口の中にも「がん」ができる

口腔がんは予防できる


あなたにもできる口腔がん予防

  がん征圧に対する努力がなされてきましたが、過去20年間に口腔がんはわず かずつ増加傾向にあると考えられています。日本では年間約5000人が口唇 口腔咽頭がんで死亡していると報告されています。この中で2/3は男性です。 口腔がんの兆候とともに口腔がんの危険因子を知ることにより、あなたはこの 疾患からの生命への脅威を減らすことができます。

口腔がんはどんな病気?

  あたりまえですがほっておけば死に至ります。   近年増加傾向にあります(特に若年者)。   しかし、予防可能ながんなのです。   そして、小さながんであれば治療は容易です。   そのために早期発見早期治療はとても重要で、かかりつけ歯科医や歯科健 診、節目健診などを定期的に受けましょう。

口腔前がん病変ってなに?  

 

頬に見られる前がん病変
歯肉に見られる前がん病変
舌の横に見られる前がん病変
 
 

がんになる前段階の病変で、白板症といいます。口の中にできるもので、 表面が白いのが特徴です。
  

口腔がんはどのようなものかを知る。

  たった数分で良いですから、自分の口の中を見て、唇、歯肉、頬の内側、舌、 舌の下、うわあごを調べてみましょう。早期にがん性変化を知ることにより早 期発見早期治療につながります。調べるときは次のことに気をつけましょう。

舌の裏にできたがん
 下唇にできたがん
歯肉にできたがん
舌にできたがん

  ―口の中の色の変化(たとえば白色や赤色のまだら模様)
  ―はれた感じ、しこり、ただれ、かさぶた、表面の粘膜のはがれ
  ―出血しやすい痛みのあるところか、または治り難い痛いところ
  ―口の中や唇の痛み、過敏、麻痺
  ―噛んだり、飲み込んだり、話したり、顎や舌を動かし難い
  ―声が変わった
  ―噛みあわせが変わった
  ―激しい体重減少
  ―首のかたまりやしこり  
もし、これらの状態が続くようなら、かかりつけの歯科医に検査を受けるべ きです。

セルフチェックしましょう

  鏡に舌をうつしてみましょう。 そして指でさわってみましょう。 もし変だなと思ったときはかかりつけ歯科医に相談しましょう。

 

 

 

 

 

口腔がんの危険因子

 あなたはたばこを吸いますか?  
 あなたはアルコールを毎日飲みますか?  
 野菜や果物を毎日摂っていますか?  
 口の中を清潔に保つように心がけていますか?
 合わない入れ歯やブリッジ、むし歯で口の中を傷つけていないですか?

 

 

 

 

口腔がんを予防するには(口腔がんの危険を減らす)

  最近では口腔がんの発生に関係する危険因子がいくつかわかってきました。喫 煙は、特に多量の酒類とともに喫煙した場合は非常に危険です。また、直射日 光に長時間繰り返しあたることは唇にできるある種の皮膚がんの危険性を増し ます。そのほかの危険因子には、遺伝、肝機能、ある種の投薬があります。食 事もまた関係します。新鮮な果実や野菜をあまりとらないと、がんの危険性が 増えます。  
  1. たばこをやめましょう。   どうしてもやめられない方は総合病院の禁煙外来にご相談ください  
  2.緑黄色野菜・果物を毎日5種類以上摂りましょう。  
  3.アルコールは一日に男性なら2杯、女性なら1杯にしましょう(1杯は 大体缶ビール350cc)  度数の高いお酒は水割りで  
  4.口の中を常に清潔にして、むし歯や歯周病はきちっと治しましょう。

かかりつけ歯科医受診の重要性

  定期的にかかりつけ歯科医で歯科健診を受けましょう。歯科健診ではむし歯や 歯周病だけでなく口腔がんや前がん病変の発見に非常に有効です。特にたば こ・アルコール習慣のある方はぜひ口腔がん検診を受けましょう。 あなたの住む町でも成人歯科健診や節目歯科健診などを実施している場合が ありますので、機会があれば積極的に受けましょう。

もっと知りたい人のために

 口腔がんについてのインターネットでのホームページがいくつかあります。 口腔がんが気になる人にとってはとても有意義と思いますので、参考のために そのいくつかを以下に掲載しました。しかし、心配ならばかかりつけ歯科医へ 受診することをお勧めします。早ければ早いほど治癒する可能性が高くなりま す。自分で心配するのも1−2週間が限度です。それ以上は病気が進展して、 生命の危険性が増すだけです。
  財団法人癌研究会 http://www.jfcr.or.jp/information/symptom/inf_sym_toukei_kouku.html
  クイント デンタル ゲート http://www.quint-j.co.jp/health/symptom/symptom_7.html
  日本臨床口腔外科学会 http://www.jacoms.gr.jp/chiryo/ja-d02.html

資料提供 愛知学院大学歯学部 口腔外科 長尾徹先生