「潜入するのは手伝っていただくとして、中ではちょっと思い切ってもいいでしょう。幸い一般人も閉め出されてますし。あえかさんが魔性を見ているならその姿に化けて反応をうかがってみましょう。ミカドたちが何を思うのか、わかるかもしれません」
化けるというところは使ってもらいましたが、根本的に違う意図になっていました。やはりあえて騒ぎを起こそうというのは無謀でしたかね。
「派手な煙が出るように調合した薬を使って視界をさえぎってからあえかさんを部屋の外に突き飛ばし、タイミングを少し遅らせて”怪我をした阿賀多さん”に化けて転がり出て、気を失ったフリをしましょう。あえかさんに逃げる気になってもらわければなりませんが、ここで理由を詮索しているのは危険な気がしますからね」
ちょっとダブルっぽくなってしまいましたが、こういう状況では「自分だけ逃げられない」と拒否するのがパターンだし、ニセモノになって逃げる気になってもらおうと。