シリカゲルは、水分はもちろん、その他の物質に対しても優れた吸着力を示します。その原科は、地殻成分の約60%を占めると言われるケイ素。
このケイ素を化学的に反応させて、多孔質で大きな表面積を持つ構造を作り出すことにより、各種成分に対する優れた吸着力を生み出すのです。
シリカゲルの構造と吸着力
シリカゲルは、化学的吸着(シラノール基による吸着)と、物理的吸着(毛細管現象による吸着)による、広範囲な吸着特性があります。構造は、二酸化ケイ素の微粒子が集って、連続的に網の目のような微細な孔を形成しています。
この微細な孔の内側に、水蒸気などの各種物質を吸着していくのです。
■シリカゲルA形のモデル
A形は、二酸化ケイ素の微粒子が緻密に集っていて、1gあたり約700
という広大な表面積を持っています。そして、この表面に無数のシラノール基(水の分子等と結合しやすい基)がある為、水と性質の近い物質を選択的に吸着します。このようにA形は、シラノール基による化学的吸着力によって、各種の極性分子を選択的に吸着するのです。
■シリカゲルB形のモデル
B形は、二酸化ケイ素の微粒子が緩やかに集まっている為、表面積は1gあたり約450
とやや小さくなっています。この為、シラノール基による化学的吸着よりも、微粒子間の間隙への毛細管現象による物理的吸着の力が優先的に働きます。この物理的な吸着力は緩やかなので、B形シリカゲルは低湿度に置くと、吸着していた水分を徐々に放湿する「呼吸作用」を持っているのです。
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