THE BEATLES 1962~1966 ザ・ビートルズ1962年〜1966年
THE BEATLES 1962~1966

TOCP-51127-28
1973年4月20日発売
SIDE−A
01 | ラヴ・ミー・ドゥ 08 | ア・ハード・デイズ・ナイト
02 | プリーズ・プリーズ・ミー 09 | アンド・アイ・ラヴ・ハー
03 | フロム・ミー・トゥ・ユー 10 | エイト・デイズ・ア・ウィーク
04 | シー・ラヴズ・ユー 11 | アイ・フィール・ファイン
05 | 抱きしめたい 12 | 涙の乗車券
06 | オール・マイ・ラヴィング 13 | イエスタデイ
07 | キャント・バイ・ミー・ラヴ
SIDE−B
01 | ヘルプ 08 | ミッシェル
02 | 悲しみはぶっとばせ 09 | イン・マイ・ライフ
03 | 恋を抱きしめよう 10 | ガール
04 | デイ・トリッパー 11 | ペイパーバック・ライター
05 | ドライヴ・マイ・カー 12 | エリナー・リグビー
06 | ノルウェーの森 13 | イエロー・サブマリン
07 | ひとりぼっちのあいつ

この公式ベスト盤は、海賊盤“ALFA OMEGA”がかなりの売り上げを記録し、ベスト盤の需要の高さを知ったキャピトル・レコードがジョージに選曲を依頼、発売が急遽決定した。前期(1962-1966年赤盤)と後期(1967-1970年青盤)に分けて、合計54曲が選ばれている。公式曲213曲のほぼ4分の1、しかもビートルズの代表曲のほとんどが聴けるので、ビートルズ入門編としても最適と言える。
こちらの“1962-1966”のほうは、ジャケットの色あいが赤で統一されていることから「赤盤」の名で親しまれている。ジャケット写真は、表がアルバム“PLEASE PLEASE ME”のフォト・セッションで撮られたもので、裏の写真はアルバム“GET BACK” (“LET IT BE”の原題)用に撮られたものが使われている。曲は‘Love Me Do’から‘Yellow Submarine’まで、1962年〜1966年にかけてイギリスで発売されたシングルのA面がすべて収められている((1)〜(5)(7)(8)(11)(12)(14)(16)(17)(24)(25)(26)の15曲)。その他、アメリカでのシングル((6)(9)(10)(13)(20))が5曲、残り6曲がアルバム収録曲である((15)(18)(19)(21)(22)(23))。全26曲すべてがジョンとポールの作品で占められているのが目を引くところだ。
ヴォーカルの構成は、ジョンが(2)(11)(12)(14)(15)(19)(20)(22)(23)の9曲、ポールが(1)(6)(7)(9)(13)(18)(24)(25)の8曲、ジョンとポールが(3)(4)(5)(8)(10)(16)(17)の7曲、リンゴが(26)の1曲で、意外にも選曲したジョージのヴォーカルが一曲も入っていない。チャートでは、ベスト盤としては異例のヒットを記録し、イギリスのメロディ・メーカー、NMEともに1週1位を記録。しかも、トップ10内に連続3か月以上とどまるなど、人気の根強さを証明した。また、アメリカのビルボードでは3位どまりに終わったものの、トップ100内に31週、トップ200内に77週という長期的な大ヒットとなった。
収録された26曲のうち、イギリスでのシングルA面は、‘Love Me Do’を除く14曲が、メロディ・メーカーとNMEの両チャートで1位に輝いたものだ。一方、アメリカでは、(1)(4)(5)(7)(8)(10)〜(13)(14)(16)(24)の12曲がビルボードで1位を記録している。
サウンドの面からみると、初期のものはライヴで演奏することを中心に考えていたため、何よりストレートな音というのが特徴で、レコーディングでの多重録音などは少ない。このアルバムでいうと、ライヴ中心の音作りから脱皮し始めた‘We Can Work It Out’あたりから変化がみられる。次第に音作りが複雑になり、アコースティックな楽器が前面に出ることも多くなってきた。‘Yesterday’‘Yellow Submarine’など、外部のミュージシャンの参加もめだち始める。
ライヴ・グループとしてデビューしたビートルズのオリジナリティあふれるサウンドが、次第に洗練されていく流れをたっぷりと楽しめるアルバムだ。