第九巻:ブギーポップ・パラドックス:ハートレスレッド

「世界の敵」とはなんだろうか?ヤバイことばかり考えている奴がそうだとしたら、この世はすでに敵だらけだろう。この俺、霧間凪には難しいことは分からない。だがその善悪の境界線みたいな所をブギーポップの奴はあるいている気がするし、・・・・・・・・・そしておれが中学生の頃に出会ったあの変わり者女、九連内朱巳(くれないあけみ)もまた、両方にまたがる場所に立っていた気がする。悪を恐れず、善を怯まず・・・・・・・・・あの<傷物の赤>はそういう少女だった・・・・・・・生命を停められた被害者たち。どこから襲ってくるか予測不能の敵。無為なる危機に対し、霧間凪は如何に戦うのか?そして背後には迫り来る黙示録の予兆が・・・・・・切ない恋心が「心のない赤」(ハートレスレッド)に変わるとき、少女は何を決断するのか。

管理人談

少し人物紹介が難しいこの話、主人公の九連内朱巳の母となる「ミセス・ロビンソン」。彼女は朱巳の監視役として統和機構から派遣されていたのだが、朱巳と生活する内に、彼女の母親としての情ができてしまい、その情ゆえに、最後を迎えてしまう。なんか妙に良い話です。最初から最後まで、結局朱巳はひとりぼっちであり、何か悲しさを感じさせる展開が話に魅力を持たせていると思います。久々に能力者達も目立っています。話の展開もおもしろい!

九連内朱巳

本編主人公。小さいときに両親に捨てられ、嘘をつくことによって生き抜くことを貫くが、統和機構によって拾われ、それ以来統和機構にすら嘘をつき続けることによって、自らの身を守る。しかし彼女の評価は統和機構内でも高いようであり、いずれの日にか、中枢(アクシズ)にたどり着くとさえ言われる。

ミセス・ロビンソン(九連内千鶴)

九連内朱巳の監視役。統和機構の合成人間。能力は両手から繰り出される高熱の弾。朱巳との長い間にわたる親子関係によって、すっかり朱巳の母親としての情ができてしまい、その結果、敵であるフェイルセイフによって隙をつかれ殺されてしまう。

内村杜斗(フェイルセイフ)

朱巳の彼氏として登場するが、実は本物の内村を殺して彼に成り代わっている人物。彼の能力「フェイルセイフ」は、人から死を抜き取ることによって自らの死をストックしておくことができるものである。その能力を彼に授けた人物はあの水乃星透子。あのイマジネーターであった。しかし、能力を授かった彼は彼女を裏切り、彼女に対抗するために統和機構を利用しようと考える、そのために彼は朱巳に接近をし、その力を手に入れようとするが、逆に朱巳によって罠に陥れられ、水乃星の部下として彼の能力を奪いに来た穂波によって引導を渡される。

その他登場人物

霧間凪

スクイーズ

とくに出番という出番はないのだが、最後に朱巳を迎えに来る統和機構のゲストとして登場。