CITIZENの秘密その5

HMTと言う会社をご存知でしょうか???

インド国営の多業種企業で、1950年中盤に時計部門を独立させました。
Citizenとは、関係が深く技術供与を受けているのでは、ないかと思われます。
先ごろまで、Homerの機械を製造していた事は、皆さんもご存知ではないでしょうか?
(1960年代初頭に、Homerの機械に関しての、技術供与契約を締結した様です。)

#Homerの新品パーツが、今も入手できる(?)と言う意味では、ガラ師的には、押さえておきましょう。

とは言え、本当にCitizenとの関係は、どの程度あったのか? 気になりますね。
この時計をご覧ください。



「hmt」と「Citizen」のダブルネーム(笑)の文字盤が、その疑問に答えてくれました。

正確な製造時期は、分かりませんが、「ParaShock」の表記と「Citizen」のロゴの
形態が、1950年代後半〜1960年代初期を思わせるモノがあります。
Homerの登場が、1960年である事から考えると、随分初期(Homerが登場してすぐ?)から
HMTとの技術供与が、行われていたのではないでしょうか???

左がCitizenのHomer、右がhmt-Citizenの機械です。



このHomerは、'62年製造の機械ですが、地板の刻印と角穴車の彫りを除き
全く同じです。



と、ここまで来てお気づきでしょうか?
この時計は、明らかにCitizen社の製造の時計では無いと思われます。
どちらかと言うと、hmt社の「Citizen」というペットネームのモデルの様な気がしますネ!!

では、敢えて、ダブルネームにした意味は、何だったのでしょうか???

初期のHMT社は、Citizen社のネームバリューを、それなりに利用していたのでしょうか???
それとも、hmt社は、Citizen社のディフュージョン・ブランド扱いだったのでしょうか???
やっぱり、文字盤の「Citizen」の文字は、Citizen社と直接関係無く、
本当に「hmt社」の「Citizen」と言う銘のモデル(例えば、技術供与の記念とか)なのでしょうか???
謎は、深まるばかりです・・・。

いずれにしろ、珍しくも楽しいモデルである事は、事実ですが・・・。