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銀河の中で、今でも数え切れない程の星が産まれ続けている。銀河は恒星の大集団である。
銀河は無数にあり、宇宙に泡のように浮かんでいる。
星は銀河の中で誕生している。銀河の存在しない場所・ボイドでは星は産まれない。
では、銀河の何処で星は産まれるのであろうか?
星は、恒星と恒星の間の特別な場所で誕生する。 |
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恒星と恒星との間には、星を作る材料が存在する。ここには、水素原子が存在。
通常は、平均して1立方pに0.1個、水素原子が存在している。
地球上には、1立方pに原子5×10の19乗個。(5,000兆の1万倍) |
星が産まれる場所は、特別に水素原子が集まった場所である。冬の代表的な星座「オリオン座」左にペテルギルス、右下にはリゲル。その中央には三つ星がきれいに並ぶ最も見つけやすい星座の一つである。
オリオン座の名前の由来は、名ハンターオリオンに由来する。オリオンは勇敢であったが、余りにも乱暴であったため、大地の女神「ガイア」がサソリを使って殺したと、ギリシャ神話では伝えられている。
三つ星の下には、赤い星のようなものが見える。これを拡大すると、これは、美しいオリオン大星雲であった。こここそ星の産まれる場所であった。 |
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もう一つ、三つ星の左側には馬頭星雲がある。馬の首のような形をしているのでそう呼ばれている。ここも、星が産まれる特別な場所であった。
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宇宙には、このような場所が数え切れない程に存在しているのである。このような場所のことを「星間雲」と呼んでいる。
大きさは30光年。これは、地球と月までの距離の7億5千万倍の距離となる。ここには、1立方p当たり20個の水素原子が存在する。
水素の密度は低いが、規模が大きいので、この中の水素を集めれば、太陽の大きさの恒星が千個程作ることが可能である。
しかし、この星間雲の特別な場所でないと、星は誕生しない。 |
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国立天文台 野辺山(八ヶ岳の麓) を見学。そこには、可視光線以外の電磁波を観測する電波望遠鏡がある。直系45mで、波長が1mm〜10mmの電波を観測している、世界最大級の電波望遠鏡。重量は700t。誤差は0.1mm以下に抑えられている。電波は反射させ上部の副反射鏡に集められて、更に反射させて、アンテナの下にある受信装置に送られるようになっている。 |
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マイナス269℃まで冷却させて精度の高められた受信装置でデータが処理される。
感度は、我々の携帯電話を木星に置いたとしても、それを受信することが可能だという。敷地内では携帯電話を使用することは禁止されている。
この電波望遠鏡によって、星の誕生する場所と星がどのような成分で構成されているかを知ることができる。
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オリオン座にCOの分布を重ねて見ることができる。
赤い部分が密度の高い部分である。馬頭星雲にCO密度の高い分子雲を確認することができた。 |
分子雲の中の水素原子密度は、10万個であった。
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アルコールやアルデヒドの存在も認められた。更に、地球上にはあまり存在しない以下のものも認められた。
OH CH2 CH3 NH NH2 SH C2H C3H C4H C5H C6H C7H C8H CN C3N C5N HCCH CH2CN CH2N HNO C2O NO SO HCO MgNC MgCN NaCN C2S NS SiC SiN CP SiCN FeO |
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分子雲の中に認められた各種の分子である。 |
星は分子雲が縮まって行くことでできる。
@ 銀河の渦巻き運動による力が関係する。
A 非常に大きな星が爆発したときの力が考えら れる。
このような力で、分子雲が圧縮される。 |
これによって引力が生じてやがて渦巻き運動が生じ、お互いを引き合って一段と収縮され密度が高くなる。これが進むと温度が上昇し光り輝くようになってくる。この状態を原子星という。(1,000万K以下の温度)
しかし、まだ一人前の恒星ではない。一人前の星になると、主系列星と呼ばれるようになる。 |
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星の中が、1,000万K(ケルビン)以上になると、4つの水素原子が核融合をはじめて一個のHeを作りだしすさましいエネルギーを放出するようになる。(1gの水素がヘリウムに変わるときに1億Kcal)
核融合反応が起こってこそ、一人前の主系列星と言われるのである。この状態になって、星の収縮は止み安定した大きさに定まることになる。
これで星は長い間光り続けるのである。 |