列伝

地球統合軍・陸軍大尉「ユースケ・タイラー」・・・・・・・・・・・・・・・異名「ジャッジメント・タイラー;戦場の審判者」

 18歳で軍へ志願入隊。第33山岳歩兵師団に所属し、二年に渡り山岳訓練を学ぶ。その後、第4機械化師団の戦車搭乗員適正テストに合格。3年間に渡り戦車兵として経験を積む。この時点で異例ではあるが軍曹まで昇格。陸軍にSA部隊が創設されると、戦車兵をやめ、SA適正テストを受け、第1機動歩兵大隊第1小隊隊長となる。

 第1機動歩兵大隊が、欧州方面軍の統合軍最精鋭部隊「第1機甲師団」へ実戦配備され、曹長として着任する。SAを用いた山岳戦や起伏に富んだ土地でのSAの使用の有効性を上層部へ上告するが、ヘリ攻撃部隊のもう批判のため、中途半端に取り入れられることとなる。

 ガリレオ戦争開始時、欧州方面に降下した宇宙連邦軍を迎撃するために同師団と共にエルベ川方面に展開、敵SA部隊と激しい交戦の末、第1機甲師団は壊滅。残兵を率いてバルカン半島へ逃げ延びる。ここでも連邦軍と交戦するが、自身の推薦していた「山岳戦」の有効性を発揮し、わずか1小隊で連邦軍1個大隊を足止めする。

 バルカン半島全体の統合軍の状勢が危うくなると同時に、海上ルートでスペイン地方へ敗走。ピレネー山脈を生かした防衛線で、欧州統合軍はなんとかもちこたえる。この時点でこれまでの戦果と会わして、中尉へと昇進。

 山岳機動SA部隊の中隊長として、防衛線の一角を担う。旧式化したジックを効率よく運用し、対空・対地戦闘において華々しい戦果を挙げる。とくに、自機のジック改をカスタマイズした狙撃使用の機体で、敵侵攻機甲部隊をことごとく破壊する。このころより、敵味方の間で「ジャッジメント・タイラー」の異名を受ける。

 

地球統合軍・陸軍大尉「グラン・バウアー」

 士官学校出のエリート。当初より戦車の運用、戦術、作戦指揮などで輝かしい成績を上げるが、その器量に似つかわしくない身なりや態度で、エリート街道への道は断たれる。本人自身はエリート意識などなく、戦車兵として現場で任務に就いていることを誇りに思った。しかし、彼の能力を腐らせる軍上層部ではなく、その能力を最大限に活用できる機甲師団のエリート部隊「第1機甲師団」への配属を25の時に受ける。

 開戦時、ライン川で連邦軍と対峙し、第1機甲師団は壊滅するが、彼の指揮した中隊だけは敵SA部隊を撃破することに成功する。しかし大軍による攻勢には太刀打ちできず、ベルリン→パリ→南フランス、と、各地で防衛戦を繰り返すが、ことごとく撤退することとなり、最後は戦車隊を破棄して、ピレネー山脈を友軍と共に越える。

 残存軍の中で、かつて上官であった参謀達などが全員戦死しており、急遽、尉官参謀として機甲部隊の指揮を執ることとなる。また、彼には山岳防衛部隊の指揮権のほとんどが預けられ、「ジャッジメント・タイラー」などの優秀な戦力を有効に使い、連邦軍の攻勢をことごとく叩きのめすことに成功している。

地球統合軍・海軍中将・「フレデリック・ランカスター」

 士官学校首席卒業のエリートであったが、出世欲に疎く、同期がすでに大将や、軍、政府の要人になっているのにも関わらず、いまだに前線司令官としてルアーブル海軍基地の司令を務める。

 開戦後、連邦軍の攻撃からパリの方面軍総司令部が脱出するのを援護すると同時に、後退してきた友軍の一部をイギリスへと渡す準備をし、多くの兵士を大陸から脱出させることに成功し、自身もイギリスへと脱出する。しかし、方面軍司令部たちを乗せた航空機が連邦軍によって拿捕され、彼の上に立っていた人間が一斉に消えることとなり、急遽、彼が臨時司令官として敗残兵をまとめることとなった。

 しかし、首席卒業は伊達ではなく、その事務能力と作戦立案能力は他の追随を許さず、欧州方面軍は彼のおかげで残存部隊、正規部隊共に全面崩壊をまのがれたといえる。