レストア日記 2001年6月
6月3日
きょうは先週に引き続きリアホイール関係をいじくることにした。
まずはリアタイヤを外すため、近所のホームセンターにタイヤレバーを買いに行く。2ケ所回ったが置いてなく、スポークニップルのレンチも探すがこれも無い。仕方なくニップルレンチはスパナで代用とすることとしたが、ニップルの2面幅を計ってくるのを忘れた。候補は5.5mm、6mm(×7mm)のいずれかだ。しばらく迷ったがもし6mmだったら、7mmで代用できそうなので、5.5mm×7mmのものを購入。
帰ってきて当ててみるとぴったし5.5mm、我ながらすばらしい勘と自画自賛。
帰る途中、助手3号にせがまれて、本屋に寄る。今、小学校ではシールが流行っているようで、シールノートとタイルシールを買わされる。バイクコーナーを見るとW650FILEがあった。これは以前図書館で借りてきて2ケ月くらい見ていた本である。W1の組み立てで有名な佐々木さんのレポートがあること、トホホ救援隊でトライアンフをお持ちの方が多く、トライアンフに関する記事もあるので高いと思いながらも買ってしまいました。
タイヤレバーが無かったので、ブレーキドラムを掃除し、先日W1クレージーズ相談役さんに譲っていただいたブレーキシューのレンジインジケータを貼り付けてみる。機能的には何にもならないが、まー遊びということで付けてみたが、シューの使用限度3mmをうまくインジケートためにはポインターのプレートをどうすれば良いのかよく判りません。トホホ。
次にシャフトのベアリングとオイルシールを取り外すこととした。組み付けはタイヤ交換したあとにするつもりだが・・・。しかしここで問題が発生。取り外したベアリングはテーパーローラーベアリングとなっている。W3初期型のパーツリストの部品番号92116-001は既に購入済みであったが、現物はローラーベアリングであるが、ストレートタイプである。つまりベアリング交換できないということである。
取り外したベアリングは手で回してもゴロゴロ感は無いので、きれいに洗ってグリスを封入することとする。W3−A(後期型)のパーツリストをお持ちの方で、部品番号などが判る方は教えてもらえませんか?
タイヤレバーが無いので、4輪車の車載工具であるホイールキャップ外しで挑戦してみる。
結果は工具が柔らか過ぎて曲がってしまいNG。約30分奮闘したが無駄骨でした。
これではイカンと思い、カー用品店にタイヤレバーを買いに行く。
幸い車で約15分のト*タ系のショップに行くと運良く売っていた。大、小とあったが、「大は小を兼ねる」のたとえで大を選ぶ。確か「進行性W病」で2本使っていたので、2本買い求める。
あらかじめビード落しをしてあったので、購入したタイヤレバーを使ったところ、いとも簡単に外れた。またもやトホホ。
外したタイヤ、チューブ、リムバンドを観察すると、チューブの一部にパッチを当てたようなものがあった。しかしリム側であり、パンクするような位置ではないと思うが詳細は不明。
続いてスポークの取り外しにかかる。リムの内側からはマイナスドライバーで緩めればいいのだが、ブレーキドラム側からレンチで緩めることにした。ニップルを緩める方向に戸惑う。こういう部分は実際に経験しないと理解できない部分である。
ホイールの固定は、以前紹介した2×4住宅用木材を組み合わせて台にした。
早速買ってきた5.5mmスパナで緩め、全バラに成功。別にすべてはずせばできるだけのことであるが、初心者の自分としては、ある種の感慨があるものだ。
スポークには首の部分の角度により2種類あり、各20本、合計40本あることは理解していた。片方は鋭角、もう一方は鈍角のはずが、現物を見ると、鋭角のほうはほぼ直角でした。
スポークとニップルは灯油にどぶ付けし、真鍮ブラシで軽く磨く。来週、バフがけならぬ、バフ布による磨きをする予定。
リアブレーキドラムは灯油を使って真鍮ブラシで磨く。放熱フィンの間がうまく掃除できない。こんなときにはサンドブラストできる設備が欲しいと思ってしまう。
写真でみるときれいだが、現実には汚い。
来週は、スポークとニップルの磨きに始まり、組み付け、バランス取りまでやりたいと思う。しかし、バランス取りってどうやってやればいいのだろう?調べてからまたアップ予定。乞うご期待。
6月9日
火曜日に思いがけずワイン2本もらってきた。今日のためにカミサンと一生懸命飲み干す。
ガソリンタンクの錆び取りをするため、昨日錆び取り剤を買ってきた。5〜10倍希釈タイプの600ml入り2、000円なり。これでは最大に希釈しても6リッターであり、15リッターの燃料タンクの錆び取りには不足することは判っていたが、タンクの傾きを変え、全体の錆び取りできるはずと勝手に決め込む。
まずはワインのコルク栓を削って、燃料コックの穴に詰める。
ちなみにガソリンタンクの中はこんな状態でした。レストア初体験の私はこれがひどいのか軽い状態なのか判断付きませんが、まー軽い方かなと勝手に思い込む。
まず、ボルト、ナットを放り込み、タンク内側に付いた錆び片を取り除く。ガソリンを抜くと予想以上の錆び片が出てきた。
ガソリンを抜いたあと、中性洗剤で内部の油脂分を取り除く。60〜80度のお湯で希釈すると最も効果があると書いてあるので、4リットルの水を沸騰させ、2リットルの水でまぜることにする。
このまま明日の朝まで待つこととする。ときどきタンクの向きを変えながら。
次に本題のリアのスポーク張りに挑戦。
その前にリアハブの放熱フィン部分の磨きをする。電ドルによるインチキバフをしたり、真鍮ブラシで擦るが、フィンの山と谷の深さが大きく、うまくいかない。仕方なく、ピカールとウェスで磨くことにした。フィンの溝にピカールを落とし、ウェスを細長くして紐状にして擦る。
そういえば、どこの国か忘れたが排泄の後、縄できれいにする文化があると聞いたが、この作業をしながら思い出した。
次に40本のスポークと40個のニップルをバフがけする。電ドルを足で押さえながらの作業は結構手間取り、2時間ほどかかってしまった。途中の休憩の時にリアタイヤを通販で買うために電話する。あらかじめ決めていた銘柄、サイズを言い、こちらの住所、氏名、電話番号を言うだけの、ほんの3分でした。
購入品
タイヤ:ダンロップTT−100GP 4.00−18(チューブレス)
チューブ、リムバンド:「タイヤに合わせて」と言っただけ。 送料、代引手数料含めて11.3Kのはず(我ながらいい加減)。
明日には届くとのこと、明日昼までには振れ取りまで完成させ、午後にはタイヤのはめ込み、バランス取りまでしたいものだ。
スポークをバフがけした結果は、錆びの少ないものはメッキの地肌が出てきて見違えるようにきれいだが、錆びのひどいものは黒光りするアンバランスな状態。まあこれも素人っぽくて、なかなかよい出来映えである。
さてスポークを組み付けるため、先日撮っておいたデジカメの映像をプリントする。しかし映りが悪くよく判らない。仕方なく、「進行性W病」の「彼のオートバイ」に記載があったのを思い出し、プリントする。さすが、素人にも判るよう写真と説明がありました。
まずは、曲がり部が鈍角なスポークを1穴おきに10本差し込みます。
リアハブを裏返し、同じく鈍角のスポークを入れていきます。入れる穴は上から見て、裏面の穴の左側です(写真参照:文章で説明するより写真を見てください)。
この状態でリムをあてがって、リムの穴の向きに合わせてニップルを2〜3山ねじこんでいきます。ニップルはあらかじめCRCに漬けておきます。
鈍角のスポーク20本を仮付けするとこんな向きです。
続いて鋭(直)角のスポークの組み付けです。
ここからはリムを縦にして作業する方が作業性がよくなります。反対側からスポークを挿入しますが、ここからは間違った位置には組み付けできません。この調子で20本の鋭角スポークを仮付けします。
ニップルのねじ込み量はスポークのねじが見えなくなる位置で、リアハブがかすかにガタガタするくらいでした。
ここまで終了した私は急に尿意を催し、家に入ったところ、我が家の「ミー」が自分のベッドでだらしなく寝ていたので、記念にパチリ(レストアには関係無し)。
次に振れ取りするためにはリアシャフトを通す必要があるため、リアハブのベアリングとオイルシールを組み付けます。ベアリングは未購入のため、灯油にドブ付けし古いグリスを完全に落とし、パーツクリーナを吹きかけます。クリーナーが蒸発したあと、高温用グリスをまんべんなく擦り込んでいきます。
まずはブレーキドラム側のベアリングを挿入。以前も書きましたがテーパーローラーベアリングのため、打ち込む必要はありません。
続いてオイルシールをプラハンで軽く叩いて打ち込みます。
続いてスプロケット側もベアリングを挿入します
続いてアクスルスリーブを差込み、ダブルナットで固定します。ここで注意点は、最初のナットを締め付けるとアクスルスリーブが回転しなくなります。これはテーパーローラーベアリングがスラスト(軸)方向に押さえつけられるためです。私の場合はテーパーローラーベアリングの座面にあたる位置から1/4回転くらい戻した状態で固定用ナットを締め付けました。
ブレーキドラム側はこんな状態です。
今日は家族で外食する約束だったため、ここで時間切れとなりました。
帰ってきたあと、室内でホイールの振れ取りを室内でやろうと思っていましたが、生ビールのジョッキを2杯飲んできたため、あえて中止し明日の午前中とした。
6月10日
昨日通販に電話したタイヤが朝9時には届きました。初めての経験ですが、こんな荷姿でした。
リムの振れ取りにはキャンプのコンロ用スタンドを使うことにした。ただしリアアクスルシャフトを置くV溝が無いため、シャフトを麻紐で固定する。
振れのチェックにはミッキーマウスの定規をあてリムとの接触で確認します。
振れがある部分はハブに番号を付けて、振れがあると定規に接触する音を聞きながらハブを見ていると、どのスポークを締めればよいか判ります。最終的にはリムを回転させ、目視で縦、横振れをみて1mm以内はOKと判断する。
こういう風に書くと簡単に見えてしまうが、1回目は調整すればするほど振れがひどくなり、すべてのニップルを緩め直すこと2回、なんとか3回目で満足?する状態になりました。
購入したリムバンドを巻く。オリジナルで装着されているものにくらべ少し幅が狭いのが気になる。
タイヤのへそマーク?。ここがタイヤが軽い点のため、チューブのステム部に合わせる。
購入したタイヤはホイールの回転方向が決まっている。なぜかフロント使用とリア使用で向きが反対である。なぜだろう?
タイヤレバーを使ってまずスプロケット側をはめ込む。これは別にどちらでも良いが、へそ点を確認したため、まずスプロケット側にしたまでです。ここでチューブを入れ込む。
ここから必死になってビードをはめ込み作業をしたため、デジカメの撮影が忘れていました。
最終的にビードを入れ込みに成功したが、これで良いのか自分ではよく判らない。
ここでガソリンスタンドに行ってエアを入れようと思ったが、昨日から錆び取りしていたガソリンタンクを洗うこととした。コルク栓を抜くと真っ黒な液体が勢いよく飛び出す。これで錆び取りはほぼできたことを確信した。水を流し放しにして内部を洗浄し、続いてヘアドライヤーで温風を送り込み、内部を乾燥させる。しばらく放置したあと、燃料コックを取り付け、車のトランクにタイヤとともに積み込み、ガソリンスタンドに出発。ガソリンスタンドではビードを落ち着かせるのと、チューブのずれを修正するため、エア封入の早い段階で、タイヤを地面に打ち付ける。ガソリンスタンドの若い(かわいかったなー)女性に笑われるが、恥ずかしがらずに約10回。その後、規定の2.2キロまで封入。ここで再度タイヤを地面に打ち付けるが若い女性は何の反応も見せないため、3回で止める。
エアを入れた状態。予想したよりタイヤが細身に見える。
これがタイヤに記された回転方向。良く判りませんね。
リアホイールをスイングアームに組み付ける。なんかタイヤが細身でバランスが悪いなー。まーこんなもんかとあきらめる。
きょうは午後4時から助手2号のソフトボール練習試合が家の向かいで行われるので、今日の作業はここでおしまい。近所のYoshitakaさんとここでもビールを飲みながら観戦。Yoshitakaさんは昔のバイク乗りで、私にモンキーの配線修理をお願いしてきた人です。聞くとヘルメットをフルフェース、ジェット両方持っているとのことなので、無期限で借りる契約を取り交わす。当方の負担は今日の缶ビール2本のみ。
私の家の庭は2年前に「ガーデニングデザイナー」と称する方に改修をお願いしました。以前から庭でバーベキューをやっていたので、バーベキューが似合う庭にして欲しいと要望しました。その結果、居間から続く空間に約3mの円形のステージ状のカラーモルタルの空間ができました。
実はこのステージの外径がW3−Aにぴったり。ナンバーが付いたあかつきには、ここで記念写真を撮ろうと決めています(4月15日号をみてくださいな)。
ちなみに手前にあるのが、昔助手3号に作ってやった手作り滑り台の残骸で、購入時にトランポから降ろす際に使った長板であります。
私はひそかにここを「Wステージ」と呼んでおります。
6月12日
きょうは訳あって会社はお休みさせていただいたので、ここぞとばかりに作業に取り掛かる。
先週の日曜日まででリアホイール関係はほぼできたので、ここからフロント周りをいじくっていきます。
フロントフォークのオイルシール部からのオイル漏れと錆びが判っていたので、分解してフォークオイルを交換できるように準備することが今日の目標。
まずはフロントのハンドル周りを見てみる。フロントフォークは以前1回取り外し、外側から掃除だけはしてあった。
フロントフォークを分解するためには、あらかじめフォークトップフィッティングボルトを緩めるのがコツであるため、以前組み付ける際にボルトの皿部分を上に出る位置で固定しておいた。
このボルトを22mmメガネで1/2回転くらい緩めておく。
次にエンジンのオイルパン部に当て木を当ててジャッキアップする。まずフロントハブに接続してあるスピードメーターケーブルを抜き、続いて、フロントホイール、フロントフェンダーを取り外す。
後で別冊MCのレストア講座を読んで判ったことだが、この時点でアウターチューブ下部の6角(ソケット)ボルトを緩めておくと作業が楽だとのこと。具体的には左右のブレーキキャリパー固定ボルト穴に鉄棒を通して固定し、この鉄棒を支点として6角レンチで緩めるとのこと。
しかしフォーク単品の状態でも、アクスルシャフト固定部をモンキーレンチで固定したところ、簡単に緩んだので、どちらでも良いように思う。
オイルシール部はこのように錆びとオイル漏れの形跡あり。以前フォークをはずした時にウェスで拭いたが、それでもこんな状態です。ただし幸いなことに、インナーチューブの傷がまったく無いのが救いでした。
先に軽く緩めておいたトップフィッティングボルトを取り外します。このOリングは準備してなかったが、幸い再利用できそうです。
この状態でインナースプリングが抜けるのでフォークオイルを抜く。予想もしてなかった真っ黒なオイルが「ドブ」のような悪臭とともに出てくる。フォークオイルはエンジンオイルとスピンドル油を1:1で混合したものだそうだが、こんなに黒くなるものでしょうか?何か問題があるのか不安になってくる。それにしてもクサイ。
続いて、アウターチューブ下部のソケットボルトを抜く。先ほども書いたが、写真の左右方向にモンキーレンチを当てて緩めたら簡単に緩んだ。なお6角レンチはブレーキキャリパーのシャフトと同じ8mmが使えたので、ホームセンターに走らなくて済んだ。
このボルトはねじピッチが小さく、また首下が長いので、かなり回転させないと抜けない。最初はボルトの軸方向にガタが出た時点で抜けるものと思い、サークリッププライヤー(開き側)で引っ張ったが抜けず、しばらく悩んでしまった。ここは6角レンチの感触を楽しみつつ、最後まで回しきりましょう。
これが全構成部品です。これらは灯油で洗ったので、組み付け寸前にパーツクリーナーで最終洗浄することとする。
しかしここで問題発生。アウターチューブのオイルシールを固定しているプレーンワッシャーの外し方が判らない。そういえば、このオイルシールはW1クレージーズ相談役さんのところに買いに行ったものだが、その際に「ワッシャーが外しにくいんだよなー」とおっしゃっていたのを思い出す。その場では判らなかったが、現物を目の前にして初めて納得。
錆びを取っていくと、円周のうち、約5mmほどの切り欠きを発見(写真のワッシャーとオイルシールのクロスしている上側部分)。ここにマイナスドライバーを差し込んでジワリと力を加えるとワッシャーは外れてきた。しかしワッシャーが柔らかく、変形してしまった。下の写真は錆びを落とし、ペンチで平らに修正したものです。
次はオイルシールの取り外しだが、ドライバーでこじっても硬くて取れない。下側から打ち出すこともできず、やはり特殊工具が必要のようだ。
簡単な外し方をご存知の方は教えてもらえませんか?
ここで本日の作業は時間切れとなってしまいました。トホホ!
追記:20時00分
気になってアウターチューブを家の中で見てみました。上の写真で見える溝は、針金でできたサークリップでした。パーツリストをみると「サークリップ」があることになっていました。どうも暗くなってきて錆びでよく判りませんでした。またオイルシールはタイヤレバーでこじってもびくともしません。
バイスで固定して外すしか無いかなーと思っています。
6月16日
先週はフロントフォークのオイルシールが外せなかったため、某所から工具を借用してきました。
商品名は「ミニチュアベアリングプーラー」で左下のボルトをねじ込んで外すことも、上のスライディングハンマーで外すことも可能なセット品です。
今回のフロントフォークを外すために使うパーツは左上から
内・外輪両用爪:今回はオイルシールの内側から挿入します
中板:爪を支え、スライディングハンマーの先端を受けます
ピン2個:爪と中板を固定します
ロックナット:爪の開きを調整、固定します。開き度合いによってねじこむ方向を決めます
スライディングハンマー:中央のスライディング部を右側の端面にぶつける衝撃で爪部に力を加えます
手順としては
1.爪をオイルシールの内側から挿入します
2.中板をねじ部を外側にし、ピンを差し込む
3.ロックナットを傘の内側を利用しねじ込む
4.スライディングハンマーのねじを中板にねじ込み、ハンドル部を端面の方向に打ち付ける
そうすると、下の写真のようにオイルシールが外れます。この写真からわかるように、このオイルシールは外輪側がゴムではなく、鉄板?でアウターチューブのアルミ面と金属接触しているため、古い車両のため浸入した水分で錆び付いているため、簡単には外れませんでした。
そこでカッターナイフでオイルシールのゴム部分を切り取り、鉄板を露出させ、プーラーの爪が直接、鉄板に当たるようにしました。1本は某所でバイスに挟みましたが、2本目は近所のガソリンスタンドでバイスを借用する予定でしたが、バイスが無かったため、自宅で例の2×4木材にアウターチューブのフロントフェンダー固定部のボスを引っ掛けて力を加えたため、苦労しました。最初素手で作業したため、スライディング部を端面を打ち付けるときに手のひらの一部が挟まって、けがをしてしまいました。この作業のときは軍手が必須です。
オイルシールが当たる面を掃除してみましたが、時間切れであまりきれいになりません。
明日、アウターチューブの外面のバフがけと内面の掃除をして、フォークオイルを入れるところまで作業する予定。フォークオイルはYAMAHAのG−15(粘度47.3cPt(40℃))を1リットルも買ってきてしまいました。
6月17日
今日は昨日に引き続きフロントフォークの組み付けです。
まずはアウターチューブの外観をバフ仕上げしてみました。写真のように左右それぞれ進行方向に対し外側は結構きれいになりましたが、裏面はもともとバフ仕上げしていないため、汚れが落ちただけです。
それにしても撮影現場の生活感がにじみ出る写真ですね。右側に見えるのがごみペール、フォークの下は環境保護に寄与すべく購入したM社製生ごみ処理機です。その左が台所出口部のコンクリート製ステップ部兼レストア作業机部です。
アウターチューブの内面をパーツクリーナーで洗浄、乾燥したあと、オイルシールの組み付けです。左からアウターチューブ、オイルシール、プレート、スナップリング。スナップリングは鉄製の針金の円形に加工したもので、これがオリジナルのようです。
まずはオイルシールを打ち込みます。アウターチューブ端面まではそのままプラハンで叩き、端面から下部はラチェットレンチのエクステンションバーを使って打ち込みます。アウターチューブはオイルシール下面の位置まで切削してあるので、打ち込みすぎ、打ち込み不足にはならない構造です。
プレート、スナップリングを組み付けた図。インナーチューブが無い状態で撮影しようと思っていたが、撮影し忘れました。
続いてインナーチューブに構成品を差し込んでいきます。フォークオイルを塗ろうかと思ったが、そのまま入ったので塗り付けませんでした。
アウターチューブ下側のソケットボルトはモンキーと6角レンチで締めつける。締めつけは節度が無いので、適当なトルクで止めておく。少し力を入れていけば、インナーチューブの中心のアルミ棒のねじを損傷しそうです。あるいはアルミ棒が共廻りしているような感触でした。
またアルミ棒はインナーチューブの中で回転止めの機能がないので、まずインナーチューブを押し込んだ状態で1〜2山程度ねじこみ、その後はインナーチューブを抜く方向に引っ張りながら、ねじ込みによるインナーチューブの移動を確認しながら6角レンチを回していきます。これによりソケットボルトがねじ込まれたことが確認できます。
両方とも組み付けたので、フォークオイルを入れる前に左右のストロークを確認する。最も伸ばした状態では長さは同じだったが、最も押し込んだ状態は下の写真のように(車両の)左側の方が約50mmくらい長い状態。組み付けをミスしたかと再度分解し直すが変化が無い。
左側フォークをよく見ると、アウターチューブ下部に転倒またはぶつけたことによる打痕を発見。そういえば、アウターチューブの内側を掃除しているとき、打痕部が出っ張ったように見えていた。この状態では、フロントタイヤが何かに乗り上げたときに左側の方が約50mm早く底付きするということになる。しかし自分では修正しようにも不可能なため、とりあえずそのままとする。実用上問題かは実車走行により確認するしか手が無い。
続いてフォークオイルを注入する。フォークオイルはまるで2サイクルエンジンのオイルのように赤い色でした。こんなもんですかねー。
私が借りてきたメスシリンダーはMAX150ccのため、1回目に100cc、2回目に65cc、合計165cc入れる。オイルを封入したあとインナーチューブを引いたり、押し込んだりすると「ゴニョゴニョ」と音がする。
フォークオイルを封入した後、フォークトップフィッティングボルトを組み付ける。結構硬いため、ボルトを上から押さえながら、インナーチューブを回してねじ込むのがこつでした。片方にブーツをはめた状態が下の写真の通りです。
オイルシール部には水が溜まり、これがプレートの腐食、インナーチューブのかしりとなるとのことなので、グリスを薄く塗っておく。最初はたっぷり塗ってみたが、インナーチューブに付くだけなので、薄く残るように拭き取りました。
ブーツには水抜き穴があるので、これを車両進行方向に対し後ろ側になるように組み付ける。
と、こんなもんでフロントフォークはオーバーホール終了。左の底付きが早いのがどれくらいの問題か心配だ。ここで本日の作業は終了。
来週末はステアリングヘッド部を分解して20個の鋼球を手で揉みたいと思っている。
6月27日
今日は所用のため会社を休む。先週金曜日に続いてまた休みである。今日は作業をしないつもりであったが、夕方1時間くらい時間があいたので、ステアリングヘッド部をばらすことにした。
上側のステアリングステムを外すために、ハンドル周り、ヘッドライト、フラッシャー部を外す。ステムナットは本来、特殊工具で外すべきであるが、なんと手で緩んでしまう。
また分解手順は、ステアリング下部のフラッシャリレー?を共締めしているブラケットを先に外し、続いてステムナットを少しずつ緩めると、下側の鋼球20個がばらばらにならずに済みます。
また今日は午後にわか雨の予報だったため、洗濯物が写ってしまった。生活感にあふれてるというべきか、哀れな環境というべきか、まだ屋根があるだけ幸せと考えるか、どう考えるかで人生の行方は変わるもの。ノー天気な私は「屋根があるだけ幸せ」と考えるようにしています。
上側の鋼球部。グリスは硬くなっており、おそよ潤滑機能が無さそうである。
上下ともボールカップは多少フレーキング気味で少し荒れている(下の写真は下側)。本当は交換すべきかもしれないが、今回は手配してない。また打ち抜いた後、うまく組み付ける自信が無いため、ピカールで磨く予定。
インナーレースも荒れ気味。交換すべきかなー?部品を手配するとまた作業が遅れるし・・・・。
というわけで、約1時間が終了。とりあえず錆び防止のためボールレースにグリスを薄く塗り、上下に靴下をはめて本日の作業はここまで。
別冊MCの記事やその他で理解していたつもりだが、やはり現物を見ないと本当の意味で理解できないことを実感した日でした。やはり手配するか?、しかし欠品していそうだなー。
6月30日
今週木曜日にARKからフロントタイヤ、フロート、フロントハブベアリングが入荷したと電話連絡があり、昨日取りにいってきた。電話があったときに、インナーレース、ボールカップの品番を言ったところ、最新の部品価格表に記載があるとのこと、各2個ずつ注文した。
品番はインナーレース:92047-015、ボールカップ:92048-008。ボールカップは上下とも同じようだが、インナーレースは上下の形状を比べると、下側の方が薄いのになぜパーツリストでは同じ品番なのだろう?現品が来たら判るだろう。
ステアリング部が作業できないので、フロントタイヤを交換することにした。
フロントホイールの全景です。デジカメで撮るときれいだが、スポークは10本くらい錆びがひどい。
まずは左(スピードメータケーブル取り出しがある方)のディスクプレートを取り外す。6本のボルトの回り止めプレートは再使用するため、たがねでていねいに戻す。
続いて右側のディスクプレートも取り外す。
ベアアリングを交換しようと思ったが、ハブ部の分解が判らず、パーツリストで構造を確認する。左右の円筒シャフトに2面幅がカットしてあるので、両側をモンキーレンチで緩める。結構固かったため、下の写真の通り、片方のモンキーレンチを台座部に固定し、右側のモンキーレンチに力を加える方法で対処した。
取り外したフロントハブシャフトとスピードメータケーブルに接続するギアボックス。
ギアボックスのグリスを取り除くとフロントハブで回転されるスピードメーターのギアとピニオンの構造が判った。しかしピニオンの取り外し方法が判らなかったので、そのままとした。またオイルシールは欠品だったことと、圧力がかからない部分であることから再使用することとする。
ハブの左側を観察するとスピードメータギアを駆動する歯?とベアリングが見える。
反対(右)側はオイルシールの奥にベアリングが見える。このオイルシールも欠品だったため、再使用することにした。ということは、折角買ったベアリングも交換できないということ。ベアリングの取り外し方もよく判りませんでした。
次に本命のタイヤはずしです。リアタイヤに比べかなり外しにくかったが、何とか取り外した。タイヤの溝は新品同様だが、サイドにひび割れがある。もったいないなー。
しかしここで問題を発見。リムの内側の錆びが予想以上にひどい。リアホイールはそれほどではなかったため、フロントはスポーク取り外しはしない予定だったが、仕方なくスポークの全バラを開始。ねじをいためないようCRCを吹き付けてしばらく放置する。
なんとかスポークのねじをいためずに取り外しに成功。スポークの曲げはリアと同様だが、外側(写真では右側)は曲げから先が長い。
ニップルの錆びの少ないものと、ひどいものの比較(かなりピンボケ)。
ニップルの錆び落としのため、ジャムビンに錆び取り剤を少し入れ、スポークをねじ込み先端だけ漬ける。
約30分漬けた後、スポークを外し、錆びの少ないニップルも放り込み、更に30分漬けこむ。
この錆び取り剤は、繰り返し使用できるので、続いてスポークも皿に入れ漬けこむ。皿は2週間前に壊れて捨てたオーブントースターの付属品。なにか使えそうだととっておいたが正解でした。
さらに繰り返し使用することとし、リムの内側を真鍮ブラシで錆びを落とした後、錆び取り剤を塗りつける。しばらく放置すると下の写真のように白い粉が吹き出す。これで錆び部分の表面処理ができたことになります。
錆び落としが終わったニップルとスポーク。続いて電ドルによるバフ仕上げをしたかったが、カミサンが寝込んでいるので騒音を出せないため、明日にする。
ニップルとスポークの錆び落としの間にディスクプレート、ハブをきれいにする。
以前、フロントブレークキャリパーを分解したときにシャフトのOリングを切ってしまったので、きちんと組みなおすこととした。
まずはシャフトを外しピカール磨き。
シャフトをキャリパーに差込み、各シャフトにOリングを2個ずつ付け、2個のOリングの間の部分にグリスを薄く塗りつけます。
ちなみにピストン部は以前、分解清掃し、ピストンシール、ダストシールは交換済みです。
キャリパーホルダーにダストシールドを組み付け、シャフトに通す。
6角ボルトを締めつけ、キャリパーホルダーが軽く動くことを確認しておく。もう1個のキャリパーにも同様に作業する。
それにしても汚い。実は私は塗装の経験があまりありません。約10年ほど前にDUCATTIのMHレプリカの塗装をしたのが最後です。それもTAMIYAのプラカラーでのことです。本気で考える必要があるなーー。
これにて6月のレストア日記は終了です。いつになったら終わることやら・・・・。