プロムナード5

太陽紀フロレンティア


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第1回M2
「見えぬ絆 揺らぐ心」
担当:こうゆう ひのえテラー

 太陽神殿の第一の巫女サーヤ・ユナ・ロディオスタは託宣の力を失い、心乱れていた。それは予言されていたことでもあるが、彼女自身もある禁を犯しており、その報いと思うことでなんとか平静を保っている。

 都はエウリカの大祭が明日からに迫っており、「希望の種送りの儀」を控えた学び舎・シュラカーでも雰囲気が代わり、準備が進められている。主役となる巫女たちを迎えるのはククルティという一団だが、それに一番近い位置にある金識の学士たちも忙しい。

 そして翌朝、学士たちが組紐を組み上げていく間で巫女たちは迎えられた。それに合流するククルティは学士たちとは少し違う不気味な正装を見せていた。目隠しのように頭部を覆う布、背には簡素な羽が下がり、首元にはうろこのような銀の刺青。学士たちはそれを憧れのように見つめていた。

 祭の直前となっても、兄である黄金皇帝アルカンド・ソロス・ロディオスタの横に立つサーヤの顔色はすぐれなかった。だが、街は祭の雰囲気に包まれて華やかさを見せる。

 祭が始まって数日。サーヤの腕輪であるユェンユェンのメノウが漏らした言葉から、サーヤの力が失われた事が一部に漏れていた。別から流れて来た噂ではサーヤは祭が終るとククルティに預けられるという。

 そして数日後、サーヤがククルティに出発する前日に周囲の者の気遣いでサーヤとアルカンドは二人で話す機会をもった。だが、力を失ったサーヤはそれに引け目を感じており、素直に話せたとは言えないかもしれない。

 その翌朝、サーヤはククルティに向かって出発した。


 初回は顔見せ的な描写でした。どうやってストーリーに絡んだらいいかはちょっとまだ考えていないです。

2001,04,08
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第2回M2
「思い糸 世界の糸」
担当:こうゆう ひのえテラー、日高 天丸テラー

 託宣の力を失った太陽神殿の第一の巫女サーヤ・ユナ・ロディオスタはククルティに預けられることになり、密かに出発した。

 それを噂に聞きつけて同行を望む者たちもいたが、なにしろお忍びの一行であるので見つけるのも簡単ではなかった。だが目立ち易いサーヤの腕輪であるユェンユェンのメノウを見つけて口車に乗せて居場所を突き止めたり、自ら目立ってサーヤ達を引き付けた者などがいた。

 また、黄都ワカから、泰地の里ロサとククルティのある禁断の地への分岐点にある金識の学士の資料館「チャルトゥン」で待ち構えて、直訴して受け入れられた者もいる。ここではサーヤは手紙を受け取ったようだ。

 このチャルトゥンは建物自体に扉がなく、別に設けられた地下道から出入りする。また、別の扉を通ってククルティへ通じるが、これらの出入りは厳重に管理されており、サーヤ達もチャルトゥンで数日の足留めを余儀なくされた。

 ククルティへの扉は、到着した金識の学士の一行の、金識の長ガランシィ・グランの孫娘のレストゥネルが開けてくれることになったが、メノウが行方不明となり数人は別行動となった。そして入ったククルティは霧に包まれた別世界のごとき景色が広がり「大霊の住む場所」であるのが感じられた。

 一行を迎えたのはメフィエレンと名乗る妖艶な女性であった。だが、彼女は金識の学士たちは案内できないという。気色ばむ学士たちに対し、メフィエレンが空中に複雑な線を描いたかと思うと次の瞬間には学士たちの姿は消えていた。

 ククルティ達の住む高楼カスティーヨは見慣れない建築様式であった。そこに招待されたものは、望むのならばククルティになれると聞かされる。もっともククルティには独自の戒律があり、今までの世界との断絶は覚悟しなければならない。それは独立を守ってきたククルティとしての立場でもある。ただ、メフィエレンは「ここはもう邪魔なだけと彼らに教えて欲しいところだ」といい、微妙に距離を置いているようだ。

 その晩、一行の巫女に託宣が降りる。「滅亡ととても強い思惑が絡み合うように広がっていく」イメージに巫女は怯え「ここにいてはいけない」といい、受けた思念の強さからか体調も崩す。そして戻ってきたメノウ達の「ガランシィが倒れた」という報告と、生活感が感じられないカスティーヨに不安を感じたサーヤ達はこっそり抜け出して里に戻る。

 里ではガランシィがそれほど悪い状態ではなく、代理のものも既に立っていることを知り安堵する。その分だけメフィエレンがあらわれた時は驚き、恐怖すら覚えた。メフィエレンは一瞬で一行をカスティーヨに戻したが、そこには金識の学士たちや、自らがもう一度聖域へ「希望の種」を取りに行こうという一団がやってきていた。

 それに対してメフィエレンが出した条件は「ククルティとなる継承者を残すこと」であった。当初はサーヤがその人数に数えられていたが、魔法を発動させる寸前までの駆け引きの結果、それは引き下げられる。だが「5人を継承者として残すこと」という条件は依然として残り、まだ黄都でやるべきことあるはずと思うサーヤは呑みにくい。だが、今までの世界との断絶を他人に押しつけることもできなかった。


 一般人として何とか同行しようと、リボンに化けて拾ってもらおうとしたら、PCさんに拾われてしばらく結ばれたままでした。今回ほとんどリボンのまま。

2001,05,14
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第3回M2
「記憶の絆 離れる歩み」
担当:こうゆう ひのえテラー

 ククルティの高楼カスティーヨは、初夏だというのに寒々とした雰囲気を漂わせていた。現在ここに留まっているサーヤ・ユナ・ロディオスタは、自分の腕輪のユェンユェンであるメノウ以外をまわりに寄せつけないようになっていた。

 カスティーヨでは、案内役であるという女性のメフィエレン以外にククルティであるという人物は現れていない。メフィエレンが「聖域」への扉を開く条件として出した「ククルティの後継者を5人」には志願者がそろった。しかしメフィエレンはまだサーヤが後継者になることを望んでいるようだ。メフィエレンはサーヤの「変革する力」が必要なのだという。

 黄都ワカからはサーヤが託宣の力を失った原因が純潔を失ったことであるかを調べるために、ラシャキブのラシュリー・ラキスが派遣されることとなった。ラシュリーは「自称・吟遊詩人」で、実はククルティであるナスティア・テトラエレメンツ達を同行者に加えて出発した。

 サーヤは相変わらず他人を寄せつけようとしない。カスティーヨはメフィエレンによって通過点である資料館チャルトゥンを閉鎖させられた為に孤立した状態である。だが、ナスティアの手引きによりサーや調査隊の面々と、チャルトゥンで足留めを食っていた面々までもなしくずしにカスティーヨに入ってくる。そこで遂にサーヤ自身の口から、彼女が身篭っていることが明かされた。

 一方、金識の里ミシュテランでは病に臥せった長ガランシィ・グランの代理が求められていた。その最有力と思われた者は「自分はあくまで後継者レストゥネルの代理である」といい、里では次第に不安が広がりつつあった。

 ガランシィとの会談では、彼が金識の長でありつつ、聖域を守りシャンドラを安定させていくククルティでもあること、ククルティにはその素性を隠して放浪するものがいること、ククルティの長であるレヨラの身体はあと数年しか持たないだろうが、その力ゆえ後継者を作るのもままならないことなどが話された。ガランシィを80〜90年ほど前にククルティに導いたのはメフィエレンと名乗る女性であったともいう。

 また、現在の状況については金識は来月あたりに高原で一戦があるだろうから、金識の鎧の解放を認めること、後継者についてはレストゥネルの帰りを待たずに今いる民の中から選出することなどが決定された。

 黄都ワカには「金の厄災」の託宣が降りたことを伝えに出向いた者がいる。金識の里にて正式な判定を受けたものであるが、第二の巫女であるクムクは「わたくしの託宣とは違う」と取り上げようとはしなかった。

 サーヤは身重の状態で黄都に帰るのは混乱を招くだけだと諦め、調査隊のメンバーも混乱を心配した者たちに足留めされている。そしてサーヤは「このまま待っていても何も始まらない」とククルティになる道を選んだ。メフィエレンはすぐさまサーヤ達候補者をカスティーヨの奥へと連れていった。

 そのカスティーヨの奥部では道に迷った者たちがある部屋でミイラを発見する。強い圧迫感を感じさせるそのミイラは頭の中に直接語りかけ、自分がレヨラであり、時期尚早である変革を望むメフィエレンを止めるようにという。そして、ククルティのことが知りたいなら地下の書庫にいくか、自分に身体を貸すようにといった。


 遅延通知が来た後、翌週月曜日に到着。他社を基準に見るならそれほど遅くもないけど、気をつけた方がいいかも。逃げられなくなる前にシナリオ移動も考えないと。

 ファイナの方はレヨラのミイラに出会っています。ユェンユェンの身体って、貸せるものなんですかね。そもそも「ミイラ」は「物」なのかどうか。時代がかかるとユェンユェンになったりするのかな。

2001,06,11
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第4回M2
「綾みの途 一人二人」
担当:日高 天丸テラー

 ククルティとなる事を選んだ7人は、カスティーヨには今やメフィエレンとレヨラ以外がいないという事実を知る。メフィエレンが案内した広間には「諦め」が満ちていた。「己の未熟さを悔いながら亡くなっていった多くのククルティ達の想いが残っている」というその床には大霊の文字で数多くの人名が刻まれていた。彼らの名前もここに連なるというが、それは名誉でもあり、不名誉でもあるという。そしてレヨラが死んだ時がカスティーヨの最後で、同時にククルティの最後でもあるという。

 サーヤがククルティとなることに言い様のない不安を覚え、強引な方法で翻意させようとまで思い詰めたものもいる。しかしそれは他の者に止められ、「サーヤ自身が決めたこと」と諭された。

 ミイラとなりつつ生き延びていたレヨラの「身体を貸せ」という申し出に応じるものもいた。メフィエレンを「わが手足」というレヨラは「ククルティを託せる次代の継承者」を育てるのを急がねばならぬという。「残された時は短い」というレヨラは一同を地下の書庫に導いた。

 金識の里では月華軍との戦闘に備えていた。ギリギリでやってきたウィノヴィナに里長の地位をまかせたガランシィは、それまで代理を引き受けていた者に守りの組紐をまかせた。

 書庫では樹華の起源についての謎が明かされていた。双樹帝国建国の700年ほど前、樹華が「金紗の第二王国」に加わる100年ほど前に、レヨラ達は生命力「エナ」を大地に根付かせるため、ヒトと緑とを合成し「樹華」を培養することに成功した。

 それから更に100年ほど前のこと。ハサティ・レヨラが聖域から持ち帰ったエウリカにより黄金樹のエナを取り戻すのに成功した。しかしその頃既に、この方法では限界が来ることが予測され、「それにかわる方法」が見つかるまで命脈を保ち続けるのがククルティの使命だという。

 だがそれは800年たった現在も見つかっておらず、レヨラは7人に聖脈へ通じる力を分け与えて継承し、シャンドラの命脈を繋ぐことが重要と考えている。メフィエレンはレヨラの「意思を分けたるもの」でありながら独自に何かを計画しているようで、それはレヨラにもわからない。

 身篭って体型も変化し始めたサーヤの周囲では、やがて産まれるだろう子供の話題も出ることがある。だが、サーヤが明かしたのは相手が「ヒト」であること。これは産まれてくるのが「樹華」ではなく「ヒト」になることを意味し、皇族が樹華である故にサーヤの立場も危うくなると思われる。しかし、仲間の「サーヤの気持ちが第一」という言葉にサーヤは安堵し、これが託宣の「運命の使者」による大霊の意思による宿命だとの認識を持つこととなった。

 黄都ワカに「金の厄災」の託宣を伝えようとしたものの、第二の巫女の「わたしの託宣とは違う」という言葉で門前払いをくわされたものは、今一度の機会を求めていた。しかし身分の違いなどから、舞踏会に参加することができても高位の者に近付く事すらかなわない。仕方なくククルティに帰ろうとする者達は、第二の巫女の託宣が「再生」であったことを知り、希望を持った。

 黄軍と月華軍の戦闘では黄軍の勝利が伝えられてきた。戦闘準備をしていた金識の里はそれに安堵するが、二日後には敗走しつつも千を超える数の月華軍が里に近付いてきた。かろうじて「金識の鎧」を発動させて結界で里を守ったが、それも3日程度しか持たないだろう。それまでに正規軍の応援は間に合わない。

 カスティーヨではレヨラとメフィエレンが対面していた。レヨラは「我々はもはや一月と持たぬ」という。レヨラは「7人に力を与えた」というが、メフィエレンは「ムリだ」という。そして黄金樹も樹華もいらない、大地を自立させる方法を作ってみせるという。


 テラーが天丸テラー単独に。M1も同様のようです。

 展開は急激ですね。樹華が作られた種族・・・「プレイヤー」としては何度も経験してるとはいっても、これに対応するいい手段があるわけでもなく。

2001,07,11
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第5回M2
「音のない未来(とき) 言葉のない未来」
担当:日高 天丸テラー

 金識の里ミシュテランは月華の残留戦力に包囲され、組紐魔法「金識の鎧」による結界により3日持ちこたえた後、攻防戦に入った。多数の犠牲者を出しつつも援軍はなんとか間に合い、里は救われた。

 カスティーヨではククルティの長ハサティ・レヨラが一同を集め、今日が「最後にして最初の大切な日」であり、「答えは見つけるものではなく、作るもの」と言って、一同の考えを聞いていた。集まったものは細かい差違はあるが、人の心に起因するものが「厄災」の正体ではないかと考えている。

 その話し合いの中、メフィエレンはサーヤに魔法をかけ、胎内にいた子供を「聖域と黄金樹を結ぶ、世界と黄金樹を結ぶ聖脈の中」に送った。「生まれるのを待っている時間はない」というメフィエレンは、レヨラの意識が消えるとともに命を失っていった。レヨラは「黄金樹の声に耳を傾けなさい。女神は待っています」と言い残した。メフィエレンは「やっと解放できた」と呟き、安らかな顔で眠りについた。

 その時、一同の目の前に現れた蜃気楼のような風景はメフィエレンがパウタロッカと呼ぶ少年に「エウリカ」だという、樹華に見える少女をまかせると言っているものだった。

 ククルティの歴史を刻んだ床にはメフィエレンとレヨラの名前も浮かんでいた。その後、一同は物であるユェンユェンに心が宿るように、「黄金樹」やこの世界自身にも意思がある可能性に思い至る。だが、それから具体的にどうしたらいいかという方針まではまとまらなかった。

 カスティーヨには黄都から太陽の巫女達が避難して来た。そこから一同はクーデターにより司政官ハジラ・カイ・シィンが政権を握ったことを知る。心配する一同だが、ここで何が出来るというわけでもなく残留勢力を信じるしかなかった。

 そして、サーヤを始めとする巫女たちはそろって

『十三の夜を越え
 世界は七たびよみがえり
 黄金の都があらわれる−−−−−』

という石版を夢に見た。巫女たちは理由もわからないままに涙を流していた。

 そしてまた、黄金樹が魔族により焼かれ落ちたとの情報が入って来た。厳重も呼び出せなくなり、一同に不安が広がる。

 そんな中、金識の里の長代理の名前で黄都、月華に五司族そろっての意見を聞く「五司族会議」の申し入れと、開催に向けての協力依頼がもたらされた。サーヤはウィノヴィナに相談することを提案した。

 落ちのびた皇帝アルカンドは負傷し、静養のためにカスティーヨに訪れるということだった。


 テラーはまだ天丸テラー単独。多少の遅れがあります。移動も面倒だし、全体的にほのぼの出来る状況でもなさそうだし。

2001,08,16
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第6回M2
「光の欠片 闇の使者」
担当:大友 優里テラー

 黄金皇帝アルカンドは意識のない状態でカスティーヨに運び込まれた。黄金樹が無くなったことで、常に交流していたアルカンドが共鳴してしまわないように組紐魔法の結界も張られている。

 もともと身体がミイラ化していたレヨラは今では本当に命を失った存在である。同時に命を落としているメフィエレンも棺におさめられ、安置されている。

 幻獣が姿を表わさなくなり、人々は大霊に見捨てられたかとの思いも持ちはじめている。だが、アルカンドとともにカスティーヨに来た一人は炎霊の幻獣を連れていた。

 メフィエレンが聖脈に飛ばしたという、生まれる前のサーヤの子供の行方はいまだ不明である。サーヤもそれを気にしているが、今は夢に見た託宣の石版を探すため、砂漠に向かうことを決めた。

 カスティーヨの書庫には翡翠に込められた情報も収められている。ジェイドでないものも仮面を使ってその情報を引き出すことができる。そこから聖脈に入る方法を探してサーヤの子を探そうとしたものもいるが、その力を持ったものはレヨラだけであったため、後継のものに託された「しるし」から方法を探すしかないだろうということだ。それを見つけ、扱えるまでにはかなりの修練が必要だろう。

 カスティーヨに滞在していた魔族の娘は、サッソと名乗るヨナクロウの青年から黒い石のはまった銀の腕輪を受け取った。そして彼女は狂気に取り憑かれて妹を手にかけようとするという騒ぎを起こす。それを止めたのは幻獣の放った炎であり、それから嘘のようにおとなしくなった彼女の姿に、普通の精霊ではないと推測がされた。

 意識を取り戻したアルカンドには現状報告がされた。黄都は魔族に占領され、新政権も旧勢力も落ち延びている。月華軍に勝利した黄金軍も混乱で分裂し、火の盾と土の盾はうしなわれたらしい。

 魔軍皇帝として黄都に入った月華皇帝グラシオンは樹華を中心に虐殺を行なっている。9日には何かの儀式が行なわれたらしく、黄都四方の4つの村が大地から湧き出た黒い根によって破壊され、それ以後魔族は勢いを増しているという。

 金識の里ではこの事態を憂い、各司族の長を集める会議を提唱して既に使者も派遣されている。なおアルカンドは今の時点ではほとんどの地で生死不明とされている。

 アルカンド自身にも質問がされたが、彼もほとんど何も知らない。人々はシャンドラがそのあり方を変えなければならないのかもしれないとの想いを持つが、具体的な方法は思いつかない。一度全てを無にして創り直そうとしているのが月華皇帝ではないかとの推測もされるが、今の世界に生きているものを無にするのはアルカンドにも認められないものだった。

 幻獣が使えるのは、アルカンドが黄金樹神殿から持ち出した『聖卵(オーブ)』と呼ばれる曲玉状の白い石のためだった。伝承では、遥かな昔に古き影神を封印した『契約の珠』を13に分けて大霊の依り代として各神殿に封印されたものらしい。影神は『禁忌』として伝えられるのみでアルカンドも詳しいことは知らない。伝承では13の力を封じることで12の力が緑谷を守護するとなっているが、既に封印は解かれており、13の力が必要ということかもしれない。アルカンドはその石を持っていると何かに呼ばれる夢を見るという。サーヤは自らが石版に呼ばれる声に従うように、アルカンドも行くべきだと言った。

 そのやりとりの中で、月華皇帝は託宣により取替えられた、皇族の血を引かぬものだということも明かされている。取替えられた子供の名はユディスというそうだ。

 カスティーヨでは『聖域跡』と思われる緑の石と、メフィエレンから与えられていた宣札が作用したためか、歴代ククルティの名前の刻まれた床に扉が現れていた。

 幻影で見たエウリカの少女を探して砂漠に向かった者は「ユディスが連れていたのがそうではないか」という情報を手に入れ、対面を果たす。そこには金識の長ガランシィ・グランの孫娘レストゥネルの姿もあった。

 金識の里から司族会議の使者として出発した長代理は火雫で説得に成功した。月華でも皇帝の留守を守る宰相たちと皇妃が同意し、会議の開催は決定された。また、魔族陣営は影神招来の儀式のための13人の生贄を指名し、連れてくることを号令している。

 そしてカスティーヨに通じるプウク橋に通じるシュラカーでは、グラシオンに非常に良く似た姿のゾラがそこの者を手にかけて侵攻しつつある。また、ゾラの従者であるサッソもそこにいた。そしてその姿をカスティーヨから鏡ごしに見たものは月華皇帝が一人で来たのかと驚いていた。


 テラーがまた変更。次回選択肢もMとDとが示されていて、分割して引き継ぎたいという感じが見られますね。情報量が多いのは分割したい分の情報が入ってるからかな。

2001,09,11
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第7回M1
「華の娘たち」
担当:大友 優里テラー

 夢にあらわれる「石版」に呼ばれて砂漠へと旅立ったサーヤ達は、まだはっきりしない呼び声に対して、とりあえず最近見つかったというカラベラの遺跡に向かうことにした。

 一方で「希望の種」エウリカの少女を探しに旅立った者達はサーヤ達とは逆方向に向かい、順調にその少女フェリシアと出会う。だが「彼女の意志を尊重」ということで行動を強制はせず「シャンドラに近付くにつれて行かなければならないのかという気になってくる」という彼女に同行することとなった。

 サーヤの一行は緋の砂漠に入り、情報を求めてここの最大の部族イーヴァ・ヨゥルクを尋ねた。そこでサーヤは、一族の長であるダナグーンが「月の祭」で結ばれた男であるのに気がついた。ダナグーンはサーヤに同行して力になろうというが、一族をまとめる男を自分の為にわずらわせられないという思いと、彼に甘えてはまた自分が弱くなってしまうという恐れから、サーヤは彼を避ける。サーヤ達が出発する朝、ダナグーンは「古代の指輪」をお守りとして渡した。

 フェリシア達はシャンドラの近くまで辿り着き、文字通り草の根をも根こそぎにしたその麓の村の惨状に衝撃を受ける。フェリシアがその草を土に埋めると、樹華の力か草たちは芽吹きだした。だが、一人で出来ることはあまりにも少ない。

 また、魔族達の台頭に死者の世界である冥洞界と怒溜、慈溜が関係していると考え、そこに住まうネフェル達に話を聞こうという者達もいた。闇の世界でただ一人彼らの前に姿を表わした、男とも女とも付かないが美貌のネフェルは比喩的な言い方で答え、それを解釈したものは冥洞界で解放された怒溜が魔族を操っていて、それはどこかの王国跡にあること、慈溜は冥洞界にはないことなどを推定した。

 フェリシアは樹華の感応力で、痛めつけられた大地の声を聞いていた。そして魔族達により「影楼樹」となった黄金樹を目にしたフェリシアは激しい思いに突き動かされ、その髪にあった蕾は花開き、大きな紅い華となった。

 サーヤ一行につかず離れず、勝手に護衛役をしている魔族もいる。同行しないのは、彼自身が幻魔の暴走を抑えきれないためである。

 魔族に対抗するための手段を研究するものがいる。彼らがカラベラから持ち帰った頭蓋骨の欠片は「仮面」の材料の仮源石と同じものだという。それを加工して短剣にはめ込んだ後、残った欠片は組紐の材料に混ぜるなどして研究されている。

 フェリシア達はいったんシャンドラを離れ、青灰の砂漠に戻っていた。だが、そこで彼女たちは魔族の襲撃を受ける。同行していた金識の長の孫娘で後継者のレストゥネル・グランは仲間を逃がすため魔族のただなかに残り、フェリシアは助けると見せかけたものが連れ去る。対魔族の新装備も威力を発揮するがそれはただ1回のみで不利には変わりない。

 戦況はフェリシアを「取り返しに来た」ジャイジャロウの者達の参戦で一転した。圧倒的な力で魔族を一蹴した彼らと、フェリシアを連れ回した一行との関係はぎくしゃくとしたものになるが、決してフェリシアに強制していた訳ではないことを納得してもらった。また、飛竜を追ったものは攻撃を仕掛け、その際に落下したフェリシアは彼女のリップルであるニャアムが救い、そのままどこかへ走り去ったという。

 互いに情報交換をした後、ジャイジャロウはフェリシアを探しに発った。そしてキャラバンの後始末をしていた者達は、死者の中にレストゥネルの姿もみつける。

 そしてサーヤ達は次第に鮮やかになる夢に「漆黒の砂漠」こそが求める場所であると確信していた。


 シナリオナンバー再編で大友テラーに固定となり、ナンバーもM1となりました。ファイナはサーヤ一行で雑用係をやってます。

2001,10,10
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第8回M1
「赤い花の咲く場所」
担当:大友 優里テラー

 砂漠を旅していた金識の一行は魔族の襲撃に会い、金識の後継者だったレストゥネル・グランを含む多数の死者を出した上に「希望の種」の少女フェリシアも行方不明となる。ここで一行はフェリシアを捜索するもの、レストゥネルの死の報告を兼ねて里へ戻るもの、更に別の意図で動くものとにわかれることになる。

 フェリシアを追う者達は、先に追っていった、フェリシアが育てられていた部族ジャイジャロウの一行と合流する。もともとフェリシアを連れ出した一行に対してジャイジャロウは友好的とはいかないが、同行は承知した。

 対魔族用の魔法を研究するために砂漠を西へ進んでいる者達もいる。目的地は現在対魔族用の武器の開発をしているというイーヴァ・ヨゥルクだ。その道中、知られている12の魔法の他の十三の魔法は影神オルギアトや怒溜、慈溜に関係するものではないかとの推測もされている。

 金識の里に帰った一行は、長のガランシィ・グランに旅の報告を行なっていた。

 異界である聖域、エナル・ミユから、古代の女王リリクの化身である「黄金樹」により聖域の巫女、ナツメ達の命で作られていた「命の種」がシャンドラの黄金樹を支えていた。だが、「希望の種」は女王の命によって作られ、リリクの願いである古代の王オルギアトを探すためにシャンドラへと送られた。

 遥か古代、古代種の王であったオルギアトとリリクは共に「花大陸」を作ろうとしたが計画は挫折、息子ユディスを失ってから楽園建設を急いだ王はその座を逐われ、強大な力を7つに分けて封印され「影神」と呼ばれるようになる。リリクも封印されたがその想いは星の力を引き寄せ、「創造の卵」が彼女を解放、新たな種族を生み出して離陸は黄金樹として世界を見守る。

 そして5千年の昔。王の「怒り」の封印が破られ、世界は狂いはじめる。それを救うためにやってきた「希望の種」の少女だが、今はフェリシアとしての人生も歩んでいるということになる。彼女のことが公になれば、彼女の自由はなくなるだろう。

 サーヤ達は「漆黒の砂漠」へ入る前の情報収集に余念がない。かつて砂漠にいた「黒の部族」が奉じていたのは「死神にして愚者たる者」であったという。また、夢で見た「石版」の託宣はおそらく影神オルギアトのものであり、それゆえに大霊の気配が途絶えているのにもかかわらず託宣が降りたのだろうと考えられていた。

 イーヴァ・ヨゥルクでは黄金皇帝アルカンドによる「聖渡の儀」も行なわれていたが、協力しないでもいい人間は対魔族用の魔法の研究をしていた。オルギアトの頭骨だという「仮源石」や、慈溜の力が溶け込んでいると見られる湖クル・チョンメの水を使っての実験も行なわれている。そしてある程度ながらも影神の力の制御も可能となっていった。「聖渡の儀」も成功し、地上に大霊の力が戻っている。

 大霊が戻った頃、サーヤ達も託宣を受けていた。それは

あかきはな
明けき花
希望の華なり

というもので、フェリシアのことを思い出させていた。

 「命の種」を管理していたククルティの住まうカスティーヨへと向かった者もいる。レヨラとメフィエレンのない今ここを管理しているのはエダム・ベネファーというジェイドの巫官だった男で、いろいろと質問に答えた。

 その話では「慈溜」の力は強大であり扱いを誤れば危険であるが、今は「毒をもって毒を制す」しかないということ、黄金樹は自らの願いを持っているはずで、フェリシアもいつか自分でそれに気がつくだろうということ、エダムの持つ「リリ」という宝珠のかけらは「聖脈の楔」のかけらだということ、それが前に使われたのは千年前の厄災でのことで、その時にレヨラによる黄金樹の延命策が取られ、ククルティが独立するようになったこと、オルギアトを奉じていた生き残り「砂竜」の裔がシャンドラで12の魔法を使っていたそれぞれの部族をまとめ、宝珠を与えて「聖卵」として神殿に祭ったということなどが語られた。そして、冥洞を目指す者にネフェルを引き合わせた。

 フェリシアを追う一行はある村でその消息をつかむ。彼女はジャイジャロウが漆黒の砂漠にいると聞いて一人で向かったといい、一行はそれを追っていった。

 サーヤ一行には魔族も同行している。たびたび幻魔に飲み込まれそうになり、事実気がつくと血塗られた手に気がつくこともある魔族であるが、サーヤに対してはなぜか手を下せない。それはサーヤがイーヴァでもらった指輪の力かもしれないと、その魔族は感じていた。

 サーヤ達は砂漠に近付いた所で、やはり漆黒の砂漠の神殿を探しているというものに出会う。素性を明かして聞き出した話では、まずは「星見の塔」に向かう必要があるということだった。


 今回の選択肢、まだMとDがあります。マスターが同じということもあるでしょうが、リンクが多いようですね。

2001,11,18
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第9回M1
「星が降るまでに」
担当:大友 優里テラー 日高天丸テラー

 漆黒の砂漠では冥洞界を抜けてきた者達も含めてフェリシアの探索に励んでいた。ようやく見つかったフェリシアはすっかり日焼けをしていたが元気で見つかった。そして追ってきた父親から母親の懐妊を知らされ、黄金神殿探索をしていたジャイジャロウに合流することになる。

 サーヤの一行も黄金神殿を探して苦しい旅を続けていた。一行が古代獣の群れに遭遇してしまったとき、それを救ったのはジャイジャロウの面々だった。サーヤは多少の盗掘に目をつむることにして同行を願い、遺跡狩人達は皇族のお墨付きでの探索に喜んだ。共に「星見の塔」を目指すことになったサーヤとフェリシアは話し合い、フェリシアはおそらく「エウリカ」の記憶であろう物を口走る。やがて星が降るときに、ミユが飛び立つのを間に合わせなけらばならず、いつか「あの人」の全てが解き放たれ、帰ることができるように「あの人」の力を解放して星に送り届けるのだという。

 ジャイジャロウにはククルティのメフィエレンから「希望の種」を託されていたパウタロッカもいた。彼の話によると、メフィエレンは樹華の皇族とヒト族の間に産まれた子供、つまりサーヤの子供と「希望の種」の少女との間に新しい種族が産まれるのを期待していたという。だが、秘密を護るためパウタロッカに施された記憶の封印のため、希望の種は予定より早く封印が解けてフェリシアが産まれた。それは「希望の種」自身の望みであったのかもしれない。メフィエレンがサーヤの子を「聖脈」の中で育てようとしたのは成長を早めてフェリシアの時間に間に合わせる為だったのだろう。

 新たに開発された、影神の力を得る13番目の魔法「有呼の法」は広く人々に伝えられていた。彼らは黄都へ武器を輸送するのにも同行することになった。それにはイーヴァ・ヨゥルクの長であり、サーヤの子の父であるダナグーンも、自分の子供が「生贄」にされると聞いて共に向かっている。

 使命のために行動するサーヤと遺跡発掘のために行動するジャイジャロウとは、行動原理の違いから理解し合えるまでには至らない。だが、共に星見の塔へとたどり着いた一行は内部でいくつかの石版を見つける。それは扉の鍵になるらしい。

 13枚集まった石版の一つは「託宣」にあった絵文字と同じだった。それは夢に見た「星見の塔」の最上階にある扉にはめ込むことで、地下の黄金神殿の道を開くのだろう。

 黄金の都では儀式を止めるべく、有呼の法をできる限りの人数で描くべく人が集められていた。また、「想い」に反応する為に術者以外も祈りを捧げるように求められている。


 どうもプレイヤーの予想よりも展開が遅いです。個人的にはあと2〜3回あってもいいぐらいなんですが、もう次がラスト。

2001,12,20
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第10回M1
「誓いの詩」
担当:大友 優里テラー

 「星見の塔」に辿り着いたサーヤ一行は、地下の黄金神殿に向かう者達と、扉を開放するための石版を塔の上ではめ込む者達に分かれて行動していた。サーヤは生贄に選ばれたという自分の子、オルグの身を案じつつも神殿に向かう。「希望の種」の少女フェリシアもこれに同行した。

 塔の頂上に向かった者達は砂賊の襲撃を受け、応戦を初めていた。地下で「侵入者」を排除する古代獣の襲撃を切り抜けて最後の扉に辿り着いたサーヤ達も、塔の上での解決を待つしかない。

 頂上に辿り着いた者たちは13の石版に対応する窪みを探してはめ込むことで、祭祀場への扉を開く。同時に地下の扉も開き、サーヤ達は黄金で作られた神殿へと入っていった。そこに記されたオルギアトとリリクの願いのこめられた詩を前に、サーヤは「未来を歩んでいく」誓いを立てる儀式が必要だと言った。

 黄都では組紐魔法使い達が総力を挙げて怒溜結界を破るための「有呼の法」に当たっていた。同じ魔法は星見の塔の頂上でも、黄金神殿でも行われている。

 そしてフェリシアは、自分自身の遠い前世であるリリクと向き合っていた。大地を救おうとするリリクとフェリシアに介入してきたのは、滅びる寸前にようやく気が付く者達など滅びて当然というメフィエレンだった。そしてフェドネの解放を望むカナンの少女もフェリシアに世界を救うのを求める。だが、フェリシアは「身勝手な言い分」に怒りをあらわにする。

 フェリシアが怒りに囚われているのに気付いたサーヤは、仲間にフェリシアへの呼びかけを求めた。その声が届いたフェリシアは、「新しい世界」ではなく「自分達の世界」を求めた。そして一同が気がついたときに、そこにあったのは「希望の種」だった。

 祭壇に置かれた希望の種からは光の柱が伸び、やがてそれは幹となり、大樹となっていった。崩れゆく神殿からの脱出経路を教えたのはフェリシアの声だった。彼女は将来の再会を約束し、声は消えた。そして翌朝、大樹の元で気がついた一行は、瞬間「花大陸」の幻影を見た。

 黄都では結界が破られ、投降したというグラシオンも行方しれずとなっていた。慈溜の解放によると思われる白い霧は魔族を崩壊させるのみならず、普通の人々も脱力させていた。その天変地異が過ぎ去った頃、人々はやはり花大陸と思われる幻を見ていた。

 フェリシアを待って数日を過ごした一行は、それを迎えることなく旅立ちの準備を始めるようになっていた。同行していた魔族はその身体を支える幻魔が消えていくことで、存在を保てなくなっている。

 その後、「シャンドラ皇国」が建国を宣言、双樹帝国と新制シャンドラ帝国は解体され、アルカンドが皇帝となった。神殿は尊重されつつも政治からは切り離され、組織も再編される。無事にオルグと暮らし始めたサーヤは新たに設立される「十三神院」の司祭長になる予定だ。新たな生活を始めた一行に、やがて「リップルを連れた緋色の髪のヒト族の少女」の噂が流れてきた。


 とりあえず「自分が組紐になる」「皇族の服を仕立てる」という目標は達成出来ました。全般的にはプレイヤーの考えよりも慎重な動きになっていたのが多かったかな。正直いうと「あと一回欲しかった」というところでしょうか。

2002,01,30
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