ヴァ・ジャーマ 旅の記録 その5


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 やっぱり、今一番の勢力についた方がお得だろ、ってことで、おぃらはリーナって女の子が乗っとった秘密結社セロー団改めゲル・セロー団に協力を持ちかけたんだが、資金調達のためということで人形売りをやらされるとはな。まあお気楽だし、結構売り上げもあったから悪くはねぇんだが・・・もちろん会計はちょっとごまかしちまったしな。しかしだれだよ、リーナの人形に姫さまの人形なんか作ったヤツは。

 ゲル・セロー団についた奴等は少なくもなかったんだぜ。もっとも前の首領のセローは力を取り戻すために不在。対抗してる聖域騎士団の奴等も追っていったから、その分メンバーが絞られたという事なのかな。そういえば幼稚園馬車ジャックなんてやってたヤツもいたな。団員候補にしようとしたらしいが、よい子は暗くなる前におウチに帰っちまったそうだ。

 まあ今回の大事件というと、やっぱりリーナのステージかな。知名度上げようってことでリーナ自らどこぞの猫耳メイド娘みたいな格好でステージに上がり、結構盛り上がってもいたんだが、やっぱり首領が表に出るのは格好の票的だったな。やたらに挑戦受けて、逃げたはいいが結局捕まってここには書けない恥ずかしい目にあったらしいぜ。まあそれで懲りるような女じゃねぇけどな。

 ところで、最近街には謎の連中が現れたんだ。セローの旦那と騎士団長のアズパールのおっさんはあっちで行方不明になっちまったそうなんだが、替わりになるように黒い仮面の自称「ブラック・セロー」がセロー団の首領の役目につき、騎士団には真っ赤な装束の「キャプテン・レッド」ってヤツがやっぱり指揮をとっているらしい。まったく、この街ってのは変な奴にはこと欠かないな。

 変といえば、ゴーレム製作の第一人者だっていうティルピッツっていう女も何やら騒いでたな。なんでも家事用万能メイド型ゴーレムの試作機が逃げ出したとか。名前はマルチプライっていってたか。しかしあいつも独り言の多い女だねぇ。勝手に盛り上がって喋りまくってるんだから。まあおかげで面白い話が聞けたんだけどな。


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