司書の松下さん 以前に紹介したおすすめ本

三好中学校の図書室には、約14,000冊の本があります。たくさんの本の中からおすすめの本を紹介します。
おすすめ③

 追悼:山脇百合子さん、素敵な本をありがとう。


「いやいやえん」
作: 中川 李枝子
絵: 大村 百合子
出版社: 福音館書店



山脇百合子さん、もしくは中川李枝子さんをご存知でしょうか。

聞いたことがないなという人も「ぐりとぐら」は知っていますよね。

そうです。中川李枝子・山脇百合子 姉妹による絵本シリーズです。

絵本の中で、ぐりとぐらが作る大きなカステラを子どものころ、わたしも食べたいなと思って何度も読みました。

その山脇百合子さんが9月29日 80歳でお亡くなりになりました。

50年以上も姉妹で絵本を作り続けられ、数多くの作品は今も重版を重ねています。

そんなお二人の素敵な作品の中でも私が一番好きな本は、「いやいやえん」です。

元気で、わがままな保育園児の「しげるちゃん」がなにもかも「いやだ!いやだ!」と駄々をこねて、「いやいやえん」に連れてこられるお話です。

1962年に出版されたこの本は、60年以上の時を超えても決して、古さを感じません。今も、駄々をこねる園児をみるとこの「いやいやえん」を思い浮かべます。

私の子どもや読み語りの児童に何度も読みました。

駄々っこの「しげるちゃん」を子どものなまえに置き換えると、とても喜んでお話にのめりこみみんな前のめりになって、聞いてくれました。

私の本は、40年以上たち、角が丸くなり、表紙も色あせていますが、まだまだ現役でフル活躍してくれる大切な本です。

みなさんは小さかった頃に、どんな絵本を読んでもらいましたか。

その絵本は、時を経ても、心に残り、次の世代へのつながる一冊だと思いますので心に大切に残してください。

おすすめ②

 三好中学校の図書室は、SDGs関連資料の充実に力を入れています。

 世界のあらゆる問題を提唱しているSDGsは、2030年を目標の達成としています。2030年、ちょうどみんなが大人になり、世界を支える世代だからこそ、たくさんの関連資料をそろえて、知ってほしいと思っています。

 その中から面白い本を紹介します。



「大人は知らない 今ない仕事図鑑100」

構成・文/上村彰子+「今ない仕事」取材班

漫画・イラスト/ ボビコ

 この本は、ちょうどみなさんの年齢・10代の子どもとその保護者のための「仕事図鑑」です。冒頭、「2011年に小学校に入学した子どもの65%は、大学卒業後、今は存在していない職業に就くだろう」(デューイ大学研究者 キャシー・デビッドソン)という予測が2010年代に世界に衝撃を与えました。そして、その予測は3年前の新型コロナによるパンデミックで現実になろうとしています。それは世界中でリモートや仮想空間(バーチャル)による仕事や学習を余儀なくされ、次々に今までなかった仕事の形が生まれたためです。そして、この急速な変化はコロナが収束しても後戻りしないでしょう。と記述しています。もちろん、新型コロナによる生活環境の変化だけでなく、急務とされる環境問題、戦争や格差の拡大等の国連が提起した重要な問題を踏まえ、かつ、AI技術の目覚ましい進歩や5Gといった通信技術の革新によって見えてくる仕事の変化を予測し、今後どんな仕事が社会に必要とされるのかを詳しく紹介していますとこの本を紹介すると難しい本のように感じるかもしれませんが、内容はマンガとイラストがたくさん掲載されて、わかりやすいです。

 また、SDGsに沿った仕事や、どのようにして今の仕事に就いたのかについての実例を詳しく紹介しています。さらに、実際にあったら面白そうな仕事が盛りだくさん!最後に、本当に未来にこんな仕事があるかどうかは皆さん次第。「未来がどうなるか」ではなく、「未来をどうしたいか」で世界は必ず変わるとあります。

 どんな大人になろうか、将来の夢やなりたい仕事を見つけるヒントになること間違いない本ですので、是非、読んでみてください。

おすすめ①

三好中学校の図書室には、約14,000冊の本があります。

たくさんの本の中からおすすめの本を紹介します。


「へいわとせんそう」

 谷川俊太郎 文/Noritake 絵  ブロンズ新社 2019年出版

 Noritake氏のシンプルでモノクロの挿絵と谷川氏の誰の心にも響く簡単なことばがこの重たいテーマを描いています。見開き左右に「へいわ」と「せんそう」を対峙させ、その違いは一目瞭然です。平和の方が良いに決まっている。しかし、ページを進めると「みかたのあかちゃん」「てきのあかちゃん」。。。何が違うのでしょう?

 出版社からのコメントには「へいわのぼく」と「せんそうのぼく」では、なにが変わるのだろう。おなじ人やもの、場所を見開きごとに比べると違いが見えてくる。いま、子どもにも大人にも伝えたいメッセージ。とあります。私たちの知らない「せんそう」は今、この瞬間にも遠い国で起こっています。決して、「対岸の火事」ではありません。谷川俊太郎氏は新聞のインタビューで「一人の人間として、戦争にあらがうにはどうすればよいか。地道に毎日の生活を続けていくこと。その生活を信じ、守ること。」と語っています。私たちの普通の暮らしを守り続けていことは簡単そうでとても大切なことだと思います。

 シンプルで読みやすく簡単な「へいわとせんそう」という絵本です。じっくり絵本を開いて考えてみてください。

 




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