SEIKOの秘密その12

自動巻きの懐中時計って御存じでしょうか!!

この時計を御覧下さい。




シースルーバックになった裏側から、ローターもしっかり見える自動巻きです。
専用ケースも、裏側を見える様に工夫されています。(謎)




ケースの中身は、すっきりとした薄型の洒落た感じです。
このモデルは、『SEIKOMATIC-R:8305-0030』です。
文字盤だけ見ると、全く普通の腕時計に見えますね。




機械は、30石の8305Cです。
「Seikomatic Slimdate」「SEIKOMATIC-R」に搭載されていました。

シースルーバックにするには、ちょっと寂しい機械の仕上げですが・・・。



面白いのは、個体番号が「6DA」と3桁しか無い事です。
仮に、従来のセイコーの個体番号のルール通りだとすると、1966年の12月製造の
10個目と言う事になりますね。(謎)

6D1〜9、6DA〜Zのすべてを使ったとしても、35個までしかカウント出来ない事になります。
(実際には、I・O等はとか使わない可能性もあるので、更に少ない???)
もちろん、その後で個体番号の桁数を増やした可能性もありますが、
生産数は極めて少ないと思われます。

ちなみに、NOSで入手しましたので、保護ケースと提げ紐は、完全なオリジナルです。




これが、取り扱い説明書です。




実際にどの程度売れたのかは、分かりませんが、'66年に敢えて懐中時計の、
しかも、自動巻きを何故セイコーさんが世に送り出したのかは、分かりません。
(当時、19セイコーは、まだ残っていたと思われますし…。)

しかし、今にして見れば、
「非常にコンパクトで扱い易い実用性の高い懐中時計だったのでは?」と感じます。
Aoは、実際に携帯してみましたが、極めて携帯性が高く(邪魔にならない!!)、
自動巻きの巻上げも上手く出来るので安心して使えました。
シースルーバックから、機械が見える事も趣味性が高く、我々には嬉しい配慮です。(笑)

時代を先取りし過ぎた、言わば『早過ぎた逸品』の様ですネ。
今なら、確実に売れそうな気がしますが…。(苦笑)