その9
Sportsmatic5の変遷についての考察です。
Sportsmatic5は、SEIKOが、初めて『5』を名乗った記念すべきモデルです。
この時の『5』の意味は、耐震装置・防水・日付・曜日付・自動巻の5つの機能を表しています。
まずは、二つの画像を見比べて下さい。
同じケース形状のSGP側とSS側のSportsmatic5ですが、軽いクッションケース型に
12時の位置にデカイインデックス(平植字)が、ひとつのみのとても面白いデザインです。
当時は、マチック系にはお約束だった駒マークが、12時位置に誇らしげに付いていますネ。
左の白干支は、'63年製造のケースNo.13081の最初期のSportsmatic5です。
右の黒干支は、'64製造のケースNo.6606-7990の後期型です。
機械は共に、410を搭載していますが、途中でケース番号が4桁表示に変わったモノです。
細かく見ると、『ファイブ』マークも微妙に形が異なる様です。
次に、この二つを比べて下さい。
こちらも、同じケース形状の同じSS側のSportsmatic5ですが、
左は、12時位置に駒マークありの6606。右は、12時位置に駒マークなしの6619です。
すなわち、右の黒干支は、'65製造のケースNo.6619-7990の6606のマイナーチェンジ版です。
文字盤の駒マークは、6619では、無くなってしまいすっきりした印象になっています。
機械は、410(6606)から、6619に変わった事で、日付の早送りが、
竜頭プッシュ式に変更になりました。圧倒的に便利です。
この兄弟モデルは、3モデルに渡り同じデザイン(しかも、変り干支)の製品を出していた
非常に珍しい例だと思われます。
これは、一見そっくり…、だけど変遷の影響を受けた別モノと言う事です。