昆虫の営み 3 |
(1)ハルゼミ |
子供の頃、端午の節句が近づくと「ガーガー」と、セミの仲間のヒグラシのような声が聞こえていました。 「あれはのナツムシというんじゃ、あれが鳴き出すと、田植えの時期が来たの」と近所のおじいさんが 教えてくれました。 このセミは、姿を見せないし、高い場所で鳴くので、子供の頃は「幻のセミ」でした。 そして大人になって、姿を見せたハルゼミ。 見かけるのは2度目です。 段戸裏谷の森を散策中、足元でバタバタと枯れ葉のこするような音が聞こえてきました。 見ると苔にしがみつくハルゼミの若者でした。 羽化して、羽根を固めていたところをお邪魔したようです。 「ごめんね」と声をかけて早々に立ち去りました。 |