日めくりカレンダー 「鈴木正三和尚金言集」より 豊田市鈴木正三顕彰会 平成20年11月発行 |
表紙 |
義は己にありて 万事にわたれり 「麓草分」 より |
義は誰も持っている良識のことである。いいかえれば、正しいこと,そうでないことを見分ける能力のことである。それをお互いに磨きだして、毎日の仕事や暮らしに生かしていこう。そうすれば、世の中うまく整っていく。 |
1 |
何事も功を尽くさば 必ず 徳備わるべし 「驢鞍橋」下26 |
たとえわずかずつでも年月を重ねて努力すれば、必ず身につくものがある。自分の生き方を点検して努力を重ねる人になりたい。 |
2 |
総じて切れた心なくしては 物は成ぜぬとなり 同 下13 |
切れた心とは、思い切った心、決断の心、勇気ある心である。
やろうかやるまいかと迷う心ためらう心では駄目。思い切って実行しようとする心こそ、物事を成功に導くかぎである。 |
3 |
我 今度 娑婆に出て 何の詮も無く 死するなり 同 下130 |
娑婆というのは,この世のこと。自分で自分をほめてやりたいような、そんな仕事をしたい。なかなかできることではない。人の人生は死ぬまで努力の積み重ねだ。 |
4 |
我になき事を云い聞かせて 人に示すべからず 大いなる咎なり
機の位だてを云って いかずけな振舞すべからず。 同 下49 |
自分に備わっていないことや自分にはできないことについて、「それはこうでなくてはならない」「こうすべきだ」などと、さも自分は完全であるかのように話してはならない。
「気合いが入っていない」と人をどやしつけるような行為である。 |
5 |
恐れず,驚かず,退かず、不動不変にして、一切の主人公となる。
武士日用 |
いかなる場面に遭遇しても恐れず,驚かず、退かず。
少しもひるむことのない勇猛心、不動心をもって、人生の主人公となれ。 |
6 |
総じて人を悪くいわば、我がよき者になると思うていうものなり。
「驢鞍橋」下54 |
人の悪口を言うことは、人の悪口を言っただけ自分の価値が上がり、自分が偉い者になると思うからである。
まったく愚かしい錯覚だ。 |
7 |
心を自由に使って、世界の用に立つべし。 同 下49 |
心を広くもって、思い切って行動すれば,必ず、世のため、人のためになる。がんばろう。 |
8 |
吾が身を思う一念を退治せよ。 「武士日用」 |
「自分が・・」「自分が・・」と自分だけを大事にしようとする。
それが苦しみの根源となる。自分の身だけが何よりも大事だと思う心を退治しなければならない。 |
9 |
一切の所作 皆もって 世界のためとなる。 「職人日用」 |
どんな仕事でも、どんな小さな行いでも、皆、世のために役立っている。世の中は互いに助け合うことによって成り立っている。自分のやるべきことに、全力を注げ。 |
10 |
己をかえりみて 己を知れ 「盲安杖」 |
知識をたくさもって、物知りとなったとしても、自分自身のことがわからなくては、他のことがわかるはずがない。 |
11 |
我が命の惜しきをしらば、小さき虫に至まで、心をとめてみよ 「盲安杖」 |
自分の命を大切にしたいと思うなら、他の生きものはもちろん、小さな虫にも心を止めてみよう。 |
12 |
愚者は己を楽しみて 人を忘するる 「盲安杖」 |
自分の楽しみだけを求めるのは愚かなことだ。
自分のことだけを考えず 他者に対して,恵み、救い、助けようとする心をもちたい。 |
13 |
修行に赴く人は、浅きより 深きに入り
麓の草を分けて 頂上に至るべし。 「麓草分」 |
山の頂上をめざすには その山の麓から、1本1本草をかき分けて登っていかねばならない。 いきなり頂上にはつけない。 |
14 |
一紙半銭も おろそかにせず 「麓草分」 |
目的を達成するためには、また、人々の役に立つためには、たとえ一枚の紙でも、わずかなお金でも、おろそかにしてはならない。 |
15 |
万過はただ己に負けて、私の心生ずる処にあり。
己に勝を勤むるのみ。 「石平道人四相」 |
自分の弱さに負けて,自分をかわいがりすぎるところに、いろいろな問題が起こる。
「己に勝つ」心をもち続けたい。
正三和尚は,自分に勝つ心を「沈む心」といっていた。 |
16 |
東へも西へも 行かんと思い 一歩ずつ運べば
必ず行き着くものなり 「驢鞍橋」上27 |
目的地に向かって、一歩一歩進んでいけば、必ず、到達できる。
目標を立て、小さな努力を積み重ねよう。 |
17 |
何れも心をつけて 書を見れば 徳を得るべし 「驢鞍橋」上120 |
心を込めて書物を読めば,必ず、役に立つものだ。
問題意識をもって、本を読むことを大切にしよう。 |
18 |
人、我を憎むとも,我、人を憎むべからず 「驢鞍橋」上124 |
人が私を憎んだとしても,決して、人を憎んではならない。
人に憎まれる自分に、何か落ち度があるのではないか。自分自身をふり返ってみよう。 |
19 |
自分を顧みて、餘所の笑いを知るべし 「驢鞍橋」上169 |
たいした事でもない事を自慢して、他人から笑われていることもある。
特に若い人は、気をつけよう。 |
20 |
一粒に、百手の功当たる。 「驢鞍橋」中46 |
正三和尚は,食事の時におっしゃった。「米一粒にも、多くの人の苦労が詰まっている。無駄に食べるではないぞ。」と。
感謝の心を忘れないでほしい。 |
21 |
思いを達せぬ者、汝一人のみに非ず 「驢鞍橋」下121 |
自分の願いを十分達成できなかったといって、悔やまなくてもよい。
誰もそれぞれに努力し続けている。 |
22 |
人の痛みを知らずして、空しく一生を過ごさば、人倫に非ず 「反故集」 |
自分の周りの人に気配りせずに、自分の幸せだけを求め続けて、一生を過ごすならば、それは、人間としての道をはずれることになる。 |
23 |
瞋の心強き人は、ものごとに、憤り強くして、人を憎む心甚だし。 「反故集」 |
「瞋(いかり)」とは、苦楽にこだわり、不快なものに対して怒ること。
瞋の強い人は、いろいろなことに不満を多く持ち、どんなことにも腹を立て、人を憎む心が強くなり、感謝の気持ちをもつことができない。 |
24 |
生死を知りて 楽しみ有事 「盲安杖」 |
死を知って生を知り、生を知って死を知る。人は、生老病死を深く思い、考え、そのことに目覚めることが必要である。
目覚めたときに、自分の生きがい、「楽」に気づくことができる。 |
25 |
物毎に 他の心に至るべき事 「盲安杖」 |
本当に自分自身を大切にしたいと思うなら、他人の視点に立って事々を見聞し、思い、考えて行動することが必要だ。 |
26 |
己を忘れて 己を守るべき事 「盲安杖」 |
私欲にまみれた自分を捨て、本当の自分を見つけ、本当の自分を育てていこう。 |
27 |
立ありて、ひとり慎むべき事 「盲安杖」 |
志を大きくもって立ち上がることは大切なことである。
しかし、それから独りよがりや傲慢になってはならない。
常に自らを慎み、一歩引き、謙虚さをもつことを忘れないようにしよう。 |
28 |
小利をすてて 大利に至るべき事 |
私利私欲にかかわるものは小利であり、公利公欲につながるものが大利である。
利己心による小利を捨て去り、公利心による大利に至れ。 |
29 |
心に心を恥じて 誠あることを知れ 「盲安杖」 |
自分のことを第一に考えて行動することは「誠」ではない。
他人に対して恥ずかしいと思うのではなく、自分自身に恥ずかしいと思い、「誠」の道をめざせ。 |
30 |
農人なくして 世界の食物あるべからず
商人なくして 世界の自由成るべからず 「万民ん徳用」 |
農業がなければ、私たちは食物を口にすることができない。 商業がなければ、いろいろな品物を手にすることができない。
人は皆、助け合って生きている。視野を広く世界に向けて、自分の務めを果たしていこう。 |
31 |
我、人を打てば 人また我を打つ
人によく向かえば 人また我によし 「驢鞍橋」上50 |
誠意をもって人に接すれば、人も誠実な態度で自分に接してくれるだろう。 |
同・ 鈴木正三和尚ゆかりの文化財など |
文化財等 |
場 所 |
文化財等 |
場 所 |
文化財等 |
場 所 |
文化財等 |
場 所 |
正 三 坐 像 |
心月院 |
「驢鞍橋」全六巻版本 |
恩真寺 |
正三開基の心月院 |
豊田市則定 |
正三開基の十王堂 |
足助町 |
正 三 坐 像 |
長泉寺・東京八王子 |
正三和尚墓塔 |
心月院 古墓 |
正三修復の寺・医王寺 |
矢並町 |
正 三 坐 像 |
報慈寺・彦根市 |
鉄鉢・正三使用 |
正三史跡公園 |
建立の寺・浄心寺 |
山中町 |
正 三 坐 像 |
能仁寺・大分市 |
「 正 三 杉 」 |
正三・重成像 |
正三再建・二井寺
(現普賢院) |
押井町 |
建立した寺・恩真寺 |
豊田市山中町 |
正三修行の岩穴 |
豊田市山中町 |
正三再建・本郷薬師堂 |
正三銘の梵鐘 |
普賢院 |
正 三 坐 像 |
恩真寺 |
正三修行の滝 |
正三記念館 |
鈴 木 神 社 |
熊本天草市 |
正三銘の梵鐘 |
正三座禅した石 |
正三修行の千鳥寺 |
豊田市千鳥町 |
東 向 寺 |
同 |
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