第六巻:ブギーポップ・ペパーミントの魔術師

君は何かを取り逃がしてしまったことはあるかな?とてもとても大切なことだったのに、つまらない意地を張ったり、目の前のことばかりに気を取られて見逃してしまったことはないかい?・・・・・・・・・・・・これはそういうことを繰り返さざる得なかったある魔術師の話だ。彼は天才で、成功者で、そして失敗者だ。この魔術師が辿る一途で愚かで、そして寂しく陽気なこれはアイスクリームの物語。冷たく鮮烈な甘さは、一瞬の、そう、このぼく、ブギーポップですら見逃してしまうほど速く、あっという間に溶けて消えてなくなっていく一時の慰み・・・・・・・・・・・・。道化師と死に神とそして夢破れた人々が織りなす、無邪気で残酷な悲しいお迦新。

管理人談

主人公は軌川十助。かれは生まれてから自分の家を出たことはなかった、その理由は彼の肌の色が「薄緑色」ということのためだった。かれを外の世界に連れ出したのは寺月恭一。彼は十助の作るアイスに大いなる力が隠されていることを見抜き、彼に世界へと導く。しかし寺月は統和機構の中で危険人物として抹殺され、十助もまた危険人物として処理されることになった。そして統和機構の刺客が彼を攻撃した瞬間!十助は新たなる能力、というより本当の能力を発揮し、刺客から逃げることに成功する。そして彼は自分の力を使って本当の自分の存在の意味を探す。

 

スクイーズ(蝉ヶ沢卓)

戦闘型の合成人間。能力は空気を圧縮し、かまいたちのような技を繰り出すものである。普段の彼は寺月の会社に所属するデザイナーである。統和機構内でもその能力は高い方のようである。

軌川十助

ペパーミントの魔術師。それが彼の別名。彼の能力とは人の痛みを感じ、それに見合ったアイスをもって他人を安らげてあげること、実際の能力は「人の恐怖を取り除く」である。彼の能力は使いようによっては世界を支配できうる物であったが、彼自身がそれを望まず、風来坊のような生き方を選ぶ。

楠木玲

点才的な才能を持つ料理人。その才能の高さと軌川十助と同等に料理に関して論ずることができることから十助のアイスクリーム会社の副社長として招かれたが、十助のアイスクリームと接触している打ちにその心を忘れる、さらに、スプーキーEによって洗脳されてしまうが、十助によって最後には自分を取り戻す。

キャプテン・ウォーカー(景山)

ペパーミントに登場する殲滅型合成人間。能力は空気中の燃焼生物質を使った広範囲爆発である。しかし、作戦実行直前にブギーポップによって殺される。

寺月恭一郎

統和機構に所属する人物。一般社会に置いて有力な会社を経営する人物であるが、その知名度の高さから統和機構にマークされることになる。本編では十助を表世界へと導きだし共にいろいろと活躍するが統和機構によって消される。