佐久城
さくじょう

■所在地:静岡県浜松市北区三ヶ日町都筑 ■立地:丘陵 ■別称:浜名城 ■築城年:1348年
■築城者:
浜名清政  ■遺構等:曲輪、土塁、井戸、堀、説明板、碑

城址碑 主郭の様子
主郭周囲の土塁 主郭の井戸
土橋 城址絵図
■歴史
 浜名湖北岸を支配していた浜名氏の居城である。南北朝時代に浜名清政は北朝方につき、南朝方の井伊氏にこの地を追われた。しかし、北朝の勢力が回復すると高師兼とともに井伊氏を破った。旧領に戻った清政はこの地に城を築いた。
 1568年、浜名頼広のときに徳川家康は遠州に侵攻したが、今川氏に属していた浜名氏や気賀の新田氏の抵抗を受けて家康は一旦は退いた。しかし、家康が佐久城より東にある井伊谷城を攻め落としたため、窮地に陥った頼広は武田氏を頼って亡命した。残された大矢政頼ら家臣は城を堅守したが、翌年に城を明け渡した。
 城は徳川方の本多信俊に与えられたが、その子信時が野地に城を築いて移ったために廃城となった。

●現状(2010年5月)

 城址は東急リゾートタウン浜名湖ヴィラという別荘地の端にあります。進入路を探しましたが、結局はリゾートタウン内の道路を通るしかないようです。部外者が入らないようにするためか、城の案内は全くありませんでした。
 城址の入口前に看板があり、詳しい説明と城址の絵図があります。遺構はかなり明確に残っていますが、主郭と馬出しだけということはないと思うので、それ以外はリゾート開発で消滅してしまったのでしょう。
 馬出しと主郭の間の堀は結構深くて迫力あります。また、土橋も明確に残っています。主郭は広く、周囲の土塁も一部ですが2、3メートルの高さで残っています。
 道に迷ってなかなか見つけられなかった城址ですが、リゾート地の片隅にしっかりと残っているのは奇跡的で、遺構もわかりやすくてお勧めですが、私有地を通るのであまり勧めてはいけないのかもしれません。


◆場所