宣言はしたが、実は大変である。自分の体とそして機械を上手く使いこなすことが難しいのである。何にしても、経験によって憶えるしかない。
○ 鉈(なた)の使い方
○ チェーンソーの使い方と刃の研ぎ方(これが結構難しい)
○ チェンソー → ナタ → 休憩 ・・・・の、自分にあったリズムの取り方
○ 刈ったり伐ったりする順序(要領)
○ 樹種を選んで、選択しながら・・・
伐る樹と残す樹を、将来の山の姿を想像しながら作業する。
○ 刈ったり・伐ったりしたものを、山肌に整理して置き方。
・・・・ いやはや、参った。簡単ではない。
上記の方法について、上手く事を運ばないと、成就感が薄れて愉しくないからである。
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1 チェンソーの切れ味に魅せられて、手当たり次第に伐った場所
地名:井戸澤 |
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写真の右に、椎茸の原木が立て掛けられている。これは小生の山ではない。
このくぼみより左側が問題の場所。
昨年の冬に、竹(ハチク)と混み入った雑木を伐採した。
伐ったはずの竹は、青々として今年また生えてきた。生えて、そして風で倒されている。
いやぁ〜っ。お恥ずかしい。
昨年の努力が徒労であったかのような状況を呈している。 |
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ここには、今年になってから正味4日間入って整理をした。
それでもこの状態である。
そこで、里山作りの重要な”要領”を、上記のとおり反省しながら記述したわけである。これでは、いくら忍耐があってもイヤになってくる。成就感がないのである。
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もう少しアングルを上にして撮影・・・・。
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椎茸の原木から前面は、左右、いわば一洞(ほら)が小生の担当できる山である。
むこうの鬱蒼とした場所は、まだ、手を入れてはいない。
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鬱蒼とした山が、このように明るくなった。確かに、努力しただけのことはある。
・・・・が?
白樫、くり,楢、椿、楠、桜、・・・それに竹。
それらを適当に間引きした。
・・・。問題は、行った跡が美しくないのだ。 |
ここには、蕗が自生している。それにタラも有った。シキビ・榊がある。これらは、上手く活かせば収入になりそうだ。
松が大半が立ち枯れていた。酸性雨が原因であるという。酸性雨によって、土中の細菌が影響を受けた。菌層が変化して、松の根に寄生する共生菌は、死滅する。これによって松枯れ線虫への抵抗性が無くなるからであるという。
さぁて、2004年はこの場所に挑戦だ。もう少し進捗したら、15年後のこの山の姿(夢の計画)を披瀝したい。
”自然”を相手に、慣れない男が一人で取り組む”挑戦”である。どうか、ゆっくりと焦らずにやりますので、長〜い目で待ってて下さい。
一日4時間の作業です。一人でやります。
遊戯三昧(ゆげざんまい)。子どものこころに戻って、お遊びのつもりなんです。
一人ですることに意味がある。これが遊戯三昧(ゆげざんまい)。
子どもの頃、砂場で遊んでいるときに、横から手を出されると「夢」が突然に壊されたようで、イヤだった記憶がある。
今、小生の胸の中に15年後のこの山の姿は鮮明に描かれているのだ。
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☆ 必需品は、ご覧のチェンソー(右)と、燃料(混合油)及びチェンソーオイルだ。
腰には、ポシェット。ポシェットの中には、チェンソーのメンテナンス用器具が入っている。
@ 棒ヤスリ A マイナスレンチ B ボックスレンチ C 目立て用用ゲージ D やすりホルダー E その他(虫除けスプレー) |
左の容器は、混合油とチェンソー用のオイル入れだ。
赤い袋は、作業人の燃料(ポカリスエット)。 |
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昨年伐採した竹が長いまま横になっている。
伐採した跡に、今年また新しい竹が出ている。
放置したままだと、竹が樹林を、制覇してしまう。
前を見れば足の踏み場もない有り様である。
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ご覧頂いたとおりである。まだ、先が長そうだ。
しかし、この竹(ハチク)は節の間が長く、昔は人気のあった種類であったという。
竹細工にも重宝された。
海苔サダ用に、結構売れたという。
祖先が、ここの山に植えたものだそうだ。
そう思えば、根絶やしにしてしまうのは申し訳ない気がする。
全滅させることはさけたい。 |
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ふり返って右手を見れば、倒れた竹と伐採した楢の木。昨年の、私の仕事である。
いやぁ、お恥ずかしい。
今回は、これを整理することにした。 |
昨日までに整理した場所である。
上の写真のむこう側になる。(一番奥まで入って後ろを撮影した) |
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昨年に伐った竹などを、このようにある程度の長さに切って、まとめて積み上げることにした。
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この程度に、間伐したら良いと思う。
ここにはいずれ草も生えよう。
草が生えれば、虫が来る。虫が来れば鳥も来る。
兎も狐も来ることであろう。
そう言えば、作業中鶯が盛んに鳴いていた。 |
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上の写真を、右に辿って行くと、未だ手つかずの山が残っている。
まだまだ、これからだ。7割ほど残っている。
作業していると、昔、炭焼きをした窯の跡が確認できた。
何かしら、祖先と対話ができたような気がした。
山は、村の・・・地球の資源だ。そんな気もする。 |
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帰りに、ふり返って撮影した。
上の写真は、この先で撮ったものだ。
まだ盛んに、鶯がさえずっていた。
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この山の出口には、八重の美しい黄色が足を止めた。
’04年4月21日のことだった。 |
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2 間伐の必要性など |
父親の代まで、山と里の生活は密接に結びついていた。
農家の生活は、主として水稲作に支えられていた。
春、早苗を植えて秋稲刈りを終えると収穫の喜びととみに秋祭り!
その後、山に入ってキノコ採り。・・・・。薪作り。炭焼き・割り木作りと運搬・・・等の副収入を得た。
早春には、タケノコを掘ったり、タケノコから落ちた竹皮を拾った。竹皮はおにぎりや和菓子の包装に重宝されたので、高額に買い取られた。
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海では、海苔作りに長い竹材は不可欠であった。海苔サダと言われた。トラックにBodyには、堅い木材が重宝された。30cm程に切られた雑木は、縦に4〜5分割されて、束ねられたものは「割り木」と呼んだ。
ガスが普及する前の町の人々の燃料として需要が高かった。まっすぐな長い杉や檜の間伐材は、工事現場で”足場”として活用された。プラスティックが普及する前には、桶やカゴなどが”モノ入れ”として活用されたので、竹や杉・檜の需要は細モノでも必要不可欠であったのである。
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だが、時代は移り変わったのだ!
かつて、需要された里山の産物は、今、不必要なモノになった。
そこで、山に入っても里の人々の収益につながるモノは一つもなくなってしまった。
それだけではない!里の畑や水田は、電気牧柵を張り巡らせないと、農作物はイノシシなどに横取りされてしまうようになった。
いま、里山に住民が、柵の中に逃げ込んだ状況になっているのである。・・・・・・のだが・・・・?!
小生が、ここで間伐等と叫んでいると、村人達の物笑いの種にさえなりかねないのが現状である。
しかし、敢えて汗して間伐に挑んでいる。
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『山』を、昔のような里山の状態に返すことによって、『村』を生き返らせたいのである。
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上(左)の図のような状況の山が多い。・・・・。「そんな山ばかりである。」と言っても過言ではない。竹は茂って、領域を拡げている。竹に圧されて雑木や杉・檜などは枯死し始めている。
これでは、昆虫も蝶も棲むことができないのではなかろうか?! ”ウサギ追いし・・・ ♪”の里を、呼び戻したいのである。
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昔は、薪材に伐った樹木の痕には数本の芽が出る。これを一定の周期で伐採して薪や木炭にしていた。
だが、今は違う。放置されて繁茂したままである。これらの樹木の根元には日光は当たらない。→草が生えない。→ 虫が棲めない。→ 動物が棲めない。
大雨に叩かれて、山肌の表面の肥沃な土壌が流失してしまう。→ 伐採後に種子が芽を出しても根を張ることができない。成長できない。
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さぁ〜て! 間伐だが・・・・・。 |
左の図は、人工林に多い姿である。人工林とは、山村の住民によって人工的に植林された山のことである。
昔は、杉も檜も胸の高さで直径を測って、伐採の適期をきめた。
これらは、専門の職人によって山から搬出された。今はそのような専門家はいない。
結構な値段で取引された。良い収入になったので、こぞって山には木が植えられた。
だが、今は手入れがされていない。間伐しても買い取り手が居ない。
植樹してから十数年間は、毎年、植えた木の周囲を下刈りした。
草を繁茂させると、植えた木が陰になって枯死したり、ウサギなどに食べられてしまうからである。
枝打ち、間伐・・等の管理は一切されなくなった。
このような「人工林」は、もっと悲惨な状況となっている。
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これが結構きつい仕事である。
@ チェンソーなどの使用に技術が必要である。
A 慣れない仕事で、腰痛症になった。 |