第四巻:ブギーポップ・オーバードライブ歪曲王

「僕は歪曲王。君の心の中にある歪みに君臨するもの。君が歪みを黄金に変えることができるまで、僕はずっと君の側にいるだろう。」  二月十四日の聖バレンタインデイ。都市のど真ん中に位置する異形の高層建築「ムーンテンパル」の観覧イベントに集まった人々を巻き込んで世界が歪んでいく。人々に甘くささやきかける歪曲王は、全てがねじ曲がったその世界こそ天国に至る段階だという。そして、そこにはもうひとつの奇妙な影がまぎれていた。・・・・・・「やはり来たな。ブギーポップ・・・・・・!」人の心に住む者同士が相まみえるとき、終わりなき一日が、幕を開ける。  

管理人談

ムーンテンパル自体はなんどか小説に出てくるようになります、建設予定地とかに。ほんとにつながりが多い小説です。今回の話は寺月の酔狂の究極体ともいえますが、それに便乗した歪曲王の手段とか、ゾーラギの登場とか、なかなか読み応えがありました。MPLSとはひょっとかしたら誰にでもある潜在能力なのかもしれません

寺月恭一郎

統和機構に所属する人物。一般社会に置いて有力な会社を経営する人物であるが、その知名度の高さから統和機構にマークされることになる。MECと呼ばれる超巨大総合企業の社長であるが、最後はユージンによってその命を絶たれる。彼の残した遺産のような高層ビル群は対統和機構用のものが多く。本編のムーンテンパルもそのうちのひとつであり、目的は、統和機構の監視内に収まりそうな者を探し出し、忠告をするというものであった。

新刻  敬

深陽学園の風紀委員長である。外見の幼さと相まって、行動派であり、本編では先のマンティコア編同様、気丈な態度をとっており、歪曲王が見せる幻影にも、たじろくことなく向かっている。

田中志郎

深陽学園の生徒。弓道部に所属。ルックスよしのいい男だが、気弱な点が見えるため、その存在感みたいなものがだされていないかわいそうなやつ。マンティコア編で、恋人である紙子城を失っており、その傷心は深い。本編ではなんと能力を開花させ、物語の主役となっている。そう、かれこそが歪曲王であり、物語の黒幕であるのだ。

早乙女正美

歪曲王が新刻の中にでてきたときに使った仮の姿。最後の最後まで新刻の中で彼女を悩まし続けた。