研究授業・津具小学校との共同学習「ヒロシマのうた」
(平成11年9月28日第5校時)
1回目、2回目と回を重ねるにつれて、難しさを実感していた。本時である3回目は一層その感じが強く、担任としてどうしていけばいいか、正直なところまったく手の打ちようがなかった。これまでの交流・共同学習の中で最も距離を実感させられた授業だった。
- 学習課題であるが、第2・第3場面を1時間で読み取るということであった。少し範囲が広くて大丈夫かなとも思ったが、今回は津具小主体なのでそのまま引き受けてしまった。しかし、それが間違いで、東広瀬の子供たちにとって津具小主体で進むため、ただでさえ範囲が広いのに、今どの点について話し合っているのかわからない状態であった。担任でさえも津具小学校の村松先生の発問を逐一リピートすることはできなかった。
- 本校の子供たちにとって、第2・第3場面の情景をおさえ、登場人物(わたし)の心情について話し合うための一人読みは事前に済んでいた。しかし、授業では発問になかなか答えられなかった。どちらかといえば、津具小学校の授業を、テレビ会議システムを通して視聴しながら、ところどころ発言という形で関わりを持ったに過ぎない。
- 国語科の物語文の読解においては、担任と子供たちの共同読みによって行間を読み取ろうとしたり、切り返しの発問によって視点を変えて読んだりすることができる。その学級独自の雰囲気が大いに影響するといえる。テレビ会議システムを使っての共同読みでは2校間の雰囲気や相互の子供同士の関係、さらに一方の学校の担任と、他方の学校の子供たちとの関係がかなり親密になっていることが前提条件だと感じる。
- 2人の教師がテレビ会議システムの向こう側とこちら側にいて、TTとしての役割を果たそうとしていたが、通常の1教室の中でのTTとは果たす役割が異なる。その点はわかっていたものの、ではどうすべきだったのか答が出ない状態であった。
いろいろな条件を克服していかなければならないものの、こうした試みはどんどん繰り返されなければならないし、試行錯誤の中から明確な答え(授業のスタイル・学習のデザイン)が出てくるであろう。