◇ ドナルド・ヘブ博士(カナダ・生理心理学者)は、上記二人と共に研究したことがある。
脳神経学の第一人者である。彼は、次のようにいう。「二人の研究は間違っては居ませんが正しいとも言えません。」と、・・・。
彼は、研究を更に発展させた。彼は、記憶の科学で、今なお、世界的に有名な博士である。 |
○ 記憶とは、外からの刺激で作られる脳の神経回路である。・・・と考えた。
ペンフィールドの言うように、側頭葉も重要な働きをするが、
一方、ラシュレーの言うように、脳全体が記憶に関与している。・・・・と言うのである。 |
”記憶には、脳全体が関係している。ものを見てその情報が脳に届くと、見たものに相当する神経回路が興奮する。次のこの興奮が言葉に関する別の神経回路に伝わっていく。これで言葉となって出てくるのだ。脳は全体で分業している。
それぞれの場所の記憶の神経回路が必要に応じて働くのである。”
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”脳はその各部が分業して必要に応じて働いているようである。幼児は、言葉が話せるようになるまでに、実に沢山のことを学んでいる。それは聴覚・皮膚感覚など・・・・、外の世界からの刺激で、作られていく神経回路の発達によるもである。
この神経回路の発達は、生後5歳までにめざましい勢いで作られていくものである。”
子供の遊びを通じて、神経回路は作られていくのである。 |
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◇ ICの記憶回路を組み込んだ「迷路ロボット(マイクロマウス」)」
かつて行われた「科学万博」で、ICの記憶回路を組み込んだ「迷路ロボット(マイクロマウス」)」による、迷路を走る実験を行った。
迷路の前方に進むことができないときには、方向転換する。左右のいずれかに道が開かれていたらそこを前進する。・・・。
ロボットは、一度コースを記憶すると、自力で最短距離でゴールに到達する。一度覚えたら、もう試行錯誤の必要はない。ICの脳には、外から刺激を与えても新しい回路を造ることはできない。
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◎ だが、この記憶は、ハードな記憶である。
外から刺激しても変化して成長はしない。
人や動物の記憶は、ソフトな記憶回路と言うことになる。脳は、学習・体験によって作られていくのである。 |
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