星彩の刻〜せいさいのとき〜

 

月から見上げる星空は・・・冷たい。でも・・・・・

 

「・・・・大尉?何をなさっているんですか?」

「え、あ・・・・うん。ちょっと、お祈り」

「・・・・お祈り・・・ですか?」

「うん・・みんなが無事でありますように・・・ってね」

「・・・それは・・・マクロスシティで消えてしまった・・・」

「そう・・・信じてるから。ライも、信じてるんでしょう?リュウや、隊長や・・・ロンド・ベルのみんなが、ちゃんと帰ってきてくれるって」

「・・・勿論です」

「・・・頑張らなくちゃね。みんなが戻ってくるまで、イージス作戦の要であるマイクロウェーブの送信装置は私達が守らないと」

「・・・ロンド・ベル隊が戻ってきた時、変える場所や・・・待っていてくれる人がいなくなっていては、困りますからね」

「ほんと。だから・・・お祈りしてるのよ」

「・・・・みんなが無事に帰ってくるように・・・ですか?」

「うん。それもあるけれど・・・ほら、リュウってよく無茶するじゃない?あの子が私達の見てないとこで、無茶したり、ケガとかしませんように・・・って。本当にあの子が私達を必要としているのは、私達がそばにいない今かも知れない・・・でも、きっと・・・リュウは、この星空の下のどこかに・・・いるって信じてるから・・・」

「・・・・戻ってきますよ、絶対。何事もなかったような顔で、笑ってね。そういう奴だすよ、アイツは」

「・・・・・そうね」

 

月から見上げる星空は・・・・冷たい。だが・・・・

だが、この同じ星空の下に仲間がいると信じて・・・・今は

 

『祈りを』