりもしている。
そして8月20日0730時、戦闘の最中ケニーヒスグナーデ艦長は帝國の方針に異を唱え、離反を表明してしまう。そのケニーヒスグナーデには駆逐艦が肉薄し、それに気がついたあるパイロットは特攻をかけてでも止める事を決意したようだ。
今回は高空装備強化の進言がある程度成果を上げたようです。で、反乱した艦長はPCさんなんだな。WEBでは知ってるけど。
2000,09,08いまだ続く戦闘中、自ら戦場に飛びだし、被弾して不時着したヨルグ大佐の機体近くには救護艇が着陸し、必死の救助活動が始まっていた。また艦隊の戦艦ケニーヒスグナーデの艦長が離反を表明した事もあり、航空母艦レーヴェも混乱していた。救護に向かいたいものや裏切りに興奮したものなどが入り乱れているのだ。結果として必死の救護活動は連合国側の軍人も意気に感じて見逃した。しかしケニーヒスグナーデに特攻をかけようとした機体は、パイロットが「愛機」を道連れにするのを嫌がり予備機で出撃していたこともあって通常の機動が取れず、連合国側からは要撃容易であるとして直前で撃墜された。
戦闘は大きな被害を出したもののなんとか突破し、母港にまで辿り着いた時には「壊滅」と行ってもいい状況だった。ケニーヒスグナーデは「戦没」扱いとなり、乗員達も戦死とされ、戦意高揚策に利用されている。生き残った者達のかなりが昇進し、報道で「英雄」扱いされているのもその一つである。しかし「救えなかった者」に対する意識は消えるものではない。「慣れる」ことは出来るのだが。そして助かったヨルグは奇跡的に意識を取り戻したものの、彼の「家庭の事情」が伝えられて以来、鬼気迫る様子でリハビリを続けているという。
猟空艦隊は帝国の「帝室艦隊優先」の方針から補充もままならず、人員も離着艦すら危うい新人パイロットが配属される状況だ。ヴァルトユニオン社の試作大型噴進弾「フリーゲ」が「員数外の装備」ということで持ち込まれたのは数少ない明るい話題かもしれない。
そしてレーヴェの修理も終らないまま、猟空艦隊は囮としての任務を与えられることになる。帝國は「霧の門」を制圧するべく作戦行動を開始。その為には「霧の門」があるクランベル首都ファーベランを消し去る事も構わないという。
セトンはケニーヒスグナーデの弱点を進言しようとしたものの、アクトに艦隊戦との記述をしていなかったせいか、救助したい人と頭に血が上った人に話すに留まりました。
2000,10,06囮として使われるかと思われていた修理もろくにされていない猟空艦隊であったが、艦隊司令補佐となったものは「予備戦力」として後方に配置することとした。また、猟空艦隊内では独自に計画を立てて行動するものたちもいる。そして戦力的に不安な状態での艦隊では黙認の元で酒宴も行なわれていた。
目的地・クランベル公国までの航路は順調であった。余計な戦闘を避けるという方針があった為でもあるが、敵国内ということで情報は伝わっているはずだ。そして始まった首都ファーベランでの戦闘は公国の装備の古さと、ガス弾使用を辞さないという帝國軍の恫喝により公国が屈する形で決着した。
連合王国軍との戦闘は、初日は戦艦同士の砲撃戦で帝室艦隊の旗艦ル・カレッカの「紋章砲」が成果を上げ、航空戦でも牽引爆弾をネットで封じることに成功し、捕獲された帝國製駆逐艦を使っての夜襲も警戒を怠らない艦隊と、識別塗装を追加していた事により失敗に終る。翌日はついにネットに限界が来て大型艦にも被害が出る。
そして三日目、本国から独自行動の成果を持ち帰った者がいる。それは皇帝陛下の肉声による「勅命」であり、以前の命令を撤回して本国に帰還し、ニーゲムの特権を剥奪し空軍軍人の拘留下に置いて従わない場合戦闘も辞さないというものだった。そしてニーゲム将兵のほとんどは混乱の隙に旗艦ル・カレッカに移乗し「全ては陰謀」と保身を図り、若手将校を扇動する。また、この混乱に紛れて連合王国の航空部隊も接近していた。
セトンは機体の改造と「独自の行動」への助力。後者はテイルでは描写されていないですが。しかし最終回前にしてとんでもない状況に(^_^;)。
2000,11,11早朝のファーベラン上空では猟空艦隊が慌ただしく活動していた。皇帝の命により出撃命令が撤回されたのだが、地位を追われる事となったニーゲム達が反乱を起こしたのだ。そして帝國の事情で連合王国が待ってくれるわけでもない。まずは高速の偵察機がカメラの不調に悩みながらも肉眼で敵艦隊を確認した。
空戦では帝國空軍機は奮戦し、貴重な時間を稼いだ。だが旗艦カレッカを占拠したニーゲムの砲撃は航空母艦ティーゲルを爆沈させ、脇にいたレーヴェも一時機動力を喪失。その隙に連合王国の攻撃隊は曳航爆弾ガルを艦橋に命中させた。戦訓が活きて内部の誘爆や引火が避けられたのは幸いといえるだろうが、事態は決して安心できるものではなく、ついに航空参謀のリヒターまでもが出撃準備を始めた。
戦闘はまだ続き、撤退は困難を極めている。敵艦隊の能力をそぎたいのはやまやまながら、カレッカがニーゲムに占拠され、そちらへの対応も迫られることとなる。カレッカ内部ではフレニールが溜まっており、このままだと爆発しかねないという。内部から、紋章砲の砲口と艦橋を同時に破壊するようにと知らせて来たのは初老の男性。そしてそれに応えて猟空艦隊機とブレイニルの機体がカレッカを沈めた。艦橋にいたのは、おそらくハンス司令だろう。
戦後数十年。空中を航空機の編隊が飛び交うこの場所に親子連れがやって来た。彼らはここで、仲間と再開するのだ。帝國は解体し、混乱した後に一部が再び帝國を名乗ったりしている状況もあるが、ここではかつての敵味方が「戦友」ともいえる気持ちで談笑していた。そしてイベントに合わせて復元されたかつての名機達は、パイロットを乗せて空を舞う。
え〜、テイルでは「過去」の戦争を回想するという形で時代が交互に描かれていますが、ほとんど省略。「現代」の方はほとんどPCのその後というものですし。ちなみにセトンは退役して機体開発に携わっています。
2000,12,08