脳:男性の脳&女性の脳

          
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編集・管理人: 本 田 哲 康(苦縁讃)
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3 女性の脳をもつ男性
第二次大戦当時ドイツに生まれたシュミットさんは、見かけは立派な男性であるが、調べてみるとどうやら女性の脳を持っているらしいのである。その原因は戦争にあるという。それは何故であろうか?
 また、男性の脳と女性の脳は何処が違うのであろうか?
 「男と女は体も違えば心も違う。これは脳が違うからではないか?!」・・・これは、古来変わらぬテーマである。
 妊娠中の母親の置かれた環境が、例えば、戦争などの、母親の受けたストレスが深い傷を遺すこともある。

  ◎ 男と女の脳の能力差を統計的に分析した外国での結果(平均的な特徴)
(1) 女 :○ 言葉の発達が優れている。
     ○ 手が器用。
     ○ 失語症・吃音症・自閉症・神経過敏症などが少ない。

(2) 男 : ○ 計算能力が優れる。(アメリカのジュン・ポプキンス大学の2名の教授の説)
     ○ 抽象化力が優れる。(ハーバード大学ゲシュリント博士)
     ○ 左右を一瞬に決定する能力(例えば、車の運転などで見られる)
◎ ところが、脳の構造的な差については、未だ何も解ってはいない。

  そこで、
◇ 脳波による探索・・・ 脳の働きを脳波によって知ろうとした。
  男と女の『愛の瞬間』を、脳波を記録して分析してみたのである。
脳波の種類は、@ 心静かな安らぎの時 → α波 そして、
       A 意識が薄れるようなときの脳波 → シーター波 が確認される。
         男と女の『愛の瞬間』、このシーター波に大きな違いがあった。
         男は、脳の一部分から一瞬のピークを示した。
          女は、脳のほぼ全体から出て、なだらかなカーブを示した。
 この事実から、かつて報告された「キンぜー報告」「マスタージョンソン研究所の報告」は、アメリカにおいても今では、
疑問視されているのである。
◎ 性の役割に違いがあるように、脳も、男女の違いがあることが解った。

 ◇ 脳梁の役目についての実験
脳は、左右の働きが異なっている。右手は脳の左半球が制御している。しかし、脳梁が左右の脳半球を結んでいる。
1960年代の始めに、てんかんの治療に脳梁を切除した。 しかし、今は全くこの手術は行われていない。
 手術の結果、左右の手が別々に動くのである。
 洋服を取り出そうとすると、左右の手が別々に違う服を選んでしまうのである。
 画面の絵を見て何の絵であったかを答えさせると、画面の右側に描かれてある絵を見て、性格に「フットボール」「靴」・・と、正しく答えることができる。
 しかし、画面の右側に描いた絵を見せると、答えは曖昧になる。
 画面の左側に、電話を掛けている女性の絵を見せる。すると、女の子が一人いたとしか答えられない。
 そこで、左手で先ほど見せた女性の絵が具体的に何の絵であったかを書かせると、「Telephone」と書いた。
 次に、書いたものを見せないでおいて、「何て書いた?」と聞くと。「Telephone」と書いたばかりなのに、「縄跳び」と答えた。
 そこで、書いたものを本人に見せると、正しく読んだ。もう一度、「何の絵だったか?」と聞くと「女性が電話を掛けています。」と答えた。
 彼女は、見せられた絵をびっくりしながら正しく思い出した。
 左側の目で見た情報は、右半球に伝わる。
 だが、左側には言葉の中枢がないので、言葉では答えられない。
 しかし、左手を使って書けば、正しく書くことができた。
右手と左手が、それぞれ違う物を選んでしまう。 見えたらその名前を言うよう指示。右側の絵は言える。
右半球が左手を動かしている  しかし、、右半球には言葉の中枢がない.言えない。

 ◇ 音を脳の何処で聞き分けるか?
   カリフォルニア大学では、フォジトロンという装置を用いて、脳の分業の様子を捉えた。
 これによると、言葉を聞くと脳の左半球が刺激されることが解った。
 音楽を聴かせると右半球が強く反応した。音楽を聴かせながら、言葉を話すと、脳の左右が反応した。
 これによって、聞くことにも、脳の左右が分業していることが解った。

◎ 右手と右半身は、左半球が、左手と左半身は、右半球が制御していることが解った。
 しかし、何故、交差しているかと考えると、不思議と言うほか答えはない。
 右半球は、感性の脳。
 左半球は言語・計算力・工夫・論理の仕事を行う「理性の脳」と言うことができる。
ポジトロンによる分析。
 話し言葉 音楽の場合、 音楽を聴かせながら話し掛ける
左半球は”理性の脳” 右半球は”感性の脳”

 ◇ 言語中枢について
 ヒトは、育つ環境によって何語を話すかは違ってくる。
 耳から入る言葉によって、脳の神経回路が創られ、自分の言葉として身に付いていく。
 動物の中で、人間だけが言葉を持っている。
 言葉の中枢では神経回路がひときわ発達し、右半球の同じ部分とははっきり異なっている。

 120年前に、脳卒中になった患者の脳、俗称「タン」が、パリの博物館に所蔵されている。
 彼は、脳卒中になってから「タン」としか言葉が言えなかったのである。
X線で内部の様子を調査。
 彼の脳を分析してみると、左半球に大きな損傷を受けていたのである。

 他の人から話し掛けられると理解できたが、自分の方からは、正しい表現ができなかっ
た。
 ポール・ブローカ(1824〜1880)は、このことから左半球で、言葉をしていることを発見し
たのであった。
 発音に関係するブローカ中枢が発音に関係していることが判明した。
 その11年後、もう一つの言葉の中枢を発見した。
 それは「ウエルニケ中枢」である。
エリック・カンデル:アメリカ・脳科学史
これらの二つの中枢で、互いに関連し合いながら、協調し分業していることが解ったのである。

@ まず、耳の近くにあるウェルニケ中枢で、言葉を聞いて判断する。
A 次に、話す中枢の近くのブローか中枢に連絡
B 言葉として、表現されることになる。
 
かつて、弁護士として活躍した男性が、脳梗塞で倒れた。
その男性に、質問をした。簡単なことには答えられた。
「犬は飛びますか?」・・「いいえ」
「飛行船は飛びますか?」・・・「はい」
「ヒョウは知っていますね? ライオンは知っていますね?」・・・「はい」。

・・が、『ヒョウがライオンに殺された。
 さて、ライオンに殺されたものは何でしょうか?』の質問には答えられなかった。
 「ヒョウ」「ライオン」「殺された」の、三つの関係を理解できなかった。→ウエルニケ中枢に問題があるのである。

 一方、もし、ブローか中枢が故障すると、言葉を旨く話せなくなる。
 このことはとりもなおさず、言葉の二つの中枢の役割を物語っているのだ。

 ◇ ノーマン・ゲシュウィント:アメリカ・神経学
 この二つの中枢は、何故脳の左半球の一定の場所にあるのであろうか?
 これは偶然のことではない。大多数の人々にとって、言葉とは”書く物””読む物”ではなかったのである。
 言葉は口から出る物、耳から聞く物で、書いたり読んだりする物ではなかったのである。
 従って、言葉の中枢は、聞くこと・話すことと深い関係があるのである。
  耳から入った言葉は、
 まず、ウエルニケ中枢に入り、
 つぎにブローか中枢に行き、
 最後に言葉となって出てくる
 のである。
 ◇ 特異な日本人型の脳
 ヒトは、育った国の言葉を覚える。
 日本語を聞いて育った日本人は日本語を話します。日本人が外国で育った場合も同じです。


 私たちが育った言葉の違いによって、脳は違った働きをするのだろうか?

 もし、そうだとすると、日本語を話す日本人と、他の言葉を話す人と・・・、日本人とは脳はどのように
異なっているのであろうか?
 反応が異なるであろうか?
日本人と西洋人の、音の聴き方の違い。つまり、音に関する脳の働きの違いの研究がある。
日本人と西洋人、に同じ音を聞かせて調査してみた。
日本人は、コオロギの鳴き声のような、意味をなさないような音でも「言葉」の中枢が反応している。
これは、言葉として聞いていることを示している。西洋人は、言葉ではなく「音Noise」として聞いている。
東京医科歯科大学教授・聴覚生理学者 バイオリンを聞いたとき・・
日本人にフルートを聞かせると・・ 画面の上が脳の前である。 アメリカ人にフルートを聞かせると・・
音を反応する場所
日本人 西洋人
フルート 右半球 右半球
バイオリン 右半球 右半球
アイウエオの「あの音」 左半球 右半球
コオロギの鳴き声 左半球 右半球
母音の「ア」の音を聞いたときの反応 コオロギの鳴き声を聞くと・・・
 これはどういうことであろうか?・・・・角田教授はこんな仮説を立てている。
○ 日本語は、母音中心のこと場が多い。
 例えば、「王を追おう」→ OOOO とオが四つ。
   「いい胃」   → I I I と、イが三つ。  等である。
 日本人は、雨の音だとか虫の音だとか、蝉の鳴き声などに非常に敏感に感じ取るというのは、言葉の特徴を反映している。
 西洋人は、これらをむしろNoiseノイズとして感じ取る。
 このような雑音のような物が、日本人には母音の形の言葉のように聞く。そのために自然界の意味をなさないような音まで、それを言葉として脳に取り込むようである。
 西洋人は、これらを「ノイズNoise」として、むしろ右の半球で扱う。・・・・・角田教授の説は、環境が神経回路を換える例として注目されている。

☆ 育つ環境と脳の発育
○ オーストラリアの平原
 地平線まで眼を遮る物のないオーストラリアの広大な平原。この大地の上で、昔から生活してきた人々の脳は、やはり環境によって作られているのであろうか?
 ここの子供達は、同じオーストラリアに住む白人よりもずっと優れた能力がある。方向感覚も優れている。彼らは、白人も、当然同じ能力があると考えているようだ!街に住む白人と違うとは考えたこともないようだ。
 ここで、3歳から16歳までの子度をについて調査した。12の升目に何があるかを30秒で記憶させる。次に、一端バラバラにし元通りに並べ直させた。そのときに要する時間を計って比較してみた。
 升目の中におくものを、石ころの場合と、人工的に作ったものと2分けてテストしてみた。簡単なテストであるがはっきりとした違いが出たのである。特に石ころの場合、平原の住民の方が優れていた。テストの結果、全員が白人の子供より良い成績を上げた。石の位置を元に戻すスピードが終始殆ど変わらなかった。急がずゆっくり、いつも同じスピードでやっている。このスピードは、形を認識する能力の度合いと関連する。
 年齢で言うと、彼らの能力は白人よりも3歳くらい進んでいた。7歳の子供が10歳の白人の子供と同じ成績であった。一般的にほぼ三歳の差が有ったのである。作業のテンポに中で、もう一つ特徴的なことは、余り口の中で呟かないことであった。広大な環境によって、それにあった脳が作られたようである。
 無言で黙々と作業したが、白人は多くの少年達は、覚える助けになると思うのか、よく呟きます。口で何かを呟きながら行った。
 育った環境により、形を記憶する能力が異なっていたのである。
物の形状の認識能力を比較  ブッシュマンの子供達を対象に調べた この位置を30秒で記憶させる
元のように並べ直させた 彼らは、白人よりも速くて正確だ! 育つ環境の違いである。
注:別な研究者の報告では、遊牧で生活する民族達は、何百という牛の皮膚の模様のわずかな違いを認識して記憶して、自分の牛かどうかを間違いなく記憶するという。色・形状のわずかな違い、体の白・黒茶色の模様を確実に識別する能力は驚嘆するほどであったという。

 育った環境だけではなく、生まれる前の環境によっても、脳の発達に違いをもたらすことが最近の研究で明らかになってきた。
 右利きか左利きかが、生まれる前の環境で決められるという研究がある。

 

◇ ノーマン・ゲシュィント:アメリカ神経学者は、
生まれる前の環境、すなわち妊娠中の胎児に母体から影響を与えるという。
 妊娠中の母胎の男性ホルモンの分泌が影響して、左利き・自閉症・吃音症などの発生の起因となると言う。
 男性ホルモン(テストステロン・Teststerone)は、胎児の脳の
左半球の発達を遅らせるようだ。また、男と女、雄と雌をはっきりさせるのもこのホルモン作用である。博士によれば、左利きの割合は、女性の場合20人に一人、男性の場合には10人に一人の割合であるという。
普通、左利きの割合は、男性の方が多いという。 胎児に影響を与える男性ホルモンの結晶化の状況 発情期を迎えたまだらの雄ネズミ
雌に男性ホルモンを与えると・・・ 正常な脳。左は雄。右が雌。 黒い部分は、神経細胞。この部分は雄に多い。
4 男と女:ネズミの実験

 雄と雌の通常の性行動をする。
 しかし、雌に男性ホルモンを与えると、雌が雄の背にMountingし、雄のような生殖行動をする。
 そして、その脳を調査してみると、脳が雄の脳のように変化している。

 ◇ ギュンター・トルネルは言う・・・・
  ベルリンのフンボルト大学で、脳とホルモンの関係を研究している。一般に男性は男性ホルモンに反応し女性は女性ホルモンに反応する。冒頭に示したシュミットさんは、見かけは男性であるが、女性のホルモンに反応するのである。これは、血液を分析してみると解る。彼はこの研究に協力しているのである。彼にいったい何が起こったのであろうか?
 ヒトの場合、戦争中に生まれた子供の中で、homosexualホモセクシャルの数が2倍あった。・・・と。
 
(注:戦争ストレスとhomosexualホモセクシャルとの関係を否定する学者もいる。母親へのストレスが、生まれてくる子供に必ず影響するとは断定できないというのである。)
 ギュンター博士は言う。「シュミットさんの場合、部分的に女性の脳を持っていると考えられる。」
 今まで、ネズミによって研究してきたが、ストレスを受けた母ネズミから生まれた子ネズミには、男性ホルモン濃度が他のネズミよりも少なかった。
 体内の子ネズミ(胎児)も同じであった。一般にストレスの影響は、人間の場合もネズミの場合も変わらない。
 そこで、第二次世界大戦中に生まれた子供と、その後に生まれた子供、500例について比較してみた。その結果、homosexualの割合が、平和なときに生まれた子供のおよそ2倍であることが解った。
 戦争のような強いストレスが性ホルモンや他のホルモンのバランスを崩し、生まれてくる子供に大きな影響をもたらす証拠だと思う。


 ストレスのあるのは悪い環境である。・・・・では、良い環境であったらどうであろうか?
 仲間や遊びの多い豊かな環境で育ったネズミの脳は大きく、貧しい環境で育ったネズミの脳は小さいと言うことが解った。
 ◇ マリオン・タイヤモンド:アメリカ・神経解剖学は・・・・、
豊かな環境で育ったネズミの脳は大きく成長しており、雄・雌の差も明瞭であった。
○ 雄では・・・左半球の”物を見分ける”部分が発達している。
○ 雌では・・・右半球の”感覚”の部分の発達していた。
       環境が脳の発達に与える影響は大きいと博士は言い切るのだ。この実験を人間に当てはめても良いという。ネズミも人間も同じような神経細胞でできているのだからと・・・。
一方で、以下のような実験もある。
◎ ところで、赤ちゃんに一番大きな影響を与えるものは、お母さんの態度である。
 ◇ キャロライン・スミス:イギリス心理学 は、母親の男の子と女の子に対する違いを研究。
着せる服によって・・・ 男の子には、活動的な玩具で・・ 女の服を着た子には、お人形を・・・
 『この子。生まれて6ヶ月です。抱くときに頭を支えてやってください。10分間好きなように遊んでください。』と、いろいろな母親にお願いして観察した。
 殆どの母親は、男の子に小女の子にも同じように扱っていると信じている。
 しかし、結果は・・。

 6ヶ月の子供に着せる服を、男物にしたときと、女の子の服を着せたときと、母親の対応は異なっていた。
 
お母さんの子供に対する対応は男の子か女の子かによって違いがある。
○ 女の子供服を着た乳幼児には、母親は女の子が好む人形などの玩具を見せ、男の服を着せて子供を抱かせると、男児が好みそうな玩具を見せて優しくあやす。
このように、どこの国でも違った扱いをしているようである。
◎ 生まれる前の環境、成長するときの環境。脳の働きは、環境によって大きく左右されていくのである。
 「男らしく」とか「女らしく」という言葉は、最近余りよいイメージで使われておりませんが、男が男としてして、あるいは女が女として、潜在能力を十分に発揮するためには、良い環境が必要なようである。
 一人一人の人間を大切にする人間社会の文化が、私たちの脳の力を最大限に発揮するようである。
☆ あとがき
  1,男の女・・どっちが偉い??
  美しい声でさえずる小鳥は雄である。雌にはこの能力はない。しかし、卵を産むことは雄には不可能である。
 近年、「ジェンダー:Gender」なる言葉が流行りだした。”性”の固有性を示す言葉である。
 
<何故か??新しい動きが始まるときには、ほぼ、必ず英語が用いられる。これに対して疑問を感ずるのは小生だけであろうか?>
 男尊女卑の長い歴史が継続していたことは否めない歴史上の真実である。
 2,雌と雄
 猿学者たちの報告を見ると、我々の祖先・猿たちの社会を取り仕切るのは雄である。ボス猿が交代すると、新しいボスは先代のボスの子どもは皆殺しにされる種類も多い。これは、猿のみではない。猫科の動物たちも必ずそんな行動をする。
 雌は、必死に我が子の”命”を守ろうとする。(人間の場合には、もう少し複雑である。他の動物の雌たちが持っているような”母性”を示さないようだ。)
 雄は能動的である。暴力的でさえある。
 最近話題になっている”子どもへの虐待”は、離婚後子連れで再婚した女性の子どもがターゲットになっていることが多い。知能の「先祖返り」であろうか?! さて、
 猿からヒトになってから、人類はこの力に任せての「男優先の生活」が、長い間継続したことは容易に推測できる。
 雄(男)は、獲得した獲物を最初に食したに違いない。しかも、食べ物は常に潤沢であったわけではない。
 そこで、雌(女)は男の残り物を、隙
(すき)を伺うようにこっそりと食べたと思われる。それでも子どもを妊娠し、産み・育てなくてはならない。・・・・・・。
 3,男は男性。女は女性。両性が協力して”いのち”を継承!
 そんな歴史があって、女性はわずかな食料でもしっかりと消化して、脂肪として蓄えて置くような構造となったんではなかろうか?高校に通学していた頃、女生徒の持参する弁当箱が男のそれに比較して、皆小さかったことに疑念を抱いたことがある。
 いま、私は、その訳を理解することができる。男と同じモノを同じ量を食すれば、肥満になって周囲の眼を気にして、苦しむことになるからである。
 女性には、毎月決まって多量の卵胞ホルモン(Estrogen)が分泌される。このホルモンは、消化吸収を援助したり、男よりも出血したときの止血作用が強く働くのである。また、排卵後に多量に分泌される「黄体形成ホルモン(Progesteron)」は、動作を鈍くし、エネルギーを皮下に蓄積する役割をするのである。このことは哺乳動物に共通した性質であると思う。
 動物の中で唯一、成熟したヒトの女性だけが、胸は常に豊かに膨れている。多の動物は、繁殖期・特に子どもの育成期以外は、乳房は縮んで目立たなくなっている。人類はこの方が、小利口で身勝手な雄(男)の庇護を受けやすく、子どもの養育には有利であったのではないだろうか?
            
 4,猿が祖先なのに・・・?
 ところで、・・・・・・?? 何故、猿から進化したと言われるヒトは、体毛が薄く、しかし、頭髪だけが伸び続けるのであろうか?・・・・・・・??
 このことは未だに科学的に説明できないらしい。だが、興味深い説もないではない。
 体毛が薄い、或いは、長ずるに従って体毛が消失するほ乳動物は居る。
 前者は、象、カバ等。後者は、アシカ、アザラシ・・等である。
 そこで、ヒトは長い歴史の一時期、人魚の時代があったのだ!と主張する学者がいる。

                    (「女の由来」-もう一つの人類進化論 - エレイン・モーガン著 どうぶつ社)
 
 「水辺で生活しほとんどの時間を水中で過ごした。子どもは母親などの髪の毛に掴まるために便利だった。」との説である。「薄くなった体毛は陸に上がって時に乾燥を速め、体温の保持に重要であった。」などと・・・・。
注:「1万年の旅路」 - ネイティヴ・アメリカンの口承史 - ポーラ・アンダーウッド 星川淳=訳 翔泳社
545ページの分厚い本に出会った。
驚きの内容であった。
一気に読み進んで、数日で読み終えてしまった。
その中には、こびとの様な(フロレス原人か?:1.8万年前に絶滅)種族との出会い、
インカ族との出会いそして、ネアンデルタール人(3万年前に絶滅)かと思われる人々との出会いも
口承されている。
その中に以下の一節があった。
 

 アフリカから旅立ちを始めたホモサピエンス。
 この一族は、やがて永い時間をかけた末にベーリング海峡を渡って、北米のオンタリオ湖南に定住するまでの口承史である。
 この中に以下の一節があった。 
 これは、そこに至るまでの出来事。毛皮を鞣
(なめ)す方法を発見し、仲間に時間をかけて説明するくだりである。
 ここで、かつて現人類は一時期(とは言え、何世代も・・・)海辺で生活していたことをうかがわせる。
 その間に猿にある体毛の消失が有ったのかもしれない。
 イルカに泳法や海中での息継ぎの方法を学んだことが、別なところに記述されている。

               
  (213ページに)
 「 (前略) どうやって毛皮を着たり、脱いだりするのかについて大げさなやりとりがくり返され、ただやわらかい皮をまとっただけで、ずっとそのままの状態になってしまうわけではないことが、だれの目にも明らかになった。

 というのは、わが一族のかつての姿を、まだみなが記憶にとどめていたからだ。

 大海のそばですごしたたくさんの<季節のめぐり>によって、
多くの毛がゆっくりと洗い落とされ、われらの姿が変わっていったという。

 いまでは一族の中にときおり一人、二人と生まれる者たちだけが、かつての姿を思い起こさせるのであった。 (後略) 」
 
  LINK  モンゴロイドの大いなる旅路
管理人の注:

○ 
毛皮を着たり:毛皮の鞣(なめ)し方法の発明
 再び、地球上に寒気が訪れたときに、集団の一人が、狩猟して剥がした毛皮を噛んでかみ続けて、味の無くなるまで噛んだら、毛皮は乾燥しても堅くならずに、肌に馴染むことを発見した。
 これを着ると暖かく、夜にぐっすりと眠れるようになるのであった。保温効果が良い事が判った。当時は、夜の睡眠中に凍死する村人も居たと述べられている。・・・・・・。
 しかし、集団のみんなにどのように伝えたらよいか?!ずいぶんと長い間思案したようである。

○ 
いまでは一族の中にときおり:先祖返りか?
 ずいぶん前だったか、明確な記憶はないが、中国のある地方で、「全身が毛だらけの人がいる!」と、TV放送されていたことを思い出す。
 このころ(年代不詳)では、もっと頻繁に先祖返りの子どもの誕生を経験したことと思う。
 何せ、我々の祖先は猿だ。
  補:同書の内容「ネアンデルタール人?との遭遇」に関する記述 
                      
LINK・原子そしていのち 
      
「何故 人口が増加するのか」「イルカに泳ぎを学ぶ」  日本人のルーツ
            
 5,”愛”を発明
 やがて、ヒトには”心”が発達し、”愛”と”憂い”が生じた。・・・・・・、正しく理解し本当の平等な男女の付き合い方が求められる。
 ともかく、ここでは生物学的に男と女の相違について考え直してみたいものだ。 ・・・苦縁讃
INK   追加:女と男・脳の違い