ニャンコ メモ

高すぎない!?ペットの医療費
 国民生活センター「たしかな目」2000.3 No.164 より引用


ペットが病気になったら手厚い医療を受けさせたい。が、高い医療費は負担になる。
法外とも思える料金を取られた。病院によって料金に差がありすぎる、という声も聞かれる。
また、診療がずさんという苦情も少なくない。

ペットの医療費の実態、安心して治療を受けるためのコツは?

高すぎる?適正?ペット医療費の目安は
 Q:ある程度の医療費がかかるのは覚悟しているが、それにしても高いような気がするし、
   病院によっても差があるらしいのも気になるところ。どうしてだろう?
 A:獣医師会が標準料金を定めるのは、独占禁止法に抵触します。
   法外な料金を請求している人もいるようですが、獣医師会に加入していない人もいて指導が及ばないのが実状
   「高い」という認識は、人間のように健康保険がないこと、ペットの治療・手術は簡単でないことを飼い主がキチ
   ンと認識していないことも原因では。例えば帝王切開。体の小さい動物の場合、人間に比べて簡単なわけで
   はないのに3万円程度と人間の10分の1の料金です。

「悪徳獣医師」の話題が頻繁に取り上げられたことを受けて、
 日本獣医師会では、'99年9月に全国の開業医を対象に行った小動物診察料金の実態調査結果を公表した。

●初診料 ●入院料猫の一日の入院料(看護料、フード料などを含む)
無料 142件 1000円未満 24件
500円未満 42件 1000〜1999円 253件
500〜999円 176件 2000〜2999円 967件
1000〜1499円 921件 3000〜3999円 288件
1500〜1999円 275件 4000〜4999円 22件
2000〜2499円 65件 5000〜5999円 11件
2500〜2999円 0件 6000〜6999円 3件
3000〜3499円 3件 7000〜7999円 3件
3500〜3999円 0件 8000〜8999円 2件
4000〜4499円 1件 9000〜9999円 0件
5000円以上 0件 10000円以上 2件
無回答 6件 無回答 56件
●伝染病予防注射(注射証明書料は除く)
・1種ワクチン ・2種類以上の混合ワクチン
1000円未満 18件 1000円未満 3件
1000〜4999円 932件 1000〜4999円 106件
5000〜9999円 111件 5000〜9999円 1315件
10000〜14999円 1件 10000〜14999円 106件
15000〜19999円 7件 15000〜19999円 9件
20000〜24999円 3件 20000〜24999円 3件
25000〜29999円 2件 25000〜29999円 2件
30000円以上 10件 30000円以上 35件
無回答 544件 無回答 52件

  表は、調査結果の一部。
  それぞれの項目で、かなりの幅が見られるが、全体的に特定の価格帯に集中している。
  最もパーセンテージが高いものが、実態としての標準的な料金として考えていいだろう。
  例えば、メス猫の不妊手術なら手術料は2万円弱が平均。これに麻酔料、薬剤料、入院料を加えたものが実際の
  支払額となる。
  ただ、不妊手術の場合、入院させずに帰してしまう獣医師もいるので、どうしても病院によって違いが出てしまう。
  また、都会と地方では物価が異なるので、都会の動物病院の料金はやや高めと考えた方がいい。


診察料金の提示とインフォームド・コンセント獣医師の説明不足もトラブルの一因では?

 ●診察料金の提示
  日本獣医師会では、おのおのの動物病院に診察料金(診察料、入院料、注射料など)の待合室などへの掲示を指導している。
  外の看板に掲示されればより好都合だが、「獣医療法に抵触する恐れがある」ので無理だそうだ。

 ●インフォームド・コンセント
  明細も出さないなど、獣医師の説明不足が原因と思われる事例も少なくなく、
  日本獣医師会では、獣医師が飼い主に治療内容や料金を説明し、承認を得る「インフォームド・コンセント」の徹底も打ち出している。
  ただ、人間なら救命第一という認識があるが、ペットでは「そんなに料金がかかるのなら、もういい」という飼い主も存在するため、
  個々のケースにあわせてやるしかないのが実状。
  獣医師の説明に任せるだけではなく、飼い主が自発的に参加してこそ、十分なインフォームド・コンセントが行われる。


ペットの主治医を捜すのが飼い主の心得 飼い主も情報を集め信頼できる獣医師を捜そう

  インフォームド・コンセントが成立するかどうかは、獣医師の姿勢はもちろんのこと普段から飼い主とのコミュニケーションが大切。
  病気になったから連れていくのではなく、普段から健康診断を受けて意志の疎通を図れる主治医を持つ必要性がある。

 ●健康診断の目安
  子犬や子猫のうちなら予防注射と兼ねて行い。成犬や成猫では年に3,4回受けるのが目安。
  動物は口がきけないため急に発病したように見えるが、潜伏期間はある。健康診断は病気の早期発見にもつながる。
  ガンや犬の心臓病、猫の肝臓病は健康診断で早期発見ができる。
  健康診断にかかる費用は一回約3000円程度。年に一万円強の出費で病気の予防、大病時のトラブルを防ぐことができるなら、
  飼い主にとっても結局お得なのでは。

 ●信頼できる獣医師の探し方
  ・近所の人達からの口コミ
  ・治療の様子や病院をよく観察 目の治療でも体全体をチェックしているかどうか?
  ・診察が終わるごとに手を洗うか。(院内感染に対して気配りがされているか)
  ・待合室も含めて病院内が清潔であるか?
  ・治療内容や診察料金に対する質問にきちんと答えたり明細を提示してくれるか?

 獣医師が質問などに応じてくれない場合は、各地方の獣医師会に相談窓口が開設されています