ORIENTの秘密その5
            


オリエント初の自動巻き時計についての考察の続編として、
オリエントの多石時計(自動巻きの昇華?)について、考えます。

その昔、国産時計にも、多石信仰の時代があり各メーカーは、競って多石仕様の
時計を発表しました。その究極の姿が、ORIENTのグランプリ64と100です。
国産最多石仕様の栄光(笑)を、今も守り続けています。

多石信仰自体は、その後、廃れてしまいましたが、
今でも年配の骨董屋のヲヤジさんで、「これは、石が多いので高い!!」と
当時の信仰の深さを語ってくれる方もいらっしゃいます。(苦笑)

この2つの機械をご覧ください。
左がグランプリ64(64石)、右がグランプリ100(100石)です。
実は、このグランプリ64は、正確にはもっと長い名前です。
「OLYMPIA AUTO ORIENT GRAND PRIX 64」と・・・。



下の画像が、同じくグランプリ64(左)とグランプリ100(右)の機械です。
64石に関しては、ローター周りの石以外は、目立たないので、案外、普通(?)にも見えますが、
100石は、ローター本体にも、これでもかって感じで石が入れてありますネ!!




こちらは、「GRAND PRIX 64 ALMIGHTY OLYMPIA AUTO ORIENT」のガラなのですが、
ローター周りの部品が欠落しているため、逆に機械の状態が、判り易くなっています。(苦笑)
グランプリ64は、ローター周り以外の手巻き機械は、24石の仕様となっているため、
ローターが無いと、極めて普通の機械に見えますネ!!
ROYAL ORIENT系の機械をベースにしている事が、地板の形状を見て頂けると分かると思います。

「GRAND PRIX 64 ALMIGHTY」機械     「ROYAL ORIENT」機械            


何かと、多石ぶりにばかり目が行ってしまい、グランプリ100もまた「Orientの3バカ時計」の
一つとして、屈辱のキワモノ扱いをされてきました。
が、機械のスペックは、インカブロックにトリオスタット(TRIOSTAT)搭載等を素晴らしいモノを
持っており、まさにオリエント・オリジナル自動巻き(ロイアル系)の頂点であり、
集大成であると思われます。



グランプリ100も手巻き機構に24石の構成は、GP64と変わらず
その他ローター周り等で100石仕様となっております。

GP100の特徴的なローターやローター受け等に見られる青い石は、「人工サファイヤ」が
使用されている様です。グランプリ64/100共通のローター周りに「ズラッ」と並んだ
22個の石は、重く大きなローターを支え巻き上げ効率向上とローター軸への
負担軽減に絶大な効果がある様です。



とはいえ、機械の事は、詳しく分かりませんので、石の効能に関してトヤカク言いませんが、
使った感じは、確かにローターが、かなり静かに回る印象です。
一瞬、ローター欠落品なのかと思うホド、スムーズに回っています。(体感!)

確かに、多石信仰に煽られた競争の果てに生まれた、異端児的存在かもしれませんが、
「多石なのは、伊達じゃない!!」、「飾りで石を入れているのとは、ちょっと違うぞ!!」と
今でも感じさせてくれる素晴らしい時計達です。(^o^)

#Aoは、「石の数では無く、石の効果を自慢したい逸品だ!!」と感じています。
もう、バカ時計とは、呼ばせません!! (怒)