帝国軍の秘密兵器「魔導城」は試運転の段階で都市を消滅させている。一方で旧リシュトラクシス皇国第4王女デレトリクスは帝国軍によるオリハルコン鉱山レーゼン採掘基地の占拠を聞き、傭兵団を組織して出撃。兄のジェニトゥスもその後を追う。そして脱出してきた少女から、帝国高位士官が指揮する巨大な地下工廠の存在も明らかとなった。
せっかくだから残り回数も2シナリオ併走させようとして、ギャグ未満でシリアスすぎない程度を狙って参加。シリアスはABでやってますしね。
旧リシュトラクシス王国の第4皇女デレトリクスは兄のジェニトゥスと傭兵団を指揮し、帝国のオリハルコン鉱山レーゼン採掘基地へと向かっていた。人々が強制労働をさせられているというその鉱山は沢山のオリハルコンゴーレムで警備されていた。
デレトリクスはジェニトゥスに女性が近寄ったりしていることもあり、反発を強めている。鉱山から脱出してきた少女の手当に当たっている者は、その口論を苦々しく思うこともあった。「仲間を助けたい」と同行を申し出る少女アスティナに、ジェニトゥスは自分の権限で許可を出した。
戦場では誘い込まれて突出したデレトリクス隊が包囲されかかったが、ゴーレムの通れない間道を利用して駆けつけたジェニトゥスにより救出される。負傷したデレトリクスに戦場から去るよう諭すジェニトゥスだが、デレトリクスは強気な姿勢を崩さなかった。
採掘場奥では、指揮官である帝国の女魔導士フラーマが何かを造りながら指示を出していた。潰走する傭兵隊を追撃する帝国軍はオリハルコンゴーレムを持っており、同じゴーレムでもより強力である。それに崖の上から岩石を落とすことで対抗して大半を足止めすることができ、採掘場への突入に成功する。
デレトリクスとジェニトゥスを含む一団は採掘場を進んでいた。通路ではゴーレムも入ってこられなかったが、普通の兵士には遭遇している。そして広大な空間となっている採掘現場にたどり着いて作業をしていた人々を逃走させた。
フラーマは自ら前線に出てきたが、不利を悟って奥へと消えた。そしてバーレルリークのオリハルコンゴーレム部隊が傭兵隊に相対する。通常より一回り大きいのに機動性も普通より高いバーレルリーク機は、腕を切り落とされても触手のようなものが切断面から現れて引き上げ、修復する能力を持っていた。そして別の侵入者を関知したバーレルリークはやはり奥へと去っていった。
採掘場の最奥部の工廠ではフラーマが巨大な扉を開いていた。そこにあった「魔導城」をこれから浮遊させるとフラーマが駆け込むと、そこの天井が開きだした。これは自分たちの手に負えるものではないというジェニトゥスだが、デレトリクスは自分たちが止めないとと起動中の魔導城へと向かっていった。
罠を警戒してニャルサの女の子型の人形ミケを先行させていた人形使いのタック・アイナムがデレトリクス傭兵団の補給を担当するアニス・チェリッシュにスケッチさせてくれるよう口説いていた。ニャルサのアニスを自分の人形の参考にさせてほしいのだ。
「ぼくは最強のメイドさんだよ。そう簡単にスケッチさせる訳にはいかないなー☆」
「ちょっと位でもダメなのかな?」「うん、ダメ」
よく判らない性格のアニスだが、タックはしつこく食い下がる。その時、火炎拳士グレッド・ヴォルテクスが一同を制止した。
「気をつけてください。敵の気配です」
通路の狭さを考えるとオリハルコンゴーレムでない事だけは確かだが、普通の警備兵は配置されていたようだ。ラクスが二刀流を構え、ルウファも白豹のゼファーを待機させる。
「覚悟はいいか、突破するぜ!」
ジェニトゥスの声に続いてルウファの黒翼とアレイアの白翼が宙を舞う。白豹と共に大剣を振るい敵をなぎ倒すルウファを、タックの人形ミケがサポートし、正面の敵をラクスのロングソードによる二刀流とグレッドの挙が打ち倒していく。
デレトリクスも突っ走るタイプのお姫様ですが、戦闘力はあります。フレイムマスタークラスの魔導士だそうで。
2001,11,26
起動を始めた魔導城はレーゼン採掘基地の天井を割って飛び立とうとしている。デレトリクスは部隊を率いてそれを止めるために出撃し、ジェニトゥスもそれを追った。
基地内は突入の混乱も収まり、魔導城前にはオリハルコンゴーレム部隊が守りを固めている。切断された腕をも修復する指揮官バーデルリーク機、更には周囲のゴーレムを取り込んで巨大化するものまでいるオリハルコンゴーレム部隊に傭兵隊は苦戦する。更にはゴーレム部隊すらも囮であり、本隊はジェニトゥスの部隊に肉薄、痛み分けになりながらもジェニトゥスを負傷させる。治療を受けたジェニトゥスは、術士に魔導城の魔力が集積されているポイントを探すように依頼した。
デレトリクス達はゴーレムに苦戦したが、押さえつけての集中攻撃で再生速度に勝る破壊を行い、これを撃破した。遅れて突入したデレトリクスも魔力の集中点を探るが、それは3つに分けられていた。
魔導城の責任者の女魔導士フラーマは、いざというときに基地を放棄する際に爆破をしないように命じていた。想像を遙かに超えた何かが起こると見ているようだ。
デレトリクス達は凶暴化した兵士達に苦戦しながらも、先行したジェニトゥス達に追いついていた。渋るジェニトゥスもサポートする仲間の説得にデレトリクスの同行を認める。
フラーマのいる制御室も傭兵団に押さえられた。投降を呼びかける傭兵団だが、フラーマは「言うことを聞く者のみ」に勧告するという。フラーマが言うには、魔力集積ユニット周辺に重点的に兵を配置したが、想定以上に溢れだした魔力で凶暴化して指揮下にはないのだという。それは首都に出現したという「魔界の門」の影響らしい。
フラーマが制御方法を漏らさないため、やはり魔力集積ユニットの破壊が行われることになった。だがそれに気をとられている隙にフラーマが逃亡する。また、ユニットには人間型の窪みがあり「アスティナ」という彫り込みがあったが、それは鉱山から逃亡してきたといい現在傭兵団に同行している少女の名前と同じであった。
3つ目のユニットを破壊しようとしたとき、そこから溢れた黒紫の闇の中から巨大な魔族ザルカッツェン族が押し寄せてくる。そして砕けた破片も再生し、魔族を生み出していく。デレトリクスは他の団員を逃がして自分は残るという。
オリハルコンゴーレムも再生しつつあった。バーデルリークの本来の姿はオリハルコンの体を持つ高位のザルカッツェン族で、12本の腕を持つ本来の力を取り戻した。そして魔導城も再起動、飛び立とうとしている。
ぎゃーぎゃーわめき合うふたりの間に割って入るようにのんびりと人形使いタック・アイナムが人形ミケの頭を撫でた。
「集積された魔力でどんな影響があるかわかりませんからねぇ。生身の人は下がって、ミケに任せてください」
「うん、お願いね」
制御室で結晶に近づいても影響はないのかを訊いたイザークに、凶暴化は門の出現時に放たれた魔力の余波による瞬間的なものだとフラーマは答えた。
「それじゃタックさんとスピーにユニット破壊は任せるわ。でもスピー、狙うのはあの結晶だけだからね!」
「う〜っ、わかったよぉ」「ミケ、準備はいいかい?」
次のユニットに向かい兄妹が部屋を後にし、タックとスピーシーズが攻撃を放つ。跳躍したスピーシーズの連撃が結晶にヒビをつくり、続くミケの繰り出した一撃で完璧に撃ち砕かれ、紫の結晶は単なる水晶片へと姿を変えた。
う〜ん、「やることはやったんだけど無駄でした」ってのはどうかなぁ。少なくともわたしはあんまり好みじゃないけど。
2001,12,24デレトリクスは仲間を逃がすために魔導城に留まったが、ジェニトゥスを始めとした一行がそれを見捨てるわけもない。魔族の跳梁する場となった魔導城では帝国軍兵士も指令のフラーマ達を救出するべく行動しており、互いに協力しての捜索を行うことで合意がなされた。
内部ではそのフラーマも傭兵団に協力して事態の収拾を図ることを目的とし、占拠された中央制御室に戻ろうとしていた。途中で高位魔族バーデルリークの襲撃に会うも、かろうじての足止めの間に制御室に到着。暴走する魔力の影響で完全とはいかないまでも、内部の様子を知ることが出来るようになる。
動力室で隠れているデレトリクスは、回復した通信で仲間達が苦戦する様子を見ていた。デレトリクスを救出すると懸命に励ます仲間達だが、彼らがいま戦っているのはデレトリクスが一人で残ってしまったからに他ならない。
デレトリクスの救出だけでなく、魔導城対策のために残った者達もいる。魔族達の現れた水晶を調査に向かった者達は、水晶と融合した女性型の魔族に遭遇。闇を吐き出す魔族は破壊しても再生したが、その一部を持ち帰ることに成功した。
この採掘場から逃亡してきた少女アスティナと同行していたものは、彼女の名前が魔導城に刻まれていたのを気にしていた。彼女の身体を調べたものはそれが普通でないことを悟り、合流したフラーマからは魔導城制御のために強大な力を持つものとして作られた存在であると教えられる。
魔族に捕らえられてしまったデレトリクスは水晶の融合魔族の前に引き出されていた。その強い力を求める魔族の手が伸びたとき、救出の部隊が到着する。かろうじて合流して脱出しようという一同の前にに立ちはだかったのはバーデルリークだった。
バーデルリークは圧倒的な力を示すが、人々の苦痛を求めるその欲求からあっさりと殺すようなこともせず、かろうじて脱出には成功した。そして飛び立った魔導城に対する兵器として、帝都からの報告で「龍神弓」の存在が明らかになった。それはここから近いグロイソス渓谷にあるという。「深い霧と銀の兵士達に守られている」というそれを手に入れるため、デレトリクスはジェニトゥスとは別行動での探索を行うことを提案した。また、フラーマは魔導城の動きを封じる魔法陣を用意するという。
でも、と言ってシリルにくわえた煙草を取り上げられたダラスは、すねたようにアスティナの方に振り向くと……なんと、傀儡師タック・アイナムがアスティナの服をまくり上げようとしていた。
「何やってんだよお前?」
「え、いやぁ……アスティナさんが逃げられたのが幸運ではないとしたら、手出しができない理由があったと思うんですよねぇ。」
何事もなかったかのようにのんびりと答えるタック。
「僕にアスティナさんを調べさせてはもらえませんかぁ。本人もいいと言ってくれましたしねぇ」
「はい。これで、何かが判るのなら……」
「本人がよくてもあたしが許しませんっ!」
「あなたがフラーマさんですかぁ? アスティナさんの事について教えてほしいんですけどお」
フラーマがタックを冷静に見つめる。
「そう、貴方達。あれを見たのね」
アスティナについてフラーマは語り始めた。彼女が強大な魔力を持つよう魔導技術で造られた人間である事を。魔導城の制御用に製造された実験体で、アスティナは唯一の成功例であり記憶を操作され中枢としての部分だけ記憶が意識化されないように調整されているため、自分では他の人々と同じ強制労働させられている人間の一人だと思い込むようにされていると。
「まさか逃げ出すとは思いませんでしたが……」
とりあえず共通の敵を前にしての共闘作業。個人的には「共通の敵」はあまり歓迎しないのですが。早めに片づけて、また敵同士になったら嬉しいけど。
2002,01,28「龍神弓フィリグリア」を求めて霧のグロイソス渓谷にやってきた一行は、デレクトリス隊とジェニトゥス隊に分かれ、デレトリクス隊が探索を、ジェニトゥス隊が魔族の迎撃を行うことになった。
帝国の魔導士フラーマも、中枢と同調出来る特殊クローン体の少女アスティナを使って魔導城を止めようとしている。その作業を進めるものは、使われている技術がレディエナーラから受けた魔族の技術を引くもので、それ故魔族とも同調しやすかったのだろうと考えていた。
迎撃を行うジェニトゥス隊の前には12本の腕を持つ融合魔族バーデルリークが現れた。胸部装甲を引き裂いた中に核らしきものは確認するが、強大な力にジェニトゥス達は体制の立て直しを計ることになる。
デレトリクス隊は霧に包まれた迷宮で「信頼」を求めるという龍神弓を探していた。深い霧で見通しのきかない中で、偵察にでたものはジェニトゥスからの攻撃を受ける。
魔導城の中では「ニャルサどーん」を巡っての争いが行われていた。それは冒険者の手に渡ることになる。
魔族の迎撃を行うジェニトゥス隊の撤退に際し時間稼ぎをつとめた者達は、魔族の力に魅せられてその力を手に入れた物に出会う。龍神弓を手に入れようというその者はデレトリクス達を追って谷に向かっていった。
フラーマは魔力集積ユニットであった物の破片を調べていた。それは魔族との接触により「生きている石」とでもいう存在になっているという。それは突然強い波動を放ち、ちょうど触れようとしていた者に取り憑いて高位ザルカッツェン族の戦士となる。
デレトリクス隊は霧の中、ジェニトゥス達の襲撃を受ける。それはデレトリクス達に大きな衝撃を与えた。
ジェニトゥス隊は魔法陣を用意している地点まで撤退してきた。その彼らに襲撃を仕掛けてきたのは、彼らのよく知る人物であった。デレトリクスの襲撃に戸惑うジェニトゥスは、持っていた結晶片に乗っ取られようとする。その頭の中には「王家の姫を、その血を我に捧げよ」という声が響いてきた。
少し戻った広めの場所で魔法陣と魔導装置の作業を手伝う傀儡師タック・アイナムの元にフラーマ連が足を運ぶ。
「なかなかに宜しくってよ。作業の方は順調そうですわね」
「霧の中での作業は結構大変ですねぇ。ですが順調に進んでいますよぉ」
人形のミケを連れて器用に作業をこなすタックがにこやかにレインに振り返る。
「作業に必要な新たな物資の手配、よろしくお願いしますねぇ」
「その件でしたら、すでにあちらに用意してあります。ところで我が帝国兵や傭兵達から融合魔族とアスティナの類似性を指摘する声が聞かれていますが、それはどのような意味を持つのでしょうか?」
「さあ、融合時に核となる中枢部の結晶体からアスティナのデータから何らかの影響でも受けているのかしら。推測に過ぎませんけれど」
ミケを操りつつタックも疑問を口にした。
「門外漢が言うのもなんですけどぉ、珍しい技術が所々に見られますねぇ。どこのものでしょうかあ?」
「それはレディエナーラより受けた魔族の魔導技術でしょう。これほど魔導城が魔族となじむのも、今にして思えば未知なる魔族の知識が含まれていたからこそなのでしょうね」
フラーマはどこか遠い目をしていた。
プレイヤーから見れば、「信頼」を確かめるために仲間の姿で襲撃してきたということだと想像つくんですけどね。でも、PCとしてはそちらには関わっていないし行動に迷うところです。
2002,02,26デレトリクスは兄のジェニトゥスに襲撃されたことで傷心していたが、それはニセモノであり龍神弓を手に入れるための試練であるとの説得に再び神殿へと歩を進める。だが、仲間の姿をしたものとの戦いには戸惑いを隠せない。
一方で「ニャルサどーん」を巡る戦いではくノ一ヤマトがそれを手にし、猫耳猫尻尾が生えていた。そして舞台は地上へと移る。
バーデルリークをはじめとする魔族との戦闘では、その核を狙うことである程度の効果を上げ、バーデルリークも撤退していった。
人造人間の少女アスティナを核として魔導城の制御を奪う試みは帝国科学者フラーマの指揮の元で進められていた。魔法陣で魔導城をアスティナを繋いで制御を奪う作戦は、逆流してきた魔族にアスティナが乗っ取られる結果を生む。
一方、本物のジェニトゥスも魔族の破片から受ける力で操られていた。ジェニトゥスを止めるため心臓の近くにある破片を狙う攻撃は困難を極めたが、なんとかそれは成功した。
魔族に与した者達の襲撃を切り抜け、龍神弓はデレトリクス達の手に入った。だがデレトリクス本人は魔族にさらわれ、生贄とされようとしている。魔導城はまだ魔法陣の影響を受けて動きを止めており、龍神弓を使い外部から攻撃をかけるグループと魔法陣経由で直接乗り込む者とに分かれて行動することになる。そして魔導城内部では魔族となったアスティナが、バーデルリークにさらなる強化を施していた。
「済みません、おふたりとも。作業に取りかかっていいでしょうかぁ」
抱き合う二人にのんびりとパペットマスタータック・アイナムが装置の点検に戻ってきた。
「あ、ごめんなさいっ」
慌てて離れるシリルだが、何事もなかったようにタックはアスティナに話しかけた。
「あのね、アスティナさん。フラーマさんが言ってたけど、魔導城の技術は魔族の影響を受けやすいらしいんだぁ。だからアスティナさんも魔族の影響を受けやすいかもしれないと思ってさぁ」
「待ってくださいよぉ、アスティナさんの様子が変ですけどぉ」
タックがいち早くその異変に気づく。アスティナは青い輝きを帯びた瞳を大きく見開かれている。
「浸食を受けているわ。装置のパワーを上げなさい!」
要素が多くて、正直詰め込み過ぎとの感想はあります。ヴァルザドーンは同じPCで複数シナリオに同時参加出来るんだから、無理にいろんなことをやろうとしなくても住み分けた方がとも思うのですが。
2002,03,25傭兵団は、帝国が作り魔族の乗っ取った魔導城を破壊するために龍神弓フィリグリアを手に入れた。魔導城は帝国の女魔導士フラーマの作った魔法陣によって拘束され、光の回廊が地上と結ばれている。そして魔導城の中にはデレトリクスが捕らえられ、その血を生贄として捧げられていた。
魔導城内部に突入した部隊は、魔法陣によって動きが鈍っているとはいえ十分に強力な魔族と戦いながら中枢を目指す。なんとかデレトリクスの元に辿り着いたが、デレトリクスは血を抜かれて衰弱しており、さらに魔族に身体を乗っ取られたアスティナが敵として立ちはだかる。アスティナは王女の血で魔法陣を描き、地上の魔法陣の影響を相殺した。
地上ではフラーマたちが魔法陣を守りつつ、反撃のためのエネルギー照射の準備を進めていた。その照準は魔導城に侵入した部隊からも誘導を受ける。そして魔導城の魔力集積ユニットへ向けて照射されたエネルギーは融合した魔族へダメージを与える。それに対して更にエネルギーを逆流させることで抵抗するアスティナだが、そのダメージは大きい。そしてアスティナ本来の意識が魔族を退け、分離した魔族はエネルギーの奔流を受けた所を、魔の力を受けた者に吸収された。その者もまた傭兵たちに倒される。
龍神弓を魔導城に向けて放つべくゴルテクス山頂に向かっていたジェニトゥスの部隊は魔族の部隊に苦しんでいた。そして迷いのあるジェニトゥスは傭兵たちの説得でデレトリクス救出に向かうことを決める。残った部隊は魔族の追撃になんとか耐え、龍神弓を発射した。
魔導城内ではデレトリクスたちが魔族の包囲網を突破出来ないでいたが、突入してきたジェニトゥスの部隊が突破口を開き、光の回廊まで撤退して地上へと戻った。そして魔導城は光の矢に貫かれて大爆発をおこす。
少し経って、デレトリクスは残存魔族を掃討するための新たな傭兵団を集めることを決意していた。
「フラーマさん、アスティナさんの身体のことは詳しいんですよねぇ。弱点とか、いざというときの停止手段はないですかぁ?」
『もうすぐそちらの魔力集積ユニットに収束させた魔力を照射いたしますわ。成功すれば、融合魔族の本体自体に多大なダメージが与えられましてよ』
「魔族の本体はやはりソレということですかぁ」
『判らないから、断言は致しませんの。アスティナにもどのような影響が出るのかは未知ですから』
マサムネは緊張に嚥下する。
魔族と融合した結晶体を逆流させるだけで破壊できる程の魔導力が、もう時期ここに照射されるのである。
「……それがしが結晶体と地上との正確な位置関係を割り出し申す。それまでの間、巨人共を頼みました」
「やってみますけどぉ。ミケ、行くよぉ!」
タックが人形ミケを操り、魔族の注意を引きつけた。マサムネが地上のジュリオと互いの照準を調節し、少しずつ、ジリジリと合わせる。
さて、最終回を迎えたこのシナリオですが、ぶっちゃけてしまうとパターンから外れることなく終わりましたね。パターン破りが常に面白いとは限らないけど、「心」が力になるのはあんまり好きじゃないです。工夫を重ね、知恵を絞った作戦が勝利して欲しいというのは理系の発想なのかな。
2002,04,30