その3
ここでは、SEIKOの海外モデルについての秘密に迫ります。
SEIKOが、1960年代から海外に輸出していた事は、周知の事実ですが…。
この時計を見て下さい。
一見、角型ケースの56KSクロノメーター(5626-5026)なのですが・・・、
「KS」の銘が、どこにもありません。
しかし、その代わりに『CHRONOMETER OFFICIALLY
CERTIFIED』の文字が・・・。
干支だけでなく、ケースにも「KS」の銘は無く、「CHRONOMETER」とあります。
少なくとも、Aoは、この様なモデル(KS銘無い)の存在は、知りませんでした。
そして、機械にはクロノメーター機械の証の個体番号があります。
そこで、色々と調査した結果、下記の結論を得ました。
56KSをベースに、輸出向け(当時、KSは、国内専用モデルであった)として
クロノメーターモデルの市場性調査(販売の可能性を探る)の為に、
ごく少数だけ作られ販売された「56クロノメーター輸出モデル」の様です。
(今で言う、限定モデル???)
輸出向けということで、海外では知名度の無かった「KINGSEIKO」とは、
表記していない様です。
このクロノメーターモデルの輸出により得られた調査結果(市場性)が
如何なるモノで、その後のSEIKOにどんな影響を及ぼしたのかは、
今となっては、知ることは出来ませんが…。
SEIKO時計史の中の貴重な斥候となった事は、事実です。(^o^)