Kashiさんの紹介
2004年09月17日
KashiさんはW3を2台持っていて、1台はきれいにして乗っていますが、もう1台は雨専用としているとのことです。
この雨用W3の調子が悪く、ここ半年くらいいろいろと調べていましたが、やっと原因がつかめ快調になったと連絡がありました。喜びのメールが来たので内容を紹介します。
【不具合現象】
・アイドリング時は問題なくアイドリングしている。
・出足で強く吹き上がらない。
・中高速は問題ないが、本来の力強さがない。
【これまでの調査経緯】
@点火時期調整
ポイントプレートを一番左に回しても合わせられない。そのため、コンタクトブレーカーギヤーを2コマずらせると、点火時期が合った為、点火時期調整は完了
それでも同じ現象
Aキャブオーバーホール
B高圧コード新品交換
Cポイント新品交換、コンデンサ・イグニッションコイル点検
Dプラグ新品交換
Eバッテリー充電
Fバルブクリアランス調整
それでもまったく同じ現象
G以前バルブガイドにガタが多かったので新品と交換し、その後特にすり合わせもせず組み立てたのが原因と思い先日内燃機屋さんでバルブシート研磨・バルブガイド研磨・すり合わせを依頼し出来上がってきたので再度エンジン組みたてました。
それでもまったく同じ現象
H以前ポイントギヤー2コマずらさないと合わなかったが、タイミングの位置ずれしか考えられないと思い、師匠に相談しました。師匠が再度組み立ててくれました。
でもまだ同じ現象
【最終的な原因】
その次の日の、ギヤーに問題があるのではと思い照らし合わすとカムシャフトギヤーとアイドルギアの噛み合わせがで2コマずれていることを発見。
カムシャフトギアとアイドルギアをAマーク部で組みなおし、続いてガバナーギアをカムシャフトギアのBマーク部で合わせ組みなおした。再度点火時期を合わせて試運転すると、これまでに無い力強さが回復、これが原因と判断した。
つまりカムシャフトがクランクシャフトに対し2山ずれたタイミングで動いていたことになります。
タイミングマークはポンチマークで合わせるが、カムシャフトだけはほぼ180度近い位置にポンチマークが必要なため、判別用にA,Bと刻印しているようです。今回のケースはAマーク(上図赤マル部)の2山横にポンチマークに似た打痕(だこん)のような傷(上図黄色マル部)があり、勘違いして位置合わせしてしまったようです。
試運転したときのうれしそうな笑顔と、その晩、ビールをうまそうに飲むKashiさんが思い起こされます。